月別アーカイブ: 2015年1月
安心安全のしるし「Gマーク」制度
もし、自分が何らかの企業を利用するのであれば、なるべく安全性の高い、安心できる企業を選びたいですよね。
例えば最近スーパーで見かける「顔の見える食品」は、野菜や果物、お米など多くの広がりをみせています。
食品ひとつ取っても、まず求められるのはやはり「安全性」です。
どんなに良いものですと呼びかけていても、その商品が危険を感じさせるものであれば、人々は嫌厭し避けてしまいます。
たくさんの物で溢れている現代だからこそ、人々は安心できる商材を求めるのかもしれません。
さて、運送業にもきちんとその安全性を伝えるマークがあります。
「Gマーク」はトラック運送事業者の安全・安心・信頼のマークです。
Gマーク制度
Gマーク制度とは、利用者がより安全性の高い事業者を選びやすくするとともに、事業者全体の安全性向上に対する意識を高めるため、事業者の安全性を正当に評価し、認定し、公表する制度です。
平成 15 年 7 月より開始しました。
認定を受けた事業所は認定証が授与されるとともに、認定マーク及び認定ステッカーを「安全性優良事業所」の証しとして使用することが認められ、「安全性優良事業所」であることを荷主企業や一般消費者等にお伝えすることができます。
ちなみに“G”の由来は、Good「良い」、Glory「繁栄」の、頭文字「G」を取ったものです。
Gマークは、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関(全日本トラック協会)が認定・交付しています。
「安全性優良事業所」のシンボルマークです。
全国貨物自動車運送適正化事業実施機関である公益社団法人全日本トラック協会は、トラック運送事業者の交通安全対策などへの事業所単位での取り組みを評価し、一定の基準をクリアした事業所を認定する貨物自動車運送事業安全性評価事業を実施しています。
この貨物自動車運送事業安全性評価事業は、利用者がより安全性の高い事業者を選びやすくするとともに、事業者全体の安全性の向上に対する意識を 高めるための環境整備を図るため、事業者の安全性を正当に評価し、認定し、公表する制度です。
「安全性優良事業所の認定制度」
安全性優良事業所とは
荷主企業がより安全性の高いトラック運送事業者を選びやすくするために、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関(全日本トラック協会)が厳しい評価をし、認定した事業所です。マークは安全性優良事業所のみに与えられる安全・安心・信頼の証しです。
- キメ細かな認定対象
安全性優良事業所の認定の対象となるのは会社単位ではなく、事業所単位で、平成25年3月18日現在、18、107事業所のトラックがマークを付けて走っています。有効期間は2年間等です。
- 公平な評価
応募された書類は、都道府県トラック協会で受付、全国実施機関で審査を行い、安全性評価委員会で公平に評価されます。委員会は、学識経験者、労働組合関係者、荷主団体、一般消費者、国土交通省職員及び全国実施機関担当役員で構成されています。
- 3テーマ38項目の厳しい評価
「安全性に対する法令の遵守状況」「事故や違反の状況」「安全性に対する取組の積極性」の3テーマに、計38の評価項目が設けられています。100点満点中80点以上(詳細は下図参照)の評価点数を取得した事業所が安全性優良事業所として認定されます。
たとえば、このような評価項目が設定されています
- 過労防止に配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、休憩時間、睡眠のための時間が適正に管理されているか。
- 定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存されているか。
- 乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。
- 乗務等の記録(運転日報)の作成・保存は適正か。
- 事業所内で安全対策会議 (安全に関するQC活動 を含む。)を定期的に実施 している。
- 点呼の実施及びその記録、保存は適正か。
平成26年12月17日現在、安全性優良事業所は21,125事業所あり、これは全事業所数の25.3%に当たります。
上記に関しては一部ですが、全体をクリアしていくとなるとなかなか厳しい基準です。
しかし、きちんとクリアしている企業であれば、私たちは安心して利用できますよね。
是非、企業のホームページなどで確認してみてください。
参考引用 全日本トラック協会
大きなポールトレーラ
ポールトレーラについて、もう少し知識を深めてみましょう。
以前、トレーラの種類について大まかにご紹介しました。
その中のポールトレーラについて、細かく述べていきます。
ポールトレーラ
ポールトレーラとは、鉄骨、レール、鉄道車両、建造物の壁などのコンクリート製品、果てはロケットの筐体といった、長尺かつ分解しにくい物(ポールと呼ばれる)の運搬に使われるもの。
トラクターとトレーラが積載物とドローバー、あるいは積載物によって連結されるタイプのものを指す。奴(やっこ)とも呼ぶ。
特殊な用途の為、自動車の種別は大型特殊自動車(9ナンバー)である。
しかし大型特殊免許は不要で、高速道路の通行も可能。ただし牽引するトレーラヘッドが大型貨物自動車の区分に該当するので、トラクター側のリミッターにより最高速度は80キロ程度に制限されている。
ポールトレーラは非常に大きい印象がありますね。
大型特殊免許がいらないということには、驚きました。
さらに、ポールトレーラの構造について述べていきます。
ポールトレーラは、積載物を車体構造の一部とすることで完成するトレーラです。
利点として、あらゆる長尺積載物に対応するために、積載全長を車両制限令の範囲内で容易に変更できることも挙げられます。
トレーラ部分
車両中央に積載物を受け止める為のターンテーブルが装備され、車軸前方には多くは伸縮式のけん引パイプ(ステアリングドローバー)を持つ。
他の大型トレーラと同様に、フルエアブレーキを装備している。登録は大型特殊で、中板9ナンバーが付けられる。
軸数とステアリング機構
2軸車が大多数を占めるが、一部に1軸や3軸以上の車両も存在する。
多軸車には、狭小道路を通過するために、手動のステアリング機構を備えるものもある。 特に3軸以上の車両に操舵機能を持つことが多い。
装置には多くの場合油圧を用い、その動力源としてエンジンを搭載し、ハンドルもついているが、自力で走行する機能はない。
なお旧ポールトレーラは、長いゴム製ブレーキホースの影響で、ブレーキの効き始めと解除が遅くなる欠点がありました。
しかし、現在の新ポールトレーラは、ブレーキ・バイ・ワイヤ(電気制御)でトラクターとブレーキを連動できるようになりました。
また、ポールトレーラの特徴として、トラクター部分は荷台を持つタイプと持たないタイプの二つのタイプに分けられます。
荷台を備えるタイプ
一見ただの大型トラック。フルエアブレーキ式になっていて後部にエアジャンパ栓と電気栓とピントルフック式またはベルマウス式の連結器を備えており、平ボデーのフルトラクタの荷台上にターンテーブルを載せたような構造になっている。
普通の大型トラックよりも高出力のエンジンと大型のラジエターを搭載していることも特徴。
後軸前方のターンテーブルが実質の荷台で連結部分になる。この連結部は切り離しできず、荷物を降ろすことが切り離すことになる。
荷台を備えないタイプ
セミトラクター(トレーラーヘッド)とほぼ同じ構造。
兼用の場合も多く、ピントルフック式またはベルマウス式の連結器を備えているのが唯一の特徴といえる。
大型ドリーを用いる場合のために、キャブと第5輪連結器の間にダミーウェイトを積載できるものもある。第五輪にターンテーブルを装着して使う場合が多く、積載時は荷台を有するタイプに比べるとセミトレーラに近い外観になるが、ステアリングドローバーを使えばセミトレーラよりも内輪差が小さくなるメリットがある。
トレーラには、まだまだたくさんの種類が存在しています。
全く別の種類のトレーラであっても、外見や構造が似ているトレーラも、まだまだあります。
その視点で調べてみるのも面白いかもしれませんね。
引用参考 ポールトレーラー
リバーシブルのようなフルトレーラ
フルトレーラについて、もう少し知識を深めてみましょう。
以前、トレーラの種類について大まかにご紹介しました。
その中のフルトレーラについて、細かく述べていきます。
フルトレーラ
フルトレーラとは、トレーラ荷重のほとんどがトレーラ自身にかかる構造のトレーラのこと。
ドリー式またはセンターアクスル式の大型フルトレーラ(大型トラックなどに連結するエアブレーキを備えたもの)と、センターアクスル式の軽量なフルトレーラ(乗用車等に連結するキャンピングトレーラ等)の二種類に大別できる。
その時の荷物や道路などの状況に合わせて、大型も軽量型もそれぞれ適切に使用されています。
また、フルトレーラを牽引するために必要な「フルトラクター」という自動車の存在も忘れてはいけません。
牽引車
大型用 フルトラクター
フルトラクターは荷台を備えるため、一見普通のトラック。しかしフルエアブレーキになっており、後部にエアジャンパ栓と電気栓と、ピントルフック式またはベルマウス式の連結器を備えている。ドリー式では車体後面に、センターアクスル式では後車軸の直後にある。
また、同クラスのトラックよりも高出力のエンジンと大容量のラジエーターを載せていることも特徴のひとつ。ポールトラクターとの構造上の違いは、荷台上にターンテーブルが無いことである。
ライトトレーラ用
元来牽引を目的とされていない一般的な自動車に、ヒッチメンバーなどの牽引装置と灯火用の電気カプラーを増設して牽引車としている。多くの場合構造変更を伴わないため、車検に影響はない。牽引装置を装備しても、日常の使用は一般的な自動車と何ら変わりがない。
ライトトレーラ用のトラクターが、車検に影響がないということに驚きました。
お仕事以外でも、プライベートで気軽に利用できそうですね。
被牽引車
ドリー式フルトレーラ
セミトラクタと同じカプラーの付いた前軸台車(ドリー)にセミトレーラを連結するタイプ。始めからドリーが付いた状態で製造された一体式と、一般的なセミトレーラそのものを連結するタイプ(ランディングギアが装備され、ドリーを外せばセミトラクタで牽引できる。)がある。
後退は、牽引車と連結器間、ドリーとトレーラ間の2箇所で屈曲するため極めて難しい。ブレーキはエア式。
センターアクスル式フルトレーラ(大型)
長いドローバー(棒連結器)があり、トラクター後軸後部に連結する。荷台の中央付近に車軸が集められているのが特徴。
ドリー式のような折れ曲がり部分を持たないため、後退は、連結器が1ヶ所のセミトレーラとほぼ同じ要領でできる。ブレーキはエア式。
センターアクスル式フルトレーラ(ライトトレーラ)
ドローバーがあり、荷台の中央付近に車軸が集められている点でセンターアクスル式に似ており、荷重の10~20%が親車(牽引車)にも加わる。
しかしエアブレーキを装備していない車での牽引を前提に各部が設計されているため、エア式ではなく電気式や接近式の慣性ブレーキが使われ、トレーラの総重量は3.5トン未満に制限されている。総重量750kg未満のものは、条件によって慣性ブレーキの装着義務すらない。
フルトレーラには、セミトレーラやその他のトラック・トレーラと比べ、メリットがあります。
メリット
- セミトレーラと違いトラクター側にも荷台が存在する上、全長規制が緩いため、一度に大量の貨物が積載できる。
- 内輪差は比較的少ない。
- 被牽引車を切り離せばトラクターはけん引免許のいらないトラックとして使うことも可能で、積荷の状況に合わせて効率よく運用できる。
- ライトトレーラの場合、元来牽引を目的とされていない車両でも、小改造で親車(牽引車)にできる。総重量750kg未満のトレーラに限り、けん引免許が不要。
- 維持費(自動車税・自賠責保険)がトラックよりも安い。
以上のことから、フルトレーラは基本的に、使い勝手の良い立ち位置であることが伺えます。
しかし、同時にやはりいくつかのデメリットもあります。
デメリット
- ドリー式は特に後退が難しい。
- 長尺物の運搬向きではない。積載可能なものの長さは、フルトレーラ<トラック<セミトレーラ<ポールトレーラの順になっている。
- 全長が長く、フェリー料金は単車のトラックよりも高い。
- 軸数が多いため高速道路の通行料金が高い。
- けん引免許が必要(総重量750kg以上)。
高速道路などを利用する長距離、かつ長尺物の運搬にはやや弱い面もあるようです。
しかし、先ほどの記述の通り、たくさんの荷物を問題なく積載させることができます。
またある時はトラック、ある時はトレーラと、ある意味でリバーシブルのような役目を果たせるフルトレーラは貴重ですね。
引用参考 フルトレーラー
身近なセミトレーラ
セミトレーラについて、もう少し知識を深めてみましょう。
前回は、トレーラの種類について大まかにご紹介しました。
その中のセミトレーラについて、細かく述べていきます。
セミトレーラ(Semi-trailer)
一番想像しやすい、日本では最も一般的なトレーラ。
あらゆる用途に使われる。縦列駐車や後退が可能なため、使い勝手が良い。
トラクタとの連結を前提とした構造のため、トラクタ単体には積載スペースがない。トレーラ単体には前輪がないため、基本的に非連結時にはどちらも運搬車としての役割を果たさない。
また、トラクタを切り離すことができることから、フェリー航送ではトレーラのみを積み込める。そのため、運賃と運転手の人件費を抑えることができる。
トラクタとトレーラ、両方合わせてセミトレーラができています。
フェリー航送では非常に便利な機能ですよね。
車両総重量は最遠軸距に応じ、トラクタは25トンまで、トレーラは28トンまでとする必要がある。トラクタ側にかかる重量の根拠となる第五輪荷重の表示が義務付けられている。
車軸の数は、積載重量・車輪・車軸・サスペンションの許容負荷容量の関係で決定する。
車両総重量60トン位の場合は3軸が多く、それ以上の場合は4軸以上になることが多い。用途によっては車軸がステアする構造になる。
欧米や豪州ではダブルスやトリプルスが認められている。しかし、日本ではシングルスしか認められていない。
ちなみに日本でも、トラックによる貨物輸送量が増加の一途をたどっているため、輸送の効率化を図る狙いから導入を進めてきた。しかし、公道での試験運行にまで漕ぎ着けたものの、橋梁の許容重量や交差点右左折時の通過時間など、主に地上側の理由で実用化には至らなかった。
重量の問題が出てきてしまうと、日本では橋や道路の構想上なかなか難しいところです。
また、大きければ大きいほど、そもそも入れる道も少なくなりますよね。
なおセミトレーラには、型の種類が複数あります。
- スタンション型
主に鋼材や原木やコンクリート製品などの運搬に使われる。
フラットトレーラをベースに前方に前タテ、側面には決まった数のスタンション、ワイヤーフックを設置する。最大積載量や重心高さによって、その高さやスタンションの数が決まってくる。
- あおり型
チャンネル車とも呼ぶ。
大きく分けて、固縛を前提にしたものと、固縛を前提にしないものがある。
固縛を前提にしたものは、主に雑貨や瓦などの運搬に使われる。荷台の前方に鳥居、側面後方にはあおり、中柱、ワイヤーフックを設置する。
固縛を前提にしないものは、主にスクラップの運搬に使われる。荷台の4方に角パイプを段々と積み上げるか、高張力鋼板を使用して箱状にする。
- 船底型
フラットトレーラをベースに、荷台中央を積荷が安定するように中央を船底状に窪ませているもの。
コイルなどの円筒状の荷物の運搬に使われる。
- コンテナ型
海上コンテナの運搬に使われる。
コンテナを固定するためにシャーシフレームの4角にツイストロック装置を装備している。20ftコンテナ専用の短尺車と、40ft用の長尺車がある。
後者の中には、20ftコンテナ1個積みも可能としたものもある。車軸が2軸・3軸の2種類がそれぞれに存在し、近年ではフル積載対応の3軸シャーシの普及が目立つ。
- バン型
最も基本的な箱型仕様のトレーラ。
大きく分けて、側面が大きく上方向に開くウイングタイプと、後部・側面に扉のあるバン型に分かれる。
冷凍・冷蔵仕様のトレーラは後者の形態が多い。中には、海上コンテナトレーラを改造してバントレーラとして使用する例もある。
- タンク型
液体燃料を運ぶのに使われる、いわゆるタンクローリーと、粉粒体の運搬に使われるバルク車と呼ばれるタイプがある。
- 自動車運搬型
自動車の運搬に使われる。いわゆる車載専用のセミトレーラ。
1台でも多く運べるように、トラクタ側にも積載できるものもある(通称亀の子トラクタ)。
- 幌型
アオリ付の平ボディ車をベースに、骨組み付の幌をかぶせたタイプ。
荷物が雨に濡れるのを防ぐことができる。アコーディオンの様に前後に伸縮可能である。
以上のように、セミトレーラのなかでもたくさんの種類が存在しています。
大通りや高速道路など広い道路を走るトレーラは、実は運ぶ物の目的別に細分化されているのです。
だからこそ、安全に安心して荷物を運搬できています。
引用参考・セミトレーラー