月別アーカイブ: 2015年2月
トレーラ・トラックで安全に走行するために2
トラックやトレーラは、自家用車などと異なりサイズが非常に大きいです。
また、車体の高さも自家用車より高いので、乗り慣れている方はもちろん、慣れていない方はとくに注意が必要です。
トレーラで安全に運転ができるよう、確認していきましょう。
積載時と空車時の運転感覚の違い
トレーラは、積載時と空車時では重量差が非常に大きく、速度のコントロールやギア・チェンジ等の操作に大きな違いが生じます。
同時に、軸重配分の変化から、車両のバランスが大きく変わるので、空車時にハンドル操作やブレーキ操作の加減を間違えると、滑ったり、横転したりする危険性があります。
トラクタのみで走行する場合は、さらに車両のバランスが異なるため運転操作には注意が必要です。
トレーラ独自の注意点
トレーラは2つの車両を連結しているため、運転席に荷台の挙動が伝わりにくく、荷台に傾き等の異常が発生してもドライバーの感知が遅れる場合があります。
国際海上コンテナでは、内容物の重心位置や移動状況がわからないため、横転事故になるケースがあります。
また、空車時やトラクタ単体時の急ブレーキは危険です。
積載時と空車時では重量差が大きいことから、動力性能に大きな差があります。
速度コントロール、ギア・チェンジなどの操作が相当異なることを覚えておかなければなりません。
トレーラの死角を補うには、正しい運転姿勢とミラーの活用が欠かせません。
また、右左折時や後退時等の車両が折れ曲がる際には、ハンドルを切る前に死角になる部分の安全を確認しておくことが大切です。
自家用車や通常のトラックよりも車体が大きい分、振り幅も大きいため繊細な運転技術が必要になります。
- ドライバーの目の高さ
トラクタなど大型車の運転席から見た視界と乗用車の視界には大きな違いがあります。
トラクタは、乗用車の約2倍の地上2.5メートルほどで、下を見下ろすようになり実際の距離より長いと錯覚します。
そのため、トラクタのドライバーは前車との距離空間が広く見えて実際よりも余裕があると感じ、車間距離を詰めすぎる傾向があります。
走行するときは、車間距離を広く取りましょう。
- 内輪差・側方の死角に注意
狭めの道路を左折する場合など、トラクタ・トレーラは内輪差が大きいため、一旦右に振ってから曲がることがあります。
また、左側のミラーに映る範囲も狭く、左後方の死角が大きくなり、二輪車などを見落とし、巻き込むことがあります。
右折時は、右折する側の道路に停止している車にトレーラ部分が接触することがありますから、右左折時には、側方や後方など周囲によく目を配るようにしましょう。
- 下り坂でのブレーキ
下り坂ではエンジンブレーキや排気ブレーキの活用をしましょう。
長い下り坂を走行する時は、トレーラブレーキを使用しますが、単独使用を避け、排気ブレーキ、リターダブレーキ等の補助ブレーキを併用して、速度を落とします。
『トレーラブレーキの使用は必要最小限に』!
- 踏切の安全な通過方法
低床トレーラはとくに「ハラツキ」に注意しましょう。
低床式トレーラなどは、盛り上がっている踏切路面で「ハラツキ」になり、立ち往生するケースも見られます。
橋梁の継目や舗装の段差があるとハンドルをとられたり、トレーラにおされたりして車両が不安定になることがあります。
踏み切りを渡った先の状況も注意が必要です。
渋滞等による踏み切りでの立ち往生や車体の後部が踏み切りに残るおそれがある場合は進入しないようにしましょう。
車体の長さを考えて運転しましょう。
対向車があってすれ違うのがギリギリの場合は、対向車を先に通しましょう。
トレーラの特性まとめ
大型貨物車に比べて内輪差が大きいため、右左折時や大きなカーブの通行時はとくに注意を要します。
2つの車両を連結しているため、トラクタ側にトレーラ側の挙動が伝わりにくく、トレーラ側に傾き等の異常が発生してもドライバーの感知が遅れる場合があります。
セミトレーラでは、後退時のハンドル操作が大型トラック等のほかの車両と違います。
空車時と積載時の重量の差が大きく、積載状態により車体の重量バランスが異なり、運転感覚に大きな違いが生じます。
あわせて、トラクタのみで走行する場合は、さらに車体の重量バランスに違いが生じるため慎重な運転が必要です。
トレーラを運転する際は、上記の事をよく理解した上で安全に走行しましょう。
引用参考 トレーラハンドブック
トレーラ・トラックで安全に走行するために
あらゆる産業を支える物流の主役はトラックです。
トラックが無くては、私たちの元に物は届きません。
ショップはもちろん、宅配もできません。
そしてそのなかでも、トラクタ・トレーラは建設現場に必要なクレーン、鉄骨、重機のほか、国際海上コンテナなどの特殊で大きな貨物を輸送します。
トレーラが無ければ、ビルや橋など大きな建造物は作成できません。
トラクタ・トレーラは、トラックとは異なる構造を持ち、わずかな油断による運転操作のミスであっても、極めて大きな事故を引き起こすため、高い運転技術などを必要とします。
トラクタ・トレーラ
一般に語られるトレーラとは、「トラクタ」というエンジンを有する車両が、「トレーラ」というコンテナなど貨物を載せるエンジンがないシャーシを連結している車両のことです。
このため、トラックの単車より車長が長く、重量もさらに重くなります。
また、積載する貨物の姿、形、重さ、バランスなどが千差万別で、他の車種よりも高い運転技術を必要とします。
トレーラは、他の車が小さく見えるほどの大きさです。
載せている貨物によっては、さらに大きく見えます。
高い運転技術などを必要とするのも無理はありません。
トラクタ・トレーラのブレーキ
カーブや交差点の右左折時、車線変更時などは、ブレーキやハンドル操作を慎重に行う必要があります。
ブレーキにも種類があります。
フット・ブレーキ
トラクタ部分とトレーラ部分のすべての車輪に同時に作動します。
トレーラ・ブレーキ
トレーラ部分に作動するもので、運転席のレバーで操作します。
排気(エキゾースト)・ブレーキ
トラクタ部分の後輪に作動するもので、 運転席のレバーで操作します。
エマージェンシー・ブレーキ
トレーラ部分に作動する非常ブレーキで、エマージェンシーラインが破損したときや、ブレーキ・エア圧が低下したときに自動的に作動します。
パーキング・ブレーキ
トラクタ部分にはレバー式、トレーラ部分にはねじ式のものが装備され、それぞれ独立して操作し、作動します。
スプリング・ブレーキ
トラクタ部分のパーキングブレーキであるとともに、ブレーキ・エア圧の低下時に自動的に作動する非常ブレーキです。
最近はトレーラ部分にも装着されつつあります。
制動時の挙動特性
場合によっては、危険が伴う現象が起こってしまいます。
ジャックナイフ
トラクタ後部が外側に流れて『く』の字型に折れ曲がる現象です。
制動時、トラクタ後輪がロック状態の時に起こりやすくなります。
ジャックナイフ現象が起きた場合、初期を除きコントロールは殆ど不可能です。
トレーラ・スイング
トレーラ後部が、カーブ外側に流れる現象です。
制動時、トレーラ後輪がロックした場合に起こりやすくなります。
プラウアウト現象
トレーラ側が制御を失い、トレーラとトラクタが一直線になってカーブをはずれてしまう現象です。
兆候を感じたときはブレーキを解除し、冷静にハンドル操作で修正します。
上記の現象はいずれも車輪のロックが大きな原因です。
とくに滑りやすい路面で過大なブレーキ操作を行うとロックしやすいので、十分に注意しましょう。
後退運転
- トレーラの後退(バック)運転は、これまで運転になれた大型トラック等の単車と異なり連結点があるので、なれないうちは難しいものですが、低速で切り返しややり直しも可能なので、普段から十分に練習をしておきましょう。
- セミ・トレーラは、連結点が1点なので旋回時の内輪差も大きいのですが、トラクタ側からトレーラ側の動きがつかみにくく、バック運転がむずかしいといわれています。
- フル・トレーラは、センター・アクスル(連結点が1点)とドーリーつきフル・トレーラ(連結点が2点)の2種類あります。
- 連結点が1点のセンター・アクスル型はセミ・トレーラと同様の特性がありますが、ドーリーつきは内輪差が単車並で比較的後退運転は容易といわれていますが、トレーラ側の挙動が運転席でつかみにくいという特徴もあります。
固縛に関する注意事項
- 固縛機器の破損・はずれ等を防止するため荷台のロープフックや外枠の下部に荷締機のフック等を直接掛けません。必ず補助ワイヤーまたは、環を使用します。
- 積荷を保護するために、積荷にワイヤーロープや荷締機を直接当てません。必ず当て物をします。
- ワイヤーロープを保護するため積み荷の角張った箇所にワイヤーロープを直接当てません。
- また、積み荷に取り付けられた金具が角張っている場合は、ワイヤーロープを直接掛けません。必ずシャックルを介して固縛します。
積み付けにおける注意点
- 1個当たりの重量の大きい各種機械、鉄鋼製品や長尺物の場合・重量貨物は集中荷重、偏心荷重にならないよう、積付けに当たっては重量配分を十分考慮します。
- 積荷全体の重心位置は、トラクタ・トレーラの荷台の前後・左右の両者の中心位置にできるだけ近いことが望ましいです。
- とくに重量の重い機械製品や不整形の加工物等を数個積み合わせる場合は、荷台中心に積み荷の複合中心が近づくように積み付けます。
トラクタ・トレーラが、他の車種よりも高い運転技術を必要とすることをきちんと理解し、しっかりと安全冷静に運転しましょう。
引用参考 トレーラハンドブック
環境に配慮した「グリーン経営」
運輸事業に関わりがある方なら、もうご存知ですよね。
しかし運送会社をよく利用していても、消費者という立場上、知らないという方も多いでしょう。
この機会に大切な取り組みを確認しましょう。
「グリーン経営」は環境に配慮した一定のレベル以上の取り組みを行っている運送企業に、付与されるマークです。
グリーン経営の概要
グリーン経営( 環境負荷の少ない事業運営)は、中小規模の事業者でも環境改善に向けた取組みの目標設定とその評価が容易になり、自主的で継続的な環境保全活動を行うことができます。
環境に配慮する、といっても基準が分からなければなかなか取り組みにくい部分ではあります。
しかし、一般的な目安があれば、取り組み自体は容易です。
グリーン経営認証
グリーン経営認証は、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が認証機関となり、グリーン経営推進マニュアルに基づいて一定のレベル以上の取組みを行っている事業者に対して、審査の上認証・登録を行うものです。
グリーン経営認証の狙い
本認証は、グリーン経営推進マニュアルに基づく事業者の環境改善の努力を客観的に証明し公表することにより、取組み意欲の向上を図り、あわせて認証事業者に対する社会あるいは利用者の理解と協力を得て、運輸業界における環境負荷の低減につなげていくための制度です。
グリーン経営認証を受けることにより、運送業界全体の環境保全への取り組み強化につながります。
グリーン経営の進め方
グリーン経営を進めるためには、「自社の環境保全活動の取組み状況の把握」→「評価結果に基づく改善策の検討」→「行動計画の作成」→「計画に基づく取組みの推進」→「取組み状況の把握と見直し」というサイクルによって、様々な環境保全活動の継続的な向上を目指すことが必要です。
マニュアルでは、中小規模の事業者の実態に合い、かつ、容易に環境保全活動が行えるよう、環境保全への具体的な取組みを「グリーン経営推進チェックリスト」(以下、チェックリスト)で把握・評価し、それをもとにグリーン経営を進めることができるような仕組みを示しています。
チェックリストには、事業者が目指すべき環境保全活動への取組みが示されています。
これをもとに自社の環境保全活動への取組み状況をチェックすることによって、まず、現状での取組み内容の整理と取組みレベルの把握が可能になります。また、より高いレベルの取組みとしてどのような取組みがあるのかを知ることができます。
次に示す「グリーン経営推進チェックリスト」を活用したグリーン経営の推進フローに沿って、自社の環境保全活動の取組み状況の把握をもとに、取組みの改善策の検討、行動計画の作成・見直し、計画に基づく取組みの推進、取組み状況の把握と見直しを進めることになります。
グリーン経営推進チェックリストを活用したグリーン経営の推進フロー
- 自社の環境保全活動の取組み状況の把握
グリーン経営推進チェックリストは、事業者として目指すべき取組みを示すものです。
チェックすることで、自社の環境保全活動への取組み状況を把握します。
- 取組みの改善策の検討
評価結果に基づいて、環境保全活動の効果が上がるよう、取組み内容を見直します。
新たに取組みを始める場合には、目標(取組み項目と達成レベル)を設定します。
すでに、取組みを進めてきた企業で目標を達成できなかった場合は、その原因がどこにあるのかをさまざまな角度から分析し、改善策の検討を行います。
また、目標を達成できた場合は、より高い目標の設定が可能かどうかを検討します。
これらの検討は、次の「行動計画の作成・見直し」に役立てます。
- 行動計画の作成・見直し
現状の取組み状況の評価結果や検討した改善策を踏まえ、今後の目標や目標達成へ向けた具体的な取組み内容などを盛り込んだ行動計画を作成(見直し)します。
行動計画に盛り込む内容は、環境保全活動への取組みについての現状把握とその課題です。
チェック結果に基づく取組み状況の評価と課題をまとめます。
また、目標達成へ向けた具体的な取組み内容には、掲げた目標を達成するための具体的な取組み内容(チェック項目のうち今後重点的に取組んでいこうと考える事項)とそのスケジュールをまとめます。
- 計画に基づく取組みの推進
計画を策定したら、経営責任者以下、全社挙げて実行に移すことが重要です。
取組みの状況は定期的に記録し、チェックリストによる自社の環境保全活動への取組み状況の把握に役立てます。
取組みを進めていくには、しっかりとした環境保全の仕組みや体制の整備が必要です。
何よりも、会社全体を挙げて活動し、続けていくことが大切なのです。
あなたがよく利用している運送会社には、この「グリーン経営」マーク、付いていますか?