月別アーカイブ: 2015年10月
交差点へ侵入したときの細かな注意
前回の右折や左折の注意事項は如何でしたか?
きちんと守れていたでしょうか?
今回は、トラックやトレーラで交差点へ侵入した際の注意事項について一緒に確認していきましょう。
交差点進入時の事故パターン
停止や減速した前車に追突
交差点進入時に前車に追突する事故には、主として次のようなパターンがあります。
信号が黄色に変わって停止した前車に追突
これは、車間距離不足が主な原因ですが、信号が黄色に変わっても前車は停止せずに交差点に進入するだろうというドライバーの思い込みも原因の一つと考えられます。
赤信号で停止している車に追突
右折や左折のために減速したり停止した前車に追突します。
これらの事故は、わき見などをして前方への注意を欠くことが大きな原因といえます。
対向右折車と衝突
交差点の直進時に、右折しようとした対向車と衝突するというものですが、信号が黄色に変わったときに強引に交差点に進入すると、このような事故が起こりやすくなります。
発進時に前車に追突
信号待ちで停止し信号が青に変わって発信したところ、まだ発信していなかった前車に追突するというもので、前車が乗務用の場合に起こりやすい事故です。
前方の信号だけを見て、前車の発進を確認しないことが大きな原因と考えられます。
事故防止のポイント
前車との車間距離を十分とりましょう。
交差点に接近するときは、信号の変化に注意するとともに、車間距離をとって前車の減速や停止に対応できるようにしておきます。
黄信号のときは交差点の手前で停止
黄信号で交差点に進入しようとすると、停止した前車に追突したり、右折を開始した対向車と衝突するといった事故を招く危険性があります。
信号が黄色に変わった場合、交差点に接近していて停止位置で安全に停止できない場合(例えば、急ブレーキをかけなければならない場合や後続車に追突されるおそれがあるような場合)のほかは、交差点の手前で停止しなければなりません。
発進時には前車の動きを確認
信号が青に変わって発進するときは、必ず前車が発進したかどうかを確認する必要があります。
特に、前車の前に大型車がいる場合は、大型車の動きにだけ注意を向け、直前にいる乗用車を見落としてしまうことがありますから注意しましょう。
なお、先頭車で信号待ちをしていて青に変わり発進する場合は、横断歩道の左右の状況を見て、渡り遅れた横断歩行者や自転車がいないかどうかを確認するようにしましょう。
信号機のない交差点の通過時
見通しの悪い交差点での出合頭事故
見通しの悪い交差点を通過しようとして、交差道路から進行してくる車両と出合頭に衝突する事故で、多発事故のパターンの一つです。
一時停止等による安全確認を怠ることが原因と考えられていますが、走り慣れた道路の場合は「車両が出てきたことはないから、今回も出てくることはないだろう」という慣れや油断が安全確認の省略を招いているケースも少なくないようです。
見通しの良い交差点での出合頭事故
見通しの良い交差点でも出合頭事故は発生します。
これは自分の道路のほうが相手の道路より広いから自車が優先だと判断したり、相手のほうが止まるだろうとか、相手より先に行けるだろうという誤った判断が原因と考えられます。
事故防止のポイント
必ず安全確認を行いましょう。
一時停止の標識や表示のあるところでは、確実に一時停止をして安全確認を行います。
ただ、一時停止線で停止をした場合、そこからでは左右の状況がよく確認できないことがあります。
そのようなときは、一時停止線で停止した後、左右の状況が見えるところまで徐々に進行して再び停止し安全を確認するようにします。
なお、一時停止の標識や標示のないところでも、徐行や場合によっては一時停止をして安全確認を行うよう心がけましょう。
相手が接近しているときは先に行かせる
見通しの良い交差点では、たとえ交差道路側の道幅のほうが広いように錯覚しがちです。
また、自車と相手車が同じ速度で交差点に接近している場合、同じ角度で相手車が見え続けるため、まるで相手車が停止しているような錯覚を起こすこともあります。
見通しの良い交差点で、交差道路の状況によく注意するとともに、車両が接近しているときは、減速や一時停止をして相手を先に行かせるようにしましょう。
トラックやトレーラで走行中、注意しなければならない点はたくさんあります。
しかしそれは、歩行者や二輪車であっても同じですよね。
お互いに思いやりの気持ちをもって、交差点を通行しましょう。
引用参考 道路・車種に応じた運転
交差点の右左折
交差点は、さまざまな車や人々が通る道です。
よって、どうしても衝突の多い場所のひとつになっています。
前回は、交差点の通過について述べましたが、今回は交差点の右折・左折の注意点について学んでいきましょう。
交差点の右折時の事故パターン
対向車との衝突
対向車との事故パターンには、次のようなパターンがあります。
・対向車が接近しているにもかかわらず先に右折できると判断して衝突する。
・対向車の通過後に右折をして、対向車の後方を走行していた二輪車と衝突する。
・対向右折車のために対向車線が確認できないにもかかわらず右折をして衝突する。
・対向車に道を譲られて右折し、対向車の側方を進行してきた二輪車等と衝突する(いわゆる「サンキュー事後」)。
死角に隠れている車の確認が不十分なために起こるものです。
横断歩行者や自転車との衝突
対向車ばかりに注意を向けて、横断歩道とその付近の状況を十分に確認しないままに右折していくと、歩行者や自転車と衝突してしまいます。
横断歩道の左側からくる歩行者や自転車は進行方向になるので比較的発見しやすいのですが、右側からくる場合は見落としやすくなります。
特に夜間の右折時は、ヘッドライトが照らさない右側からの横断歩道をはねる危険があります。
事故防止のポイント
- 対向車が接近しているときは通過を待ちましょう。
先を急いでいるときなどは、対向車の直前を強引に右折しがちです。
しかし、このような運転は対向車と衝突するだけでなく、横断歩行者の見落としにもつながり非常に危険です。
また、対向車がトラックなどの大型車の場合、その後方が死角となり、対向車に追従してくる車の発見が遅れますから、対向車の通過直後に右折するのは危険です。
対向車の後方の状況を確認してから右折するようにします。
- 道を譲られたときも安全確認をしましょう。
対向車に道を譲られたときは、早く右折しないと相手に悪いと考えて一気に右折しがちですが、そのようなときも対向車の前方に出る前に、必ず一時停止して対向車線の状況を確認するようにします。
また、対向車だけでなく、横断歩行者や自転車にも注意をする必要があります。
交差点の左折時の事故パターン
左後方の二輪車との衝突
左後方から進行してくる二輪車と衝突する事故で、左折時の典型的な事故パターンです。
これは左折する前に左後方や側方を十分に確認しないことや、二輪車が接近しているのを確認しても自車のほうが先に行けると判断することなどが原因と考えられます。
歩行者や自転車との衝突
横断歩行者や自転車への注意が欠けると、発見が遅れて衝突する危険があります。
また、信号のない交差点を左折するとき、車が進行してくる右側ばかりに注意を向け、車が途切れたすきに一気に左折しようとすると、左側の歩道などから進行してくる歩行者や自転車を見落として衝突することがあります。
事故防止のポイント
- 左後方・側方の確認をしましょう。
早めに左折の合図をだし、後続車や左後方の二輪車等に対し、左折の意図を知らせるとともに、左側や左後方に二輪車がいないかどうかを確認します。
この場合、ミラーだけでは死角に入っている二輪車を見落とすことがありますから、ちょっと振り向いて自分の目で左側方の確認をする必要があります。
そして二輪車が接近しているようであれば先に行かせます。
また、トラックは内輪差が大きいため、左側方に信号待ちなどのために立っている歩行者等を巻き込むおそれもありますから、その点にも十分注意しましょう。
- 横断歩行者や自転車に注意しましょう。
左折するときは、横断歩行者や自転車の動きにも目を配り、速度を落とし徐行して進行するようにします。
右折、左折、どちらとも注意しなければあっという間に危険な場所へと早変わりします。
対向車はもちろん、死角にいるかもしれない歩行者や二輪車の動きもしっかりと確認してから走行しましょう。
引用参考 道路・車種に応じた運転
交差点通行時の注意
トラックやトレーラで走行中、交差点をすべて避けることは出来ません。
交差点は、車両と歩行者両方の安全のためにあります。
だからこそトラックやトレーラは車両が非常に大きいこともあり、交差点で気を配らなければならない点がいくつかあります。
交差点の通行
右折時の危険要因と回避する運転
とくに直進してくる対向車の後方、右折する対向車の側方を直進する二輪車はスピードを出していて、安全確認は遅れがちになります。
右折時には直進する対向車に注意をとられ、横断する歩行者や自転車に対して注意が不足気味になる。安全確認を十分するようにしましょう。
左折時の危険要因と回避する運転
左折時、左側後方を直進してくる二輪車に対して十分な安全確認が必要です。
バックミラーの死角に入っている二輪車がいないことを確認しましょう。
運転者はトラックが内輪差が大きいことを認識して運転し、左折時の歩行者・自転車の「巻き込み事故」を防止することに努めましょう。
トンネル・橋・踏切の通過
トンネルでの危険要因と回避する運転
暗いトンネルに入ると運転者は極端に視力が低下し、減速しがちです。
入口付近では減速している前車との車間距離に注意しましょう。
トンネル内では速度感や坂路勾配への感覚も異なるので注意しましょう。
橋通過時の危険要因と回避する運転
橋上では道路幅が狭いこと、横風を受けがちであること、夜間は照明が不足して暗いことなどを予知して運転しましょう。
特に冬期の凍結には注意しましょう。
踏切通過時の危険要因と回避する運転
踏切手前で一時停車し、窓を開けて必ず安全確認を行いましょう。
・立往生の恐れは?
・対向車とすれ違えるか?
・脱輪の恐れは?
などを確認しましょう。
踏切内ではギアチェンジはせず、歩行者、自転車に注意をして通行しましょう。
高速道路の走行
事前準備による危険回避
燃料、冷却水、エンジンオイル、タイヤの空気圧を点検し、停止表示器材の具備を確認すしましょう。
ラジオなどで最新の道路情報も収集すると良いです。
出発直前には積み荷の転落・飛散防止処置や点検を行うことが大切です。
本線走行時の危険回避
法定制限速度を守り、十分な車間距離をとるようにしましょう。
基準は速度100km/hで100m、80km/hで80m、雨天・降雪や霧などの悪天候時は基準以上にとるようにしてください。
急ハンドル・急ブレーキを避け、不必要な車線変更はしないようにしましょう。
駐・停車時の危険回避
故障時などに路肩に駐・停車する場合、夜間・昼間を問わず、非常点滅表示灯、駐車灯または尾灯を点灯します。
停止表示器材の設置の際は発煙筒を併用しましょう。
歩行者の行動特性に応じた運転
歩行者は自動車の速度や距離に関係なく、横断歩道以外のところでも急に飛び出したり、横断しようとします。
夜間、黒っぽい服装の歩行者の見落としや、雨の日は傘をさした歩行者に注意してください。
子供の行動特性に応じた運転
子供は遊ぶことに夢中で、目前に車が来ても気付かないことがあります。
このため急に飛び出したり、道路を横断しようとすることが多いです。
前方を注視しながら、子供の動静を確認して運転しましょう。
高齢者の行動特性に応じた運転
高齢者は歩く速度が遅く、目や耳の知覚機能が低下していることも多いです。
高齢者は自動車からの合図に気付かない場合もあり、減速や徐行運転をして安全を確認しましょう。
自転車の行動特性
自転車は狭い路地などの道路から急に飛び出してくることがあります。
狭い路地などにさしかかったら、減速し、前方に注意を払って走行しましょう。
風が強い日や上り坂では、ふらつき走行も多く見受けられます。
下り坂では自動車に匹敵するほどのスピードを出して疾走してきます。
追越す場合などは、自転車の動静をよく見て、自転車との間隔にも注意しましょう。
雨天時・夜間の行動特性に応じた運転
雨の日、自転車に乗る人はレインコートを着用したり、傘をさして乗ることが多く、前方を見ていない走行が目立ちます。
夜間、無灯火走行や乗っている人の服装の色が目立たない時には自転車と確認できないことがあり、十分に注意する必要があります。
二輪車の行動特性
交差点の危険要因に応じた運転を行いましょう。
交差点を右折する際、対向車線を直進してくる二輪車は、前かがみ姿勢で視線は路面に偏りがちです。
右折する自車を見落としていることもあります。
左折する際には「道路左側を直進する二輪車」を見落とす恐れがあるので後方の安全確認は十分に行いましょう。
カーブでの危険要因に応じた運転
カーブではスピードを出した二輪車が対向車線の中央線をはみ出してくることが多く、カーブ入口付近ではミラーで安全を確認し、減速して進入します。
二輪車を追越す時の運転
二輪車を追越す時は、二輪車がふらついて接近し、接触する恐れがないように二輪車の動静や側方の車間間隔に注意しましょう。
二人乗りの二輪車はふらつきやすいため注意が必要です。
安全運転継続のための心得
[運転前の心得]
- 交通事故の悲惨さを再認識すること
- 出発前に気分を切替えておくこと
- 仕事のパートナーである車両を点検しておくこと
- 天気予報や道路交通情報を収集しておくこと
[運転中の心得]
- 安全運転の基本動作を励行すること
- 関連する法令を遵守すること
- 「譲り合う」というおおらかな気持を忘れないこと
- 自分の運転技術・技量を過信しないこと
- 事故防止の決め手は「徐行」と「一時停止」が重要と認識すること
- 運転中はいつも「何か起こるかもしれない運転」を心掛けること。
こうした心得を踏まえ、安全運転を行いましょう。
交通公害を防ぐために
交通公害を防ぐために、エコドライブを行いましょう。
トラックやトレーラは、安全面に考慮すると同時にエコドライブが可能です。
排気ガスによる大気汚染
ディーゼル車は馬力があり、耐久性や燃費に優れていますが、自動車排出ガス中の窒素酸化物(NOx)の約8割、粒子状物質(PM)の全てを出してしまいます。
過積載運転をすると低速ギアでの高回転走行が多くなり、汚染物質が通常の走行時より多く排出され、大気汚染の原因となります。
車両や路面への悪影響
低速ギアでの高回転走行により、燃料・オイルのムダ使いになるばかりか、エンジン音が大きく騒音公害の原因となります。
タイヤヘの負担は相当大きく、タイヤの磨耗のみならず車両の寿命を縮める原因となります。
また道路や橋へのダメージも少なくありません。
過積載は交通公害の原因
過積載は交通公害の原因のひとつです。
トラックやトレーラに合わせた適切な量を運びましょう。
運転者に対する罰則
過積載運転をすると、程度に応じて右の表の違反点数や反則金が運転者に対して課せられます。
大型車を運転して10割以上の過積載をした場合には、それだけで違反点数が6点となり、免許停止処分になるとともに、反則金という行政処分ではなく、「6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金」という刑事処分を受けることになります。
過積載に対する警察の措置
車両の停止と積載物の重量測定など
車両が過積載と認められる場合は、警察官により車両の停止と自動車検査証や制限外許可証などの提示を求められ、積載物の重量測定が行われます。
過積載車両への措置命令及び通行指示
過積載に対する警察官からの措置として「過積載分の積荷をおろす」、「代車に積み替える」などが命ぜられます。
過積載車両からその場で「荷をおろす」ことができない場合には、警察官から通行区間や経路、その他危険防止に必要な措置を受け、「通行指示書」が交付されるのでその内容に従って運行しましょう。
積載のルール
積載制限の内容
積載制限を超えて荷物を積んだり、荷台に人を乗せて走行してはいけません。
ただし、荷物の看守のための必要最小限の人を荷台に乗せることは可能です。
分割できない荷物を運ぶ場合
荷物を分割することができないため、積載制限を超えてしまう場合には、以下の条件を遵守する条件で、出発地の警察署長の許可を得れば制限を超えて荷物を積載し、運行することが可能です。
荷物の見えやすいところに次のものを付けましょう。
- 昼間:0.3m2以上の赤色の布
- 夜間:赤色の灯火又は赤色の反射器
車両前面の見やすいところに許可証を掲示しましょう。
その他道路における危険防止上の必要事項も忘れずにしましょう。
積み方の基本
運転特性と積み付け位置
積み荷の積み付け位置が荷台中心にある時が最も安定した運転が行えます。
複数個の積み荷全体を総合した重心の位置は、トラックの荷台の中心位置に近付けることにより、積み荷を安定して運搬できます。
- 前に偏った積み付けの例
下り坂の走行時や急ブレーキをかけた時に、制動力不足となる恐れがあります。
- 左右に偏った積み付けの例
カーブ走行時、右左折時、傾斜路面走行時に横転する恐れがあります。
- 後部に偏った積み付けの例
前輪荷重が不足しハンドル操作に影響を及ぼす。発進時や登り坂の走行時、踏切通過時に、車体前部が持ちあがる恐れがあります。
荷崩れを防止する積み付け方法
- カートン・木箱などの数物の雑貨の場合
カートンケースに印刷された一般貨物の荷扱い指示マークに従って、積み付けや取扱いを行います(JISでは19種類のマークが定められています)。
- 同一寸法のカートン・木箱を積み付ける場合
積み重ねる段ごとに交互に積み付けを変え、荷崩れを防止します。
パレット積みの場合は、レンガ積みやピンホール積みが適しています。
1個当りの重量が大きい機械・鉄鋼製品や長尺物の場合円形断面の長尺貨物(コイル、大口径管等)の積み付けには、転がり防止対策のために「歯止め」を用いることが必要になります。
道路状況に応じた運転
路面の危険要因と回避する運転
濡れた舗装路面のうち、とくに新設や補修されたアスファルト路面はスリップ
しやすく、減速運転を心掛けましょう。
冬期、道路の日陰部分、橋の上、トンネル付近は凍結しやすく注意するようにしましょう。
凹凸路面や砂利道はハンドルを取られやすいです。
減速して大きな凹凸は避けましょう。
狭い単路の危険要因と回避する運転
前車は進路変更や歩行者、自転車などの飛び出しにより減速・急ブレーキ停車する恐れがあります。
わき見運転は避け、前車との車間距離を保つこと。
カーブでの危険要因と回避する運転
見通しの悪いカーブや曲がり角では、対向車の中央線はみ出しによる衝突事故の
恐れがある。カーブや曲がり角の入口付近では必ず減速する。
このように、トラックやトレーラへの適切な積荷量、道路状況の考慮など、安全性を高めれば高めるだけエコドライブへ繋がっていくのです。
是非、安全にエコドライブを行いましょう。