月別アーカイブ: 2017年10月
運行管理と安全対策
トラックやトレーラでの業務を安全に行うには、なによりもドライバーの方々の行動や意識、技術などが必要ですよね。
しかし、それだけではありません。
安全に物流を動かすには、トラックやトレーラの運行を適切に管理することも大切なのです。
運行管理業務の目的と体制の整備
的確な運行管理業務遂行の目的は、貨物自動車運送事業法や道路交通法をはじめとする各種関係法令を遵守することにより交通事故を防止し、安全・安心・確実な輸送を実現することです。
このことは、公共の道路を使用して事業を行っている貨物自動車運送事業者にとって「社会との共生」を図るうえで、最も重要なことです。
また、的確に運行管理を行うことによって、コンプライアンス(法令遵守)の徹底を含め高度化・多様化する荷主のニーズヘの対応(輸送サービスの最適化)や従業員への働きやすい環境の提供等、ほかの事業者との差別化を図ったり、近年懸念されている人手不足への対応策となる等今後の事業の発展にもつながります。
この運行管理業務を的確に実行するためには、運転者や運行管理者の確保、休憩施設や睡眠施設の整備、適切な勤務時間及び乗務時間の設定、点呼の確実な実施、車庫と営業所が離れている場合の連絡体制の整備、事故防止についての教育・指導体制、事故報告体制の整備及び社内の指揮命令系統の明確化等さまざまな体制を整備することが必要です。
ただし、体制を整備さえすれば良いということではなく、「輸送の安全確保が最も重要である」とする社内風土を確立させるため、「運輸安全マネジメント」のPDCAサイクルに基づき、安全管理の取り組みを繰り返しながらスパイラルアップをさせていく等、経営トップが全社的な安全性向上に向けた取り組みを主導することが大変重要です。
5両未満の保有車両で事業を運営する者への運行管理者選任の義務付けについて
(貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令について)
事業者の保有車両が5両未満である場合については、運行管理者の選任が義務付けられておりませんでしたが、このような規模の事業者に対する重点監査の結果、多数の法令違反が確認され、安全対策の徹底が図られることとなりました。
全ての営業所に対する運行管理者1名以上の選任義務付け(貨物自動車運送事業輸送安全規則第18条第1項関係)
全ての営業所に運行管理者を1名以上選任する必要があります。ただし、5両未満の事業用自動車の運行を管理する営業所であって、地方運輸局長が当該事業用自動車の種別、地理的条件その他の事情を勘案して当該事業用自動車の運行の安全の確保に支障を生ずるおそれがないと認めるもの(専ら霊きゅう自動車の運行を管理する営業所、専ら一般廃棄物の収集のために使用される自動車等の運行を管理する営業所等を想定。)については、運行管理者の選任の義務付けはありません。
貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令について
貨物自動車運送事業の輸送の安全確保の観点から、道路法第 47 条の規定等の限度を超過した車両を繰り返し運行している貨物自動車運送事業者に対する監督強化を図るため、また、車両総重量7トン以上8トン未満または最大積載量4トン以上5トン未満のトラックについても、死亡事故や重軽傷事故が多発していること、長距離・長時間輸送が比較的多い状況にあることを勘案して、交通事故削減の観点から一層重点的な安全対策を行うべく、「貨物自動車運送事業輸送安全規則」が次のとおり改正されました。
① 道路法第 47 条の規定等に違反する行為の防止について
貨物自動車運送事業者等の遵守事項として、道路法第 47 条の規定等に違反する事業用自動車による運行の防止について、運転者に対する適切な指導及び監督を怠ってはならないこと等が新たに追加されました。
② 運行記録計の装着義務付け対象範囲の拡大について
一般貨物自動車運送事業者等の事業用自動車のうち、運行記録計による記録及び当該記録の保存を行うことを義務付ける対象が「車両総重量が8トン以上または最大積載量が5トン以上の普通自動車である事業用自動車」から「車両総重量が7トン以上または最大積載量が4トン以上の普通自動車である事業用自動車」に拡大されました。
トラックやトレーラの運行管理は、法的にも義務付けられている重要な内容です。
ドライバーの方だけでなく、運行管理を担当される方も、安全運転を意識して業務に取り組みましょう。
引用参考:「運行管理業務と安全」マニュアル
事故の傾向からわかる注意すべき点3
トラックやトレーラドライバーの皆さんは道路を走行する際、どのようなことに気をつけていますか?
どんなに丁寧な運転をされていても、道路にいるのは自分のトラックだけではないですから、さまざまな要因でひやりとしたことはあるかもしれません。
以下の事故集計から、より気を付ける点を確認していきましょう。
事業用貨物自動車の行動類型別死傷事故の状況
平成28 年の行動類型別・第1 当事者種別の死傷事故件数は、大型では、直進(等速)2,613 件、発進727 件、直進(減速)461 件となっています。
一方、中型では、直進(等速)3,245 件、発進741 件、直進(減速)661 件となっており、 普通では、直進(等速)995 件、発進319 件、直進(減速)241 件となっています。
事業用貨物自動車の法令違反別死傷事故の状況
平成28 年の法令違反(事故の結果に最も影響を与えている違反であって、無免許運転、無資格運転及び酒気帯び運転以外の違反)別の死傷事故件数及び構成率は、全体では、安全不確 認3,797 件(26.0%)、脇見運転3,110 件(21.3%)、動静不注視 2,340 件(16.0%)となって います。
一方、死亡事故では、漫然運転 57 件(22.1%)、安全不確認 40 件(15.5%)、脇見運転 35 件(13.6%)となっています。
また、重傷事故では、安全不確認316 件(29.8%)、脇見運転139 件(13.1%)、動静不注視 106 件(10.0%)となっており、軽傷事故では、安全不確認3,441 件(25.9%)、脇見運転2,936 件(22.1%)、動静不注視2,221 件(16.7%)となっています。
事業用貨物自動車の飲酒運転による死傷事故の状況
1、事業用貨物自動車の飲酒運転による死傷事故件数(平成 28 年)
平成28 年の飲酒運転による死傷事故は 37 件で、うち、死亡事故1 件(2.7%)、重傷事故 5 件(13.5%)、軽傷事故31 件(83.8%)となっています。
飲酒基準別では、酒酔い 3 件、酒気帯び0.25 以上23 件、酒気帯び0.25 未満5 件、基準以下6 件となり、酒酔いと酒気帯び0.25 以上を合わせると全体の70.3%を占めています。
2、事業用貨物自動車の飲酒運転による死傷事故件数の推移(平成19-28 年)
飲酒運転事故による死傷事故件数は、平成 19 年の 97 件から平成 28 年には 37 件となり、10 年間で見ると60 件(37.7%)減少しています。
しかしながら、平成24 年からの5 年間では13 件(54.1%)増加しており、平成 26 年から の3 年間では7 件(23.3%)増加しています。
3、事業用貨物自動車の管轄運輸支局(車籍)別の飲酒運転による死傷事故件数の推移
管轄運輸支局(車籍)別の飲酒運転による死傷事故件数は、平成19 年から 28 年までの10 年 間の合計で、大阪 47 件、東京 31 件、福岡 25 件、千葉 23 件、愛知及び兵庫各 20 件、埼玉 17 件、北海道 16 件、神奈川及び広島各 15 件、静岡 13 件、茨城 12 件、栃木、岡山及び奈良各 10 件となっています。
事業用貨物自動車の車両的要因別死傷事故の状況
平成28 年の車両的要因による死傷事故件数は66 件で、内訳は大型45 件、中型19 件、普通 2 件となっています。
整備不良による死傷事故の要因別件数は、大型では、タイヤ不良13 件、制動装置不良8 件 で、中型では、タイヤ不良 4 件、制動装置不良3 件、普通は0 件となっています。
同様に、状態的不良のある死傷事故の要因別件数は、大型では、荷崩れ13 件、積み荷の車 外はみ出し2 件で、中型では、荷崩れ3 件、積み荷の車外はみ出し2 件、さらに普通では、荷 崩れ2 件となっています。
このように車両的要因別のある事故では、タイヤの不良と荷崩れが多くなっています。
※ 「車両的要因」とは、車両の構造、装置の不良及び車両の状態的な不良が事故の発生の要因と考えられる場合をいい、車両の不良状態が人的要因を誘発した場合を含む。
事業用貨物自動車の運転者の運転免許経過年数別死傷事故の状況
1、事業用貨物自動車の運転者の運転免許経過年数別・第1当事者種別の死傷事故件数
平成28 年の運転者の運転免許経過年数別・第 1 当事者種別の死傷事故件数は、いずれの種 別においても 10 年以上の年数の運転者が多く、大型で 5,129 件、中型で 5,675 件、普通で 1,633 件となっています。
2、事業用貨物自動車の運転者の運転免許経過年数別・運転者年齢別の死傷事故件数
平成28 年の運転者の運転免許経過年数別・運転者年齢別の死傷事故件数は、運転免許経過 年数10 年以上の45-49 歳2,360 件、40-44 歳2,172 件、50-54 歳1,747 件となっています。
構成率でみると、19 歳以下では、運転免許経過年数が1 年以上 2 年未満 65.1%で、1 年未 満の 34.9%と合わせて100%を占め、一方、20-24 歳では、5 年未満の件数の合計で84%と なります。また、25-29 歳では5 年以上10 年未満が 69.8%に、さらに30-34 歳では10 年以 上が 80.7%となり、35 歳以上ではすべての年齢層で10 年以上が90%を超えています。
先日、大きなタイヤが原因の一端となった痛ましい事故がありましたね。
設備点検は本当に大切なことです。
自身だけでなく周囲への事故へ繋がらないようにしましょう。
引用参考:事業用貨物自動車の交通事故の傾向と事故事例(平成28年分)
事故の傾向からわかる注意すべき点2
最近、事故や、事故を誘発するような危ない運転が増えてきたように感じます。
いえ、増えたのではなく、大きくニュースに取り上げられて認知されることが多くなったのかもしれません。
皆さんは危険運転をしているドライバーを見かけたことはありますか?
真面目に運転をしているドライバーの方にとっても、危険運転をしている車は事故に繋がるので迷惑ですよね。
前回から、過去のデータを一緒に確認していただいておりますが、たくさんのデータがあると少しずつ事故の傾向が分かってきますね。
ドライバーの皆さんはもちろん、自転車や歩行者もより気を付けたいものです。
事業用貨物自動車の時間帯別死傷事故の状況
1、事業用貨物自動車の時間帯別死傷事故件数の構成率(平成28 年)
平成 28 年の時間帯別の死傷事故件数及び構成率は、10-11 時台2,438 件(16.7%)、8-9 時 台2,395 件(16.4%)、12-13 時台1,858 件(12.7%)となっています。
一方、死亡事故の件数及び構成率は、4-5 時台44 件(17.1%)、10-11 時台37 件(14.3%)、 2-3 時台及び 8-9 時台各26 件(10.1%)となっています。
また、死亡事故率(死傷事故件数に占める死亡事故件数の割合)は、2-3 時台で6.3%、4-5 時台で 6.0%、0-1 時台で 5.5%であり、死傷事故全体の死亡事故率(1.8%)と比較して、深夜・早朝の割合が高くなっています。
2、事業用貨物自動車の時間帯別・第1当事者種別の死傷事故件数(平成28 年)
平成 28 年の時間帯別・第1当事者種別の死傷事故件数は、大型では、10-11 時台920 件、8- 9 時台892 件、12-13 時台668 件となっています。
同様に中型では、10-11 時台 1,119 件、8-9 時台 1,081 件、12-13 時台 852 件となっており、 普通では、8-9 時台422 件、10-11 時台399 件、12-13 時台338 件となっています。
3、事業用貨物自動車の時間帯別・第1 当事者種別の死亡事故件数(平成28 年)
平成 28 年の時間帯別・第 1 当事者種別の死亡事故件数は、大型では、4-5 時台、8-9 時台及 び10-11 時台が各20 件となっています。
同様に中型では、4-5 時台21 件、10-11 時台15 件、2-3 時台及び22-23 時台が各9 件となっており、普通では、0-1 時台及び4-5 時台が各3 件となっています。
参考
1、事業用貨物自動車の時間帯別死傷事故件数の推移(平成 19-28 年)
時間帯別の死傷事故件数は、平成19 年から平成 28 年までの10 年間、いずれも10-11 時台が最も多くなっています。
10-11 時台は、平成 19 年の 5,305 件から平成 28 年は 2,438 件となり、10 年間で 2,867 件(54.0%)減少しています。
2、事業用貨物自動車の時間帯別死亡事故件数の推移(平成 19-28 年)
時間帯別の死亡事故件数は、平成19 年から平成28 年の 10 年間、いずれも4-5 時台が最も多くなっています。
4-5 時台は、平成19 年の77 件から平成 28 年には44 件となり、10 年間で33 件(42.8%)減少しています。
事業用貨物自動車の危険認知速度別死傷事故の状況
1、事業用貨物自動車の危険認知速度別・第1 当事者種別の死傷事故件数(平成28 年)
平成28 年の危険認知速度別・第1 当事者種別の死傷事故件数は、大型では、10km/h以下が 1,560 件、41-50km/h以下が856 件、31-40km/h以下が757 件となっています。
一方、中型では、10km/h以下が1,928 件、31-40km/h以下が1,039 件、11-20km/h以下が1,036 件となっており、普通では、10km/h以下が848 件、11-21h以下が476 件、31-40km/h以下が365 件となっています。
2、事業用貨物自動車の危険認知速度別・第1 当事者種別の死亡事故件数(平成28 年)
平成 28 年の危険認知速度別・第1 当事者種別の死亡事故件数は、大型では、10km/h以下及び 51-60km/h以下が各26 件、11-20km/h以下が23 件となっています。
一方、中型では、51-60km/hが23 件、31-40km/h以下が16 件、11-20km/hが12 件となってお り、普通では、61-70km/h及び41-50km/h以下が各3 件となっています。
3、事業用貨物自動車の危険認知速度別の死亡事故率(平成 28 年)
平成28 年の危険認知速度別の死亡事故率は、100km/h以下では、100km/hが7.9%、61- 70km/hが6.8%、71-80km/h以下が5.9%であり、高速度における死亡率が高くなっています。
事業用貨物自動車の時間帯別・危険認知速度別の追突死傷事故の状況
1、事業用貨物自動車の時間帯別・危険認知速度別の追突死傷事故件数(平成 28 年)
平成 28 年の時間帯別・危険認知速度別の追突死傷事故件数は、8-9 時台の 10km/h以下 311 件、10-11 時台の 10km/h以下 282 件、10-11 時台の 31-40km/h以下 270 件が比較的多い状況に なっています。
2、事業用貨物自動車の時間帯別・危険認知速度別の追突死亡事故件数(平成 28 年)
平成 28 年の時間帯別・危険認知速度別の追突死亡事故件数は、10-11 時台・71-80km/h以 下の3 件が最も多い状況になっています。
構成率でみると、0-1 時台では51-90km/h以下(計 100%)に、4-5 時台では31-70km/h以 下(計 71.5%)に、10-11 時台では41-80km/h以下(計88.8%)に集中しており、死亡事故 件数の多い時間帯は、高速度の割合が高くなっています。
安全運転をされているドライバーの皆さんは、周囲で危険運転を見かけた場合、事故などに巻き込まれないように距離をとって走行するようにしましょう。
引用参考:事業用貨物自動車の交通事故の傾向と事故事例(平成28年分)
事故の傾向からわかる注意すべき点
トラックやトレーラドライバーの多くの皆さんは、日々事故に気を付けていらっしゃるかと思います。
普段、プライベートでも車を運転する方も、たまに乗るという方も、多くは安全に運転されていますよね。
どんなに気を付けていても、なにかの拍子に事故は起こってしまいます。
しかし、過去の事故の系統から、今後の事故を予測し、すべてではありませんが回避することもできます。
事業用貨物自動車の交通事故の傾向と事故事例
事業用貨物自動車(軽自動車を除く)が第1 当事者となった死傷事故の傾向は次のとおりです。
1、事業用貨物自動車の死傷事故の状況
死傷事故全体の発生件数は、平成 19 年の 27,356 件から平成 28 年には14,600 件と、10 年 間で12,756 件(46.6%)減少しており、なかでも平成22 年以降は連続して減少しています。
第1 当事者種別では、平成19 年から平成28 年の10 年間で、大型は1,206 件、中型は2,400 件、普通は9,150 件、それぞれ減少しています。
2、事業用貨物自動車の事故類型別死傷事故の状況
事故類型別の死傷事故件数は、平成 19 年から平成28 年の10 年間で、車両相互 11,820 件、 人対車両 711 件、車両単独 223 件と、それぞれ減少しています。
発生件数の多い事故類型は車両相互であり、平成19 年以降、90%以上を占める状況が続いています。
3、事業用貨物自動車の道路区分別・事故類型(詳細区分)別死傷事故の状況
平成 28 年の道路区分別・事故類型(詳細区分)別の死傷事故件数は、死亡事故では、対 歩行者89 件(うち高速道路4 件、一般道路85 件)、車両相互140 件(うち高速道路27 件、一般道路113 件)、車両単独29 件(うち高速道路8 件、一般道路21 件)となっていま す。
一方、重傷事故では、対歩行者 205 件(うち高速道路 4 件、一般道路 201 件)、車両相互 812 件(うち高速道路 83 件、一般道路 729 件)、車両単独 43 件(うち高速道路 15 件、一般 道路28 件)となっています。
また、軽傷事故では、対歩行者 618 件(うち高速道路 5 件、一般道路 613 件)、車両相互 12,565 件(うち高速道路1,205 件、一般道路11,360 件)、車両単独98 件(うち高速道路32 件、一般道路66 件)となっています。
平成28 年の死傷事故のうち、事故類型詳細区分別で発生件数が多い10 項目は、追突-駐・停 車中6,571 件(45.0%)、出会い頭衝突1,392 件(9.5%)、追突-進行中1,066 件(7.3%)、 左折時衝突879 件(6.0%)、右折時衝突754 件(5.2%)、進路変更時衝突 663 件(4.5%)、 追越・追抜き617 件(4.2%)、後退時衝突534 件(3.7%)、横断中561(3.8%)、正面衝突186 件(1.3%)で、このうち追突の合計は、駐・停車中と進行中を合わせて7,637 件(52.3%)と、 死傷事故全体(14,600 件)の半分以上を占めています。
平成 28 年の死傷事故のうち、高速道路における事故類型詳細区分別の発生件数が多い 10 項 目は、追突-駐停車中552 件(39.9%)、追突-進行中 412 件(29.8%)、進路変更時衝突 176 件 (12.7%)、追越・追抜き64 件(4.6%)、駐車車両19 件(1.4%)、工作物衝突(防護柵等) 17 件(1.2%)、後退時衝突 15 件(1.1%)、工作物衝突(分離帯)7 件(0.5%)、左折時衝突 4 件(0.3%)、横断中4 件(0.3%)で、このうち追突の合計は、駐・停車中と進行中を合わせて 964 件(69.7%)と、高速道路における死傷事故全体(1,383 件)の7 割近くを占めています。
4、事業用貨物自動車の運転者年齢別死傷事故の状況
(1) 事業用貨物自動車の運転者年齢別・事故類型別の死傷事故件数
平成 28 年の運転者年齢別・事故類型別の死傷事故件数は、45-49 歳 2,464 件(16.9%)、 40-44 歳 2,286 件(15.7%)、50-54 歳 1,803 件(12.3%)、55-59 歳 1,542 件(10.6%)、 35-39 歳1,507 件(10.2%)となっています。
また、40 歳から49 歳を合計すると4,750 件(32.5%)となり、さらに40 歳から 59 歳を合 計すると 8,095 件(55.4%)となっています。
(2) 事業用貨物自動車の運転者年齢別・事故類型別死傷事故件数の構成率
平成28 年の運転者年齢別・事故類型別の死傷事故件数の構成率は、車両相互のうち追突で は、24 歳以下57.6%、25-29 歳58.1%となり、30 歳未満の割合が高くなっています。
一方、車両相互のうち出会い頭衝突は、65 歳以上11.9%、30-34 歳11.6%、60-64 歳10.5% となり、同じく左折時衝突は、45-49 歳7.4%、50-54 歳7.3%で、同じく右折時衝突は、65 歳 以上6.5%、5-29 歳6.3%となっています。
また、対歩行者は、55-59 歳 7.7%、60-64 歳 7.5%、65 歳以上 7.0%となり、55 歳以上の 割合が高くなっています。
(3) 事業用貨物自動車の運転者年齢層別・第1当事者種別の死傷事故件数
平成 28 年の運転者年齢別・第1当事者種別の死傷事故件数は、大型では、45-49 歳 1,121 件、40-44 歳 1,004 件、50-54 歳830 件となっており、中型では、45-49 歳 1,063 件、40-44 歳 997 件、50-54 歳 754 件で、普通では、24 歳以下 365 件、40-45 歳 285 件、45-49 歳 280 件と なっています。
構成率でみると、大型は、50-54 歳で46.0%、45-49 歳で 45.5%、40-44 歳では43.9%と、 40 代から54 歳以下での割合が高く、中型は、65 歳以上で49.9%、30-34 歳で49.0%、25-29 歳で47.9%など、24 歳以下を除いてどの年代でもほぼ半数を占めています。
一方、普通は、24 歳以下で 55.7%、25-29 歳で24.8%と、若年層の割合が高くなっています。
このように、第 1 当事者の種別によって、運転者の年齢層が異なっています。
過去のデータを確認していくことで、さまざまなことがわかりますね。
ドライバーの皆さんは、より気を付けて、そして事故に合わないように安全運転を行っていただければ幸いです。
引用参考:事業用貨物自動車の交通事故の傾向と事故事例(平成28年分)