月別アーカイブ: 2018年4月
トラックドライバー基礎編「健康」
トラックやトレーラドライバーの皆さんは、健康のために行っていることはありますか?
健康管理は、日常生活だけでなく、仕事を問題なく遂行するためにも必要なことです。
今の日常生活を見直しながら、より健康になるよう努めていきましょう。
健康保持と増進
安全運転を実施する上で、心身の状態はきわめて影響の大きい要素です。
なぜなら、トラックの運転業務においては、とっさの判断への対応や業務の遂行を行わなければならない時があるからです。
ドライバーにとって重要な健康保持
認知、判断、行動などが、すべてドライバー1人に委ねられます。(単独作業)
走行中は気を休めることができず、たとえ難しい状況下にあっても継続して対処することが必要となります。(連続作業)
とっさの判断が必要となる場面や緊急時などに、 即時に冷静かつ適切な判断をすることが必要となります。(即時対応が必要)
運転中は常に運転席に座り、消費カロリーの少ない作業が多い反面、姿勢を変えることができない状態が続きます。(定姿勢作業)
規則的な日常生活
心身の健全を保つと同時に、プロドライバーとして規則的な生活を心掛けることは大切なことです。
心掛けておきたいこと
・夜更かしなどはしない。
・食事は規則正しくとる。
・安らぎの場を持つ。
・悩みごとは早めに解決する。
・疲労が残らない適度な運動をする。
・気分転換できる趣味を持つ。
・気持ちにゆとりを持つ。
・イライラした感情を持たない。
健康診断の受診
プロドライバーにとって、健康状態を健全に保持することは極めて大切ですが、本人が知らないうちに不調になっていくケースもあります。
これを予防するために、普段から健康に関心を持ち、定期的な健康診断や健康相談などに積極的に参加すると同時に、診断結果を参考に健康に留意することは重要です。
運転適性診断の受診
「車に乗ると性格が変わる」など、運転にはその人の人柄が表れるといわれます。
運転適性診断を受けて、その診断結果を活用することは大切です。
心身機能は年齢とともに低下するものなので、運転適性診断は、3年に一度は受診することが望ましいです。
疲労が与える影響
疲れた状態でハンドルを握ると、運転に悪影響を与え、事故の大きな原因になります。
疲労が運転に与える影響
意識水準が低下して漫然とした状態となり、注意力や判断力が低下し、見落としや見誤りが増えます。
ハンドルやブレーキ操作などが雑になり、正確さが欠けるようになります。
また、反応も鈍くなるため、動作が遅れがちになります。
疲れると意識がぼんやりとしたり眠くなったりします。
イライラしたり怒りっぽくなり、荒っぽい運転になりやすくなります。
疲労防止のための運転中の留意点
疲れを感じる前に休みましょう。
運転中に疲れを感じあわてて休憩をとるよりも、 疲れが出ないような運転を心がけ、疲れを感じる前に、早めに休憩をとるようにすることが大切です。
休憩時には、軽い体操や車両の点検などを行い、体を動かすようにしましょう。
長時間の連続運転をしないでください。
長時間の連続運転は、疲労や過労の大きな原因になります。
4時間を超えて連続運転をしないでください。
安全のためには、2時間に1回、10分以上の休憩をとることが大切です。
無謀な運転をしてはいけません。
スピードの出し過ぎや無理な追越しなどの無謀な運転をしないでください。
イライラ運転は疲労を早める原因になります。
常に余裕のある気持ちで運転することが大切です。
疲労防止のための日常生活での留意点
疲労の原因は、運転作業だけでなく、日常生活にあるケースも少なくありません。
プロドライバーであれば、常に次回の乗務を考えて、疲労を持ち越さないような生活を心がけなければなりません。
日常生活での留意点
・できるだけ一定の時間に床につき、十分な睡眠(最低7時間~8時間)をとる。
・バランスの良い食事を規則正しくとり、夜ふかしをしない。
・ふだんから、できるだけ体を動かすようにする。ただし、過度な運動は疲労の原因となるのでしない。
・休日などには、仕事を離れ、趣味などを積極的に活かし、ストレス解消を図る。
・定期健康診断を必ず受け、疾病など早期発見に努める。
・中高年ドライバーは、加齢による視力などの心身機能の低下に注意する。
日常生活で見直すべき点は見つかりましたか?
健康は、仕事のみならずプライベートにも影響します。
できることから少しずつ健康促進に努めましょう。
引用参考:トラックドライバーとしての心構え
トラックドライバー基礎編「日常点検」
プロのトラックやトレーラドライバーの皆さんは、適切な日常点検を行っているかと思います。
その実際の行動を、ぜひ新人のドライバーの方へも教えてあげてくださいね。
しかしまずは、知識面を確認しておきましょう。
日常点検の励行
安全な運行と確実な輸送を行うためには、車両が万全な状態にあることが基本条件で、そのためには運行前の日常点検は欠かせません。
もしそれを怠れば、車両故障ばかりでなく、それを引き金とした事故の発生や火災による車両や積荷の焼失を招くことがあるのです。
このことをしっかり認識し、運行開始前には必ず日常点検を実施することが大切です。
点検整備を怠るとこうなります
①路上故障の発生や思わぬ事故を引き起こします。
②臨時整備費の発生、燃費低下などのコスト面の負担を増やします。
③納期遅れ、積荷の破損など取引先への業務の信用失墜につながります。
④排ガス濃度の上昇、黒煙排出など環境悪化を招き、トラック運送業界の社会的評価を低下させます。
⑤トラックのイメージや運送業界の社会的評価を低下させます。
日常点検の順序
日常点検は、効率の良い方法で行えば、決して面倒なものではありません。
次の順序で実施するようにしましょう。
・前日までの異状箇所をチェック
・タイヤの空気圧をチェック
・タイヤの亀裂・損傷・異状摩耗をチェック
・タイヤの溝の深さをチェック
・ディスク・ホイールの取付状態をチェック(車両総重量8トン以上の大型トラックのみ)
・冷却水量をチェック
・ブレーキ液量をチェック
・エンジン・オイル量をチェック
・バッテリ液量をチェック
・エア・タンクの凝水をチェック
・ファン・ベルトの張り・損傷をチェック
・パーキング・ブレーキ・レバーの引きしろをチェック
・ウインド・ウォッシャの液量、噴射状態をチェック
・ワイパーの拭き取り状態をチェック
・エンジンのかかり具合・異音をチェック
・エンジンの低速・加速の状態をチェック
・空気圧の上昇具合をチェック
・ランプ類の点灯・点滅、汚れ、損傷状態をチェック
・ブレーキ・ペダルの踏みしろ・効き具合をチェック
・ブレーキ・バルブからの異音をチェック
・ブレーキ・チャンバのロッドのストロークをチェック
・ブレーキ・ドラムとライニングとのすき間をチェック
交通ルールの遵守
「信頼性の原則」の基礎は交通ルールにあります。
「信号が赤になれば停止する。左の合図を出せば左折または左への進路変更をする。」
そういった信頼があるからこそ、安全で円滑な走行が可能なのです。
交通ルールを守ることは、自分の安全を守ることなのです。
交通ルールは最小限の規則
道路を安全・円滑に通行するための最小限の規則が交通ルールであり、これを守ることは、事故を起こさず安全な運転をするための基本です。
交通ルールを守るのがプロドライバー
プロドライバーは交通ルールを正確に理解し、率先してルールを守った運転をしなければなりません。
その他乗務員の遵守事項
酒気を帯びて乗務してはいけません。
偏荷重が生じないように積載するとともに、荷崩れなどを防止するためロープやシート掛けなどの措置をとるようにしましょう。
過積載をした車両に乗務しないでください。
踏切内で運行不能となったときは、速やかに適切な防護措置をとりましょう。
交通ルールは、誰もが守らなくてはならないルールです。
ちょっとした気の緩みが事故に繋がることもあります。
しっかりと交通ルールを守って運転しましょう。
引用参考:トラックドライバーとしての心構え
トラックドライバー基礎編3
トラックやトレーラドライバーの皆さんは、荷主や配送先の方と直接顔を合わせますよね。
さらに、トラックやトレーラに乗車しているときは、一般の歩行者やドライバーなどともすれ違います。
これはドライバーの皆さんだけでなく、社会で働くほとんどの方に当てはまるかと思います。
だからこそ、お互いに相手を不快にさせないようマナーを守らなくてはなりません。
輸送の品質アップにつながる接遇マナー
輸送の基本は、「安全・確実・迅速」に荷物を運ぶことですが、最近は輸送の高品質化が一層求められています。
相手先に好感を与え、信頼と安心を得るような「接遇マナー」を身につけ輸送の品質アップをはかることは、プロドライバーの大切な条件の一つです。
ドライバーは会社の顔
ドライバーは、直接荷主や配送先の人と個人としてだけではなく、自分の勤務する「○○運送」を代表する「顔」として接しているのです。
ドライバーは荷主の代理人
配送先に対するドライバーの応対や態度が悪いと、荷主の信用も失い、取引が中止になることさえあります。
ドライバーは荷主に代わって配送していることをしっかりと認識し、誠意をもって配送先と接し好印象を与えることが大切です。
接遇マナーの基本
必ず「あいさつ」をしましょう。
ドライバーと荷主や配送先の人との「かかわり」は、あいさつから始まります。
あいさつは、良い人間関係を築く上での基本です。
相手と接した時には、明るい声で必ずあいさつをするのを忘れないようにしましょう。
感じの良い話し方をする
言葉を飾り立て敬語を多用することが、必ずしも好感をもたれるとは限りません。
明るさを第一に心がけ、誠実で心の通った言い方であれば、相手の心を動かし、言葉や表現が足りなくても相手に理解され、物事はスムーズに進むのです。
清潔感のあるキチンとした服装をする
服装はその人の人柄や仕事に対する気力、心構えを表すものです。
だらしのない服装は、「この人に荷物をまかせて大丈夫?」と不安感を与え、ドライバーだけでなく輸送そのものにも大きなマイナスとなります。
常に清潔感のあるキチンとした服装を心がけることが必要です。
乗務前後の点呼
乗務の開始前と終了後には必ず点呼を受け、報告事項を正確に点呼執行者に伝えましょう。
また、乗務開始前及び乗務終了後の点呼のいずれもが対面で実施できない場合は、運行途中で電話等により点呼(中間点呼)を受けてください。
乗務開始前の点呼
疾病、疲労その他の理由により安全な運転ができないおそれの有無の申告をしましょう。
運行前の点検の実施又はその確認を行いましょう。
乗務終了後の点呼
乗務に係る自動車や道路状況の通告をしましょう。
他の運転者と交替した場合には、それまでの自動車や道路状況の通告をしましょう。
運行途中での中間点呼
疾病、疲労その他の理由により、安全な運転ができないおそれの有無を申告しましょう。
乗務等の記録
ドライバーは乗務のつど、氏名や自動車のナンバー、乗務の開始や終了の地点や場所などについて記録をしなければなりません。
・氏名
・運転交替地点と日時
・自動車のナンバー
・休憩や睡眠をした地点と日時
・乗務開始や終了地点と日時
・大型車の場合は貨物の積載状況
・主な経過地点
・事故、著しい運行の遅延等の有無とその概要、原因
・乗務距離
・運行途中に、運行指示書の携行が必要な乗務を行うことになった場合には、その指示内容
運行記録計による記録
車両によっては、運行記録計の取付けを義務付けられている車両もあり、その場合には、運行記録計によって運行データを記録することが必要になります。
運行記録計は、自動車の瞬間速度、運行距離及び時間などを記録するものです。
マナーもルールも、点呼も、皆さんがお互いにきちんと仕事をするために必要なことですよね。
社会の一員としてしっかりと対応できるようにしていきましょう。
引用参考:トラックドライバーとしての心構え
トラックドライバー基礎編2
4月は様々な職種で「新人さん」が増えますよね。
トラックやトレーラドライバーの新人さんもいらっしゃるかと思います。
新人の間に基礎をしっかり身に付けておきましょう。
日常の健康管理で主に気をつけていること
運転するには、健康状態が良好であることが欠かせません。
プロドライバーが、いちばん気をつけていることは、「十分な睡眠」「食事」となっています。
ドライバーの場合、体が基本です。
健康維持に気を遣っていることがわかりますが、 健康維持のためには奥様をはじめ、家族の協力も大切です。
安全運転のために心がけていること
「スピードを出し過ぎない」「疲れたら休憩をとる」「車間距離を保つ」という回答が多く、安全運転の基本を日頃から心がけていることがわかります。
安全な車の条件として重視していること
約8割のドライバーが「制動機能(ブレーキ)に優れていること」をあげています。
顧客から望まれていること
顧客から望まれている要望は、積荷の丁寧な取り扱いが圧倒的に多い回答となっています。
運転マナーの大切さ
マナーの悪い運転は業界のイメージダウンにつながってしまいます。
プロドライバーであるからこそ、他車の手本となるべき安全でマナーの良い運転を心がけなければなりません。
一般の乗用車からみれば、車体の大きいトラックは恐怖の対象で、「幅寄せ」や「あおり」などは絶対にしてはいけない行為です。
トラックは「走る広告塔」
会社や荷主の名前、商品名などが書かれているトラックは「走る広告塔」です。
多くの人々が目をとめているため、宣伝効果があると同時に、他車への気遣いや不安感を与えないという社会的義務と行動を常に求められています。
プロドライバーはそれだけの誇りと運転マナーを実践することが必要なのです。
マナーの悪い運転は絶対にしないでください。
運転マナーの基本(その1)
思いやりと譲り合いの気持ち
「交通ルール」は、道路を安全かつ円滑に利用するための最小限のきまりです。
道路を職場として使わせて頂くという感謝の気持ちと、常に「思いやり」と「相手に譲る」という姿勢でハンドルを握るのがプロドライバーなのです。
おごりの意識を捨てる
トラックは運転席が高く他車や歩行者を見下ろす形になるので、無意識のうちに「威圧運転」や「嫌がらせ運転」を行っていることがあります。
社会正義の原則にのっとり「強者は弱者を助ける」立場にたつ運転こそ大切です。
油断をしない
「毎日この道を走っているから」という油断は大敵です。
油断の典型的なケースが「わき見」です。
わき見により、前車の停車に気づくのが遅れ追突したり、歩行者の発見が遅れはねてしまう事故が多くあります。
わずかな緊張感の緩みが取り返しのつかない事故を引き起してしまいます。
運転マナーの基本(その2)
過信しない
運転に自信を持つことは大切です。
しかし、「自分は運転がうまい」という過信は、安全運転の基本を失わせ、「無謀な行為」をさせる原因となります。
「急ぎ」や「あせり」をおさえる
「急ぎ」や「あせり」は、スピードの出し過ぎ、強引な追越しや車線変更、一時停止の無視などの危険な運転をしがちです。
「急ぎ」や「あせり」があると他車の動きが遅く思われ、全体の交通の流れに対する「配慮」がなくなります。
「急いだり、あせったりしたとしても、そんなに早く走れるわけでもない」と考え気持ちをおさえるのがプロドライバーです。
「カッカ」したり「カリカリ」しない
「カッカ」や「カリカリ」は、的確な判断力を失うだけでなく、他車の運転行動が少しでも自分の気にさわると、仕返しをしようとする行動に出がちになります。
「事故を起こしたら何にもならない」と考え冷静な運転を行うことが大切です。
どんなに急いでいるときでも、交通ルールは変わりません。
安全に、そして冷静に運転することが大切です。
引用参考:トラックドライバーとしての心構え