月別アーカイブ: 2019年9月
緊急時の対策 ~水害3
9月初旬に到来した台風15号の被害は 今もなお深い爪痕を残し
多くの被害者を苦しめています。
今後も新たな台風が続々と発生しており
天気予報などで気象状況を随時確認し、対策を講じる必要があるかと思います。
台風がもたらす被害は
概ね強風、大雨によるものですが
自然災害の中でも 「水害」の被害は非常に幅広く
その危険度も高いため、日ごろからその理解と対策が不可欠と言われています。
死者・行方不明者・負傷者を出し、
住宅の全壊や半壊、及び浸水といった被害に加え、資材の流出や
農業や漁業といった産業面の被害、
そして交通網・通信網・ライフラインの寸断とこれに伴う物流・経済活動の混乱といったところにまで「水害」の影響は
作用してしまいます。
また、一言で「水害」と言っても その種類は様々です
●水害の種類●
1.洪水、高潮
「洪水」とは、河川の流域に大雨が降り、河川を流れる水の量が急激に増大してしまう現象を言います。
河川管理の上では、河川が氾濫しなくても洪水と呼びます。
「高潮」とは、台風により気圧が低くなるため海面が吸い上げられたり、海面が強風で吹き寄せられたり、湾内の海面が普段より数mも高くなることをいいます。
湾口を南にもつ内湾に沿って台風が北上する場合に発生し、このような高潮により海面が上昇し堤防より高くなると、付近の低地に浸水被害をもたらします。
2.内水型水害
河川の下流域や海浜地域に多く見られる水害で、水位が徐々に上がり床下や床上を含む水没地域を作ります。
この水害には比較的時間がかかり、又、水が引く時間も比較的長時間を要します。
警報の発令により、被災者は水位の上昇に対して、家財の搬出や階上への移動のための時間的余裕を持つことができるため、
避難誘導が可能となり、人的被害は比較的軽微に抑えることが可能となります。
3.外水型水害
山間部の土石流や、ダムや堤防の急な決壊により、一気に大量の土砂や水が襲う状況を言います。
警報から避難までの時間が間に合わない場合もあり、家財の移動や搬出もできないことや、避難の遅れによる人的被害も起こる可能性が高くなります。
押し寄せる水量も激しく、家屋や家財を一気に押し流すこともあり、復旧に関しては家屋の建て直しを含む、長期復旧期間が必要となります。
こうした水害の際、ハンドルを握っているドライバーが注意しなければならないことの一つに
「水没」があげられます。
●水没時の対処法●
冠水してしまった道路の水位が深い場合や、河川や湖などに万が一転落したときは、
車両の前方に重いエンジンが搭載されている乗用車では、前部が最初に沈みこみ前傾姿勢となります。
こうした状況に遭遇した場合は、まず慌てずに、まずシートベルトを外します。
窓ガラスが水面より高い位置にある状態なら、窓を開けてクルマのルーフ(天井)に上るようにして脱出します。
ところが、パワーウインドーの場合は水による電気系統のトラブルやガラスにかかる水圧で開かなくなってしまうこともあります。
その場合、先の尖った緊急脱出用ハンマーを使ってガラスを割ることで、脱出できる可能性が格段に高まりますので、ぜひ常備しておきましょう。
外からの水圧によってドアを開けることができず、ウインドウガラスは開かずハンマーもないといった最悪の事態でも落ち着いて行動しましょう。
次第に車内に水が入ってきますが、外の水位との差が小さくなったときがチャンスです。
圧力の差が縮まるためドアにかかる水圧も小さくなるので、ドアが開けやすくなります。
●水没車●
水没・冠水してしまった車両は、水が引いてもエンジンをかけるのは大変危険です。
エンジンの吸気系からシリンダー内に水を吸ってしまうと、エンジンが壊れる可能性が高く、
電気系統の漏電で火災が発生する可能性があります。
国土交通省は、浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーへ向け
水に浸った車両は、外観上問題がなさそうな状態でも、感電事故や電気系統のショート等による車両火災が発生するおそれがある為
以下のように対処するよう促しています。
1)自分でエンジンをかけない。
2)使用したい場合には、お買い求めの販売店もしくは、最寄りの整備工場にご相談下さい。特に、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧のバッテリーを搭載していますので、むやみに触らないで下さい。
3)使用するまでの間、発火するおそれがありますので、バッテリーのマイナス側のターミナルを外して下さい
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緊急時の対策 ~水害2
台風15号が関東に上陸し、
記録的な強風による甚大な被害をもたらしてから20日で12日目を迎えています。
千葉県内では今も停電している地域があり、電気や水道が復旧した地域でも生活再建の道筋はまだ見えず、家を破壊されたままの住民は悲嘆にくれています。
台風15号は想像以上の自然災害になってしまいましたが、
この先もこういった水害がいつ何時降りかかってくるかわかりません。
知識を備え、対策を事前に講じておきましょう。
●水害からの避難●
テレビやラジオ、インターネットから
台風や大雨といった最新の気象情報、災害情報、避難情報などを見聞きした際には
危険と思われる場所には近づかないようにし、速やかに避難することも必要になります。
しかし場合によっては 高い堅牢な建物であれば そこにとどまることもあるかもしれません。
その場に応じて 適切な判断をし 安全に身を守る手段を選択しなくてはなりません。
今回は 水害時に 適切な判断をするために
ドライバーが注意すべきポイントを改めて確認していきたいと思います。
〇ハザードマップ〇
大雨や台風の際には、海岸や増水した川、急傾斜地など、危険な場所には近づかないようにすることが大切です。
避難する時には 最も安全と思われる道順やルートを選んで移動することが重要ですが
そのためには 事前に市区町村が作成している「ハザードマップ」を活用し、危険箇所を確認しておきましょう。
ハザードマップとは、
過去に発生した災害の被害状況をもとに、
地震や津波、台風や集中豪雨による洪水、土石流や崖崩れ、火山の噴火など、
大規模自然災害における被害発生状況を予測し、
河川が氾濫した場合に浸水が予想される地域、
土砂災害危険箇所・土砂災害警戒区域などの土砂災害の発生する危険性のある地区などが示されていますので、
あらかじめ知っておくことで、早めに避難行動をとったり、危険を回避して移動したりすることができます。
こちらから
調べることも可能です。
〇浸水被害〇
洪水・津波などで浸水した際の、水面から地面までの深さのことを「浸水深」と言います。
浸水深が大きくなると、歩行や自動車の走行に支障を来たし、避難行動が困難になります。
あるレッカー業者は、「豪雨の際のトラックの浸水」に注意を即しています。
「トラックが水につかって動けなくなった」という救護依頼が近年増加しているということです。
同社によると、不動の原因はキャビン下に取り付けられたエアクリーナーだそうです。
以前はシャシーの上に取り付けられるタイプが一般的だったのですが、
最近のトラックはシャシーの下に取り付けられており、アンダーパスや水のたまりやすいところでは動かなくなってしまうのが現状といいます。
立体交差道路のひとつであるアンダーパスや、高低差のある電車のガード下の道路といった、
スリバチ状の箇所に水たまりが発生している場合は、絶対に入らず、引き返しましょう。
また、水たまりは見た目だけでは水深を測ることができなため、いざ進入してしまうと、思いのほか深いことがあります。
ただ、運転席にいる限り、クルマの床面以上の水深であっても、ただちには浸水してきません。
そのため、危険を察知するころには、クルマが浮いて前後に動かなくなり、エンジンの吸気口が水を吸ってしまったり、
排気管が水圧で塞がれてしまい、エンジンが停止し、そのまま立ち往生という結果にもつながりかねません。
洪水などにより冠水した恐れがある車両のキースイッチをONにしたりエンジンを始動してしまうと
配線のショートによる火災が発生したり、吸気系統に水等の異物が入っているとエンジンを損傷させるなどして
思わぬ怪我や車両を損傷させる恐れがあります。
ハイブリッド車につきましては、高電圧のバッテリーが搭載されていますので、むやみに触らないようにしてください。
CNG/LPG車につきましては、長時間の駐車の場合と同様、ガス容器(ガスボンベ)の元バルブを閉じてください。
冠水した恐れのある車両には以下のような危険性があります。
* バッテリーが接続されている場合、電気系統の腐食が進むことで、ショートにより車両火災が発生する恐れがあります。
* ブレーキ内部の錆付きによる制動不能に陥る恐れがあります。
* ホイール ハブの錆付きによる走行不能(軸の焼付き)に陥る恐れがあります。
* ステアリング リンク機構の錆付きによる操舵不能に陥る恐れがあります。
* エンジン内部の錆付きによるエンジン破損(焼付き等)の恐れがあります。
* マフラー内部の詰りにより、触媒破損(排ガスの劣化)の恐れがあります。
<応急処置内容>
1. キースイッチをOFFにしてください。
2. バッテリー端子のマイナス(-)側を取り外してください。
※ 作業時には、プラス(+)側端子を布などで覆うなどして絶縁し、感電にご注意ください。
〇浸水深ランク〇
また、おおまかではありますが 下記の「浸水深ランク」で
普通自動車の走行への影響を認識しておきましょう。
浸水深 自動車走行
0~10cm 走行に関し、問題はない。
10~30cm ブレーキ性能が低下し、安全な場所へ車を移動させる必要がある。
30~50cm エンジンが停止し、車から退出を図らなければならない。
50cm~ 車が浮き、また、パワーウィンドウが作動せず、車の中に閉じ込められてしまい、車とともに流され非常に危険な状態となる。
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緊急時の対策 ~水害1
9月に入り、秋めいた空気を感じるようになってきましたね。
しかし、先日の関東上陸時の勢力では過去最強クラスと言われる「台風15号」の爪痕は、
現在もなお深刻な被害をもたらしています。
総務省消防庁災害対策室が9月13日午前5時に発表したところによると、
東京都で死者1名、埼玉県と千葉県、神奈川県、茨城県での重傷者9人を含む、1都6県で109人が重軽傷を負ったとされ、
また、台風の影響による停電後に熱中症とみられる症状でも死者が出てしまっています。
建物の被害は、1110件の住家、37件の公共建物と77件のその他の建物が全壊・半壊・一部損壊等の被害を受けたとのことです。
さらには千葉県内で送電塔2本と電柱84本が倒壊しているのが確認され、
神奈川県と千葉県を中心に9日時点で93万戸が停電しました。
東京電力によると
13日午前10時現在もなお、約19万8600軒が停電となっているそうです。
設備や施設に想定を超える被害が確認され、山間部での作業が難航している為、
千葉を中心とする停電の全面復旧は、千葉市周辺で12日中、それ以外のエリアでは13日以降とし、台風の爪痕としては非常に深いものとなっています。
令和に入ってから 初めての大きな台風被害となってしまいましたが、
このような台風などによる「水害」について
ハンドルを握るドライバーは 日頃から対策を講じなければなりません。
今回は水害に対する対策などについて確認していきたいと思います。
●防災気象情報●
トラックやトレーラーのドライバーのみならず
天候の急変や水害の恐れを感じた際には まずは正しい情報を入手することが大切です。
正確な情報収集が早めの避難に直結しますので
テレビ、ラジオ、インターネット等での最新の気象情報、災害情報、避難情報を得る際には
最も信憑性が高く、最新の情報源として気象庁の「防災気象情報」をおすすめします。
「防災気象情報」とは
気象庁が発表している気象・地震・火山等に関する予報や情報の総称で
災害から身を守るための情報と、生活に役立てる情報の2種類に大別されます。
気象庁は、発表した防災気象情報を自治体や防災機関に直ちに伝達すると同時に、
テレビやラジオ、インターネット等を通じて広く国民に知らせしていますが
情報を必要としている個人が 各自で携帯電話やスマートフォン、パソコン等を用いて
必要な防災気象情報を手軽に入手できる環境が整ってきています。
ドライバーは 個人のスマートフォン等に こういった情報を独自で入手できるサイトを登録しておくといいかもしれません。
なぜなら「自らの命は自らが守る」意識を必要とされているためです。
平成31年3月に 「避難勧告等に関するガイドライン」(内閣府(防災担当))が改定され、
住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち、自らの判断で避難行動をとるとの方針が示されました。
この方針に沿って、自治体や気象庁等から発表される防災情報を用いて住民がとるべき行動を直感的に理解しやすくなるよう、
5段階の警戒レベルを明記して防災情報が提供されることとなりました。
「防災気象情報」は 各自治体が発令する避難勧告等よりも先に発表されるので、
避難が必要とされる警戒レベル4や高齢者等の避難が必要とされる警戒レベル3に相当する防災気象情報が発表された際には、
自治体からの避難勧告等が発令されていなくても危険度分布や河川の水位情報等を用いて自ら避難の判断をしなければなりません。
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