緊急時の対策 ~火災5


 
11月もあとわずか 来月ともなれば
今年の総決算として話題になったニュースや出来事などをまとめた番組などが
どのチャンネルでも多く放送されるようになってきますよね。
 
なんと言っても今年は「令和」という新しい時代へ移り変わったことこそ
大きな変革だったのではないでしょうか
 
「平成」から「令和」へ 新しい時代を迎えるにあたり
現在でも 皇位継承の重要な儀式が続いております。
 
中でも 11月10日に行われた 天皇陛下が皇后さまとともに広く国民に即位を披露し祝福を受けられるパレード「祝賀御列(しゅくがおんれつ)の儀」
には沿道におよそ11万9000人が訪れ テレビやインターネットでも大変大きく報道されました。
そこで注目されたのが 今回初お披露目となる天皇皇后両陛下がお乗りになられたトヨタの「センチュリー」を改造した「センチュリーロイヤル」のオープンカーです。
 
天皇陛下や皇族が乗られる「御料車」は 最高級の技術が集結した車となっています。
約8000万円という費用も話題の一つでしたが その安全性能や環境性能、多くの基準をクリアした車となっており
まさに日本一の車両と言えるでしょう。
今月28日~来年1月5日まで、一般公開もされているので 近くで見てみてはいかがでしょうか
 
皇族や要人が乗られる車の安全性能は
一般の車両と異なる箇所があるのはもちろんです。
例えば 防弾ガラスを使用したりする特装はやや不必要ですよね。
しかしながら 自動車メーカーも一般車の安全装備には格段の配慮をしているのは間違いありません。
 
メルセデスベンツでも 自動消火システムを搭載させている車両もあり、今後高級車のみならず こういった安全装備が充実し、車両火災が減ることを願うばかりです。

 

 

●車内の火災原因●

 

自動車の火災の原因で 多いのは排気管による発火と 以前に記しましたが
実は 車内で 運転手が防ぐことができる火災要因も多々あります。
 

*タバコ

 

・たばこの吸殻を車内のゴミ袋に捨てたところゴミ袋から出火してしまう
 
・運転しながら喫煙している際に 火種が落ち
車内の燃えやすい繊維やごみなどに引火してしまう
 
・直射日光が当たるダッシュボードに使い捨てライターを置くと
2,3時間で亀裂が入り、ガスが抜け、破裂・発火のリスクが高くなる
 
たばこの火種は、消したつもりでも完全消火の確認を怠っていることがあります。
また 走行中の喫煙は こうした消火確認ができないだけでなく、火種を落とすといった危険性がありますので
喫煙は休憩時にゆっくりと行うようにしましょう。
 
また、発火性の高いライターを冬場だからと車内に放置するのは大変危険です。
外で喫煙可能な場所が減っているので 車内に置いてしまいがちになりそうですが
意識的に持ち歩くようにしましょう。
 
 
 

*スプレー缶

 
 
LPGガスが使われているスプレー缶は、高温になると爆発する恐れがあり
車内で爆発すると、引火の危険性や窓ガラスを割るほどの威力がありますので、置き忘れないようにしましょう。

 

例:虫よけスプレー
    消臭スプレー
    冷却スプレー
    ガラスの曇り止めスプレー
    油膜取りのスプレー
    ヘアスプレーなど
 
 

*ペットボトルや吸盤

 

太陽光の光エネルギーがペットボトルや吸盤を通して発火の要因になり得ます。
ちょっとしたマスコットを吸盤で窓ガラスにぶら下げていたり
吸盤式の遮光カーテンを利用している場合は注意が必要です。
 
凸レンズや凹レンズと同じ働きをする物体に光が入り、屈折・反射することで光が1点に集まって発火するので
ペットボトルや吸盤以外にも、アルミホイル、凹面鏡、ボウル、ルーペ、老眼鏡等も発火の原因になります。

 

国土交通省の調べによると、車両事故よりも車両火災の方が約4倍多く発生しています。
日頃からの車両整備はもちろんですが
車内の何気ない物からも出火の恐れがあることに注意するようにしましょう。

 

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緊急時の対策 ~火災4


 
11月も中盤を過ぎ、秋も深まり 全国各地で紅葉シーズンを迎えています。

多くの観光客が その絶景、そして秋の味覚や温泉といった楽しみを求めて行楽地へと集まる季節でもあります。
 
日本交通公社の旅行年報2018

都道府県別の旅行先での交通手段の調査(複数回答)によると
 

自家用車・・・36.4%
レンタカー・・・13.7%
路線バス・・・12.7%
タクシー・・・9.8%
貸切バス・・・7.4%

 
といった車両による移動手段を用いる旅行者や観光客が圧倒的多数となっています。
秋の景色を眺めながらのドライブは楽しいですものね!
 
しかし 見知らぬ土地や高速道路 慣れない場所でハンドルを握る際は
楽しんでばかりはいられません。
 
とりわけ火災事故を誘発しやすいトンネルでの走行には
いっそうの注意を要します。
 
 

●トンネル火災●

歴史に残る自動車用トンネルの火災を振り返ってみましょう。
 

★日本坂トンネル火災

 
1979年7月 静岡県の東名高速道路下り線、全長2045mの日本坂トンネル内で
大規模な火災が発生しました。
 
トンネル内の出口から約400mの地点で
大型トラック4台、小型乗用自動車2台が関係する玉突き追突事故よって火災が発生し、
後続車両に次々と延焼しました。
 
この事故で 車両火災により死者7名、負傷者2名、
そして消失車両173台、トンネル本体の損壊および防災設備のほとんどが焼損という
日本の災害史に残る大惨事となってしまった。
 
 

★モンブラントンネル火災

 
1999年3月
ヨーロッパ最高峰であるモンブラン(標高4,807m)の下、
フランスとイタリアを結ぶ全長11.6kmの モンブラントンネルで、
イタリアに向かっていた小麦粉 12トン、マーガリン8トンを積載した運搬トラックの燃料が漏れ
出火し、消火器を使う間もなく爆発してしまった。
 
フランス側の監視装置 は事故トラックがトンネルに入った直後に煙を検知していたのに、直ちにトンネルを閉鎖しなかったことやフランス側は、火災発生の3分後に換気装置を最大排気レベルにしたが、イタリア側は20分以上、排気ではなく給気レベルを 最大にしていたことで火災に悪い影響を与えたとされています。
 
フランスに向かうトラック8台と、イタリアに向かうトラック12台、乗用車10~11台に 延焼し
死者39名、負傷者27名の大惨事となってしまった。
 
どちらの事故も災害史に残る大惨事であり この事故を教訓として学ぶべきことは非常に多くあります。
 
車間距離を保っていれば、トンネルに進入しなければ、と「たられば」を並べればキリがないかもしれません。
しかし
こういった事故によって さらなる防火設備や人的な注意喚起の向上が進みました。
 
 

●トンネル火災の対処法●

 
 
トンネルに入る前に火災発生に気が付いた場合は、
後続車両に注意しながら トンネル入口の手前で 速やかに停止し
絶対に進入しないことが重要です。
 
長いトンネルや規模の大きなトンネルの入り口には、
トンネル入り口用信号機が設置されていて、進入禁止の場合は赤信号となり
入口表示板には「進入禁止火災」などと表示されます。
 
万が一 トンネル火災に巻き込まれてしまったら、
まずは 落ち着くことが大切です。
トンネル内のスピーカー、ラジオ放送を通じて情報や指示が流される場合があるので、
それが聞こえた場合は その指示に従いましょう。
 
車を停止される際は、ハザードランプを点灯させ、非常駐車帯か
状況に応じて左右に寄せてサイドブレーキを引きます。
停車させた後はキーを付けたままにしてドアロックもせずにしておきます。
 
煙に巻き込まれないよう注意しながら非常口を見つけるか
煙の流れる方向を確認し 煙の出ていく方向が 脱出に適した方向です
 

 
安全が確保でき、無理のない範囲で
火災の発生を外部に連絡したり
消火活動をしましょう。
 
トンネル内には
押しボタン式通報装置が50mごとに
非常電話は200mごとに設置されています。
消火器は50m間隔で2本ずつ設置されており、初期消火に有効です。
 
 

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緊急時の対策 ~火災3


 
防火防災に関する意識や防災行動力を高め、火災の発生を防ぎ、

万一発生した場合にも被害を最小限にとどめ、火災から尊い命と貴重な財産を守ることを目的として

「119」の電話番号にちなんで

11月9日から 本日11月15日まで 「秋の火災予防運動」が実施されていることをご存知でしょうか
 
1930年3月 近畿地方で 当時の大日本消防協会により「防火運動」として実施された以降

防火意識を高める運動は各地で行われ

1949年以降は国家消防庁の設置を受けて「大火撲滅運動」として全国規模へ統一されました。
 
そして 1953年より

現在の「全国火災予防運動」の名称が使用されるようになりました。
 
市町村はこの期間に関係団体と協力・連携のもと各種広報活動を行うとともに、消防訓練等を実施するものとされています。

そして 1989年からは現在の「消防記念日を最終日とする一週間」を「春の全国火災予防運動」として

秋と春と年2回実施されています。
 
「秋の全国火災予防運動」は 本日までとなりますが、

この機会に ご家庭や職場の防火対策などを見直すとともに

車両火災についても理解を深めましょう。

●車両火災の原因●

 

誰しもニュースなどで車両やトラックが黒い煙とともに炎上している映像を見ると

「どうしてこんなことに。。。」と思ってしまうのではないでしょうか

車両がそのように炎上してしまうのには様々な原因が考えられます。
 
例えば
 

*燃料やオイル漏れによるもの
 
*エンジンルーム内へのウエスの置き忘れによるもの
 
*バッテリーのターミナルの緩みによるショート

 
 
車両は 忘れがちですが精密機械です。大量のガソリンも積んでおり、常に発火の危険性があることを忘れてはなりません。
日頃のメンテナンスや車両の取扱いに十分注意を払う必要があります。
 
国土交通省自動車局がまとめた「平成30年の事故・火災情報の集計結果」というデータがあります。
 
これは、ドライバーの操作ミスとは考えられず、
自動車・部品等の不具合で発生した惧れのある事故・火災の原因等について、
自動車メーカーが国交省に報告したものを同省がまとめたものです。
 
これによると、

平成30年の事故・火災総数は 1430件(前年比145件減、9.2%減)

車両火災は1161件(前年比7.1%減)で 車両火災情報のの81.2%でした。
 
原因別にみると、
 
火災等で原因個所付近が焦げつくすなどで
原因や現車が確認できなかったもの・・・・・608件
 
原因判明分のうち
 トップが「点検・整備のミス」・・・・・271件
次いで「外部要因」、「社外品・後付装置」等でした。
 
また、火災の起きた車種別では
 
 
乗用車・・・・399 件(34.4%)
トラック・貨物車・・・・384 件(33.1%)
 
となっています。
 
平成 30 年 11 月末における乗用車の保有台数は(39,591 千台)は
全保有台 数(82,181 千台)の 48.2%であるのに対して
トラック・貨物車の保有台数の割合はわずか7.4%。
にもかかわらず、トラック・貨物車の事故・火災情報件数の割 合は 32.0%と非常に高くなっています。
 

 
また、被災した車両の走行距離によっても火災を起こしやすい車両がみてとれます。
 
総走行距離別の事故・火災情報件数は、
 

1 万 km 超 5 万 km 以下・・・180 件(12.6%)

5 万 km 超 10 万 km 以下・・・197 件(13.8%)

10 万 km 超・・・490 件(34.3%)

 
事故情報件数は、走行距離による傾向性は見られないものの、
火災情報件数は、総走行距離 5 万 km を超えた車両が全体の約50%を占めています。
 
つまり、火災情報は総走行距離が 増えるにつれ増加する傾向があり、
特に総走行距離が 10 万 km を超えた車両は、 急激に増加し
走行距離が増えるにつれ、電気装置、原動機の火災原因の割合が高くなっていることがわかりました。
 
長きにわたり働いたトラック・貨物者ほど
火災発生のリスクが高いので
よりいっそう日頃からのメンテナンスや点検を強化していきましょう。
 
 

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緊急時の対策 ~火災2


10月末日の「首里城」火災から 1週間も経たないというのに

岐阜県白川村の世界遺産「白川郷」での火災のニュースが飛び込んできました。
 
幸い、合掌造りの建物に被害はなく、小屋2棟が全焼しただけで事なきを得ましたが

日本の貴重な文化財が再び炎に飲み込まれてしまったらと思うとゾッとしますね。
 
「白川郷」では

世界文化遺産に制定される遥か以前の昭和46年に結成された「荻町集落の自然環境を守る会」が中心となり

日頃から1日に4回、見回りの『火の番めぐり』を地域住民単位で行っているそうです。
 
また、防火設備も 高台に600トンの貯水タンクを造り、

約80メートルの落差を利用して高さ30メートルまで水を噴き上げることができる放水銃を59基を設置されています。

長きにわたり 日頃から子供からお年寄りまで一体となって防火対策に取り組み

不測の事態に備えていることが 今回の火災が大きな悲劇にならなかったことに他なりません。
 
火に弱いかやぶき屋根だからこその防災意識かもしれませんが、

前回 車両火災も 意外にも件数が多いことを記しました。

この機会に 車両の防災意識を高め 万が一に備えましょう。

●火災の原因●

 

総務省消防庁の平成30年版 消防白書によると

 
平成29年中の出火件数は 3万9,373件でした。
 
そのうち、失火による火災は全体の70.5%であり、その多くは火気の取扱いの不注意や不始末から発生しています。
 
 

たばこ・・・3712件
放火・・・3528件
コンロ・・・3032件
たき火・・・2857件
放火の疑い・・・2305件
火入れ・・・1775件
電灯電話等の配線・・・1453件
ストーブ・・・1135件
電気機器・・・1277件
配線器具・・・1221件
排気管・・・723件
マッチ・ライター721件
火遊び・・・687件
電気装置・・・614件
灯火・・・403件
溶接機/切断機・・・362件

 

〇たばこ〇

 

このように たばこによる出火が全体の約1割を占めています。
また、このたばこによる火災の発生した損害箇所は
 

建物・・・・2025件
車両・・・・162件
林野・・・・58件
船舶・・・・0件
航空機・・・0件
その他・・・1467件

意外にも たばこによる車両火災が多いことがわかります。

 

 
*たばこの吸殻を車内のゴミ袋に捨てたところゴミ袋から出火してしまう
 
*運転しながら喫煙している際に 火種が落ち
車内の燃えやすい繊維やごみなどに引火してしまう
 
惨事にはならなかったにせよ
このような経験をして、ヒヤッとしたことがある喫煙ドライバーは少なくないと思います。
 
たばこの火種は、消したつもりでも完全に消火えていないことがあります。
たばこを吸ったあと、「消す」という行動は習慣になっていますが、完全消火の確認を怠っていることがあります。
また 走行中の喫煙は こうした消火確認ができないだけでなく、火種を落とすといった危険性がありますので
喫煙は休憩時にゆっくりと行うようにしましょう。

 

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緊急時の対策 ~火災1


 
10月末日の早朝のニュースに 驚いき、涙された方も少なくないのではないでしょうか

沖縄のシンボルとも言える「首里城」が真っ赤な炎に包まれて 映画か、はたまたフェイクニュースではと錯覚するような映像に言葉を失いました。

 
現在のところ原因等の詳細はまだ明らかになっていませんが

31日未明に火災が発生し、約11時間にわたって正殿と北殿、南殿が全焼したほか、合わせて7棟の建屋、延べ4,800平米が焼失してしまいました。

 

首里城が焼失したのは、第二次世界大戦の際というのは有名な話ですが、

実のところ 1453年、1660年、1709年、1945年と過去にも火災の悲劇を繰り返してきた城でした。
 

木造建築であることに加え、赤い塗装には沖縄独特の「桐油」を使っていたことが火の勢いを早めてしまった可能性があるとのことです。

焼け落ちてしまった正殿と北殿、南殿などは「復元建造物」にあたり、文化財防災の対象外(火災当時)となっていた上に

スプリンクラーの未設置といった防火体制が整っていなかったことが 火災の悲劇を繰り返してきた城だけに不思議でなりません。
 

●車両と火災●

 

地震や台風といった様々な自然災害によって 自動車やトラックといった車両が

落下物による破損や、水没による故障といった被害に遭うことは 稀有なことかもしれません。

 
しかし 東日本大震災や最近の立て続く大型台風の襲来といった自然災害の惨状から

自治体やメディアでもハザードマップの活用を推奨するなど、

傾向と対策なる事柄をピックアップして 日頃からの注意や準備を促しているかと思います。

 
しかし、「火災」はどうでしょうか

火災に巻き込まれる、といったことも 「まさか自分には・・・」と思っているかたもいるでしょう。

 

これからの時期、特に乾燥した気候になり 火災には十分に注意しなければならなくなる季節でもあります。

まさかの「火災」について 車両に関連する事柄をみていきたいと思います。

 
消防庁の消防白書によると

 
車両火災の発生件数
 
※「車両火災」とは、自動車車両、鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災をいう。
 

平成27年・・・4188件

 

平成28年・・・4053件

 

平成29年・・・3863件

 
意外と多いことに驚きませんか?

1日に10台の車両から火災が発生しているとは。。。
 

その出火件数を原因は ほとんどが「排気管による発火」そして「放火」のようです。

アクションやスパイ映画などで 車が大爆発しているシーンも

もしかしたら 身近に起こりえるかもしれません。
 

次回では 何故 車両火災が起こるのか 掘り下げてみていきたいと思います。

 

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