月別アーカイブ: 2020年3月
緊急時の対策~風害2
今年は 新型コロナウイルスの影響により
例年と異なる報道となっておりますが
3月も終盤になると
各地で桜が咲き始め お花見の賑わいや
動物園の赤ちゃん誕生の可愛らしい映像といった
春らしいニュースとともに
優しい陽射し溢れる穏やかな気候の到来をイメージしますよね
ところが
実のところ 台風の発生する時期よりも
春が一番 強風の吹く季節だそうなのです
春になるにつれて、
南では暖かくなりますが
北にはまだ寒気が残っています。
その寒気に向けて、南の暖かい暖気が北上するため
日本付近で暖気と寒気がぶつかり合い、
南北の温度差が生まれ、低気圧が発達します。
その発達した低気圧が強風を吹かせるというわけです。
●風の強さと走行中の車●
国土交通省 気象庁のホームページには
風の強さと吹き方が掲載されています。
これによりますと
☆風速10m/s~15m/s未満
人 ⇒ 風に向かって歩きにくくなる
傘がさせない
走行中の車 ⇒ 道路の吹き流しの角度が水平になり
高速道路の運転中では
横風に流される感覚を受ける
☆風速15m/s~20m/s未満
人 ⇒ 風に向かって歩けなくなる
転倒する人が出る
走行中の車 ⇒ 高速道路の運転中では
横風に流される感覚が大きくなる
☆風速20m/s~
人 ⇒ 何かにつかまっていないと立っていられない
走行中の車 ⇒ 通常速度で運転するのが困難になる
走行中のトラックが横転する
このように表記されています。
ただし、大気の状態によって
風の吹き方は絶えず強弱の変動があり
瞬間風速(3秒間の平均)は平均風速(10秒間の平均)の1.5倍~3倍以上になることも
さらに
風速は 地形や周りの建物等に影響されるため
観測所の値と大きく異なる場合があります。
また 横風や吹上げといった強い風が吹く場所には
下記のような場所もあります。
走行には十分に注意が必要です。
・高層ビル群の周辺
・谷間となる山間部の平地
・海沿い、川沿い
・橋の上
・トンネルの出口
財団法人交通事故総合分析センターの調べでは
全ての横転事故か 強風によるものではないものの
横転事故は 車両の単独事故のうち なんと1/5を占めるといいます。
そして その運転者の傷害程度も他の事故要因と比較した場合 重症化の傾向もあるそうです。
●風による通行規制●
「レインボーブリッジ 閉鎖できません!」
踊る大走査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!での名台詞で
ご存知の方も多いのではないでしょうか
しかし 実際のところ このレインボーブリッジは
意外と封鎖されることが少なくありません。
台風や地震といった異常気象等発生時の交通規制のルールがあり
強風時のレインボーブリッジにも適用されるのです。
自動車専用道路における通行規制は
交通管理者(警察)および道路管理者による事前協議の上
下記のとおり実施されています。
平均風速(10分間の平均)
15m/s~ ⇒ 二輪車は通行止め
速度規制
25m/s~ ⇒ 全車両通行止め
横転事故を未然に防ぐ警戒システムを構築することで
さらなる安全性を確保しています。
春のポカポカな穏やかな気候では
ドライバーは 居眠り運転に注意されているかと思いますが、
これからは 強風についても警戒をしていただければと思います。
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京都支店内定式
先日行われた本社内定式にて、運転免許取得のために欠席した1名の方の内定証書授与式を岩瀬運輸機工京都支店で行いました。
内定者の内定証書を受け取る眼差しは、すごく希望に満ち溢れていました。新しい仲間を迎えることができてとても嬉しいです。これから一緒に働ける日を心待ちにしております。
京都支店の朝礼
今回のブログも引き続き「朝礼」をテーマにお伝えします。本日は「京都支店の朝礼」です。
京都支店の朝礼では、初心を忘れることなく、みんなで毎日新たな気持ちでスタートを切るために、クレドの内容(会社のビジョンや経営理念)を読み合わせしています。
こちらは、職場の教養の輪読と感想を発表しているところです。
本日の朝礼では、職場の教養の感想を日替わりで発表していますが、自分で実行している内容を発表することもあります。
ミスや事故を防ぐためには、日頃からの情報共有がとにかく大切です。地道ですが大切な習慣を皆で実践していくことで、業務改善の輪が社内でも確実に広がってきていると感じています。
輸送部朝礼レポート
今回のブログは、毎朝、行われている輸送部朝礼です。
朝礼ではラジオ体操を行い、筋肉の緊張をほぐして柔軟性を向上させることで、怪我の予防や全身の血行を良くし、不注意事故の予防に努めております。
朝礼での連絡事項等の情報共有を徹底して行い、事故やミスに対しての意識をさらに高めていくことで、安全第一でお客様の荷物を運ばせていただくように進めていくことが、サービスの向上につながる重要な日々のルーティンであると考えております。
緊急時の対策~風害1
各地で気温が上昇し 段々と春の兆しが感じられるようになってきましたね
今年はすでに2月22日に「春一番」が到来していますが
言葉の美しさとは裏腹に 目も開けられない強風ですし
実際のところは春の訪れよりも寒さが刺さるような風物詩ですよね
この「春一番」とは
北日本と沖縄を除く、地域で発表されるということをご存知でしょうか
条件は 地域ごとに風速等少々異なりますが
気象庁では 立春(2/4頃)から春分(3/21頃)までの間に、
日本海で低気圧が発達し、広い範囲で初めて吹く、
前日より暖かく、やや強い南よりの風(7~8m/s以上)としています。
1859年 長崎県壱岐郡郷ノ浦町の郷ノ浦で
出漁中の船が春の強い突風によって転覆し、
53人が亡くなったと言われています。
その事故以後、
春の初めの強い南風を「春一」、「春一番」と呼ぶようになったとされ
それが一般に広く普及しました。
春の到来を告げる暖かな優しい風、
といったイメージの「春一番」ですが、
実のところ 急発達する低気圧を知らせる表現として
海難事故や航空事故を防ぐための
「防災上の警鐘」でもあるのです。
●風害●
強風や突風は
海や空の安全を脅かすだけでなく
陸にも多大な影響を及ぼします。
聞きなれない言葉かもしれませんが、
風によって引き起こされる災害を「風害」と言います。
台風や低気圧による強風や竜巻、突風をはじめ
下降気流が地面に衝突した際に四方に広がる強い風が被害を引き起こすダウンバースト
地表付近の大気が渦巻上に立ち上る旋風により周囲の粉塵を巻き込む塵旋風
このような強力な風が 私たちの日常生活に大きな被害をもたらすことが少なくありません。
家屋の屋根や広告看板などの飛散や
飛来物や倒木によって人々や建物への被害も発生します。
電線の切断や電柱の倒壊によって 電力と通信のインフラへの影響、
農作物への被害といった強風を原因とする被害も「風害」に含まれます。
台風の到来を告げる天気予報を見れば
雨と風をセットで予防策や対応策を
台風の進路を見ながら準備する方も多いでしょう
ただ 他の災害要因と視覚的に「風」が弱いため
「風」単独で対策する一般の方は少ないかもしれません
しかし トラックやトレーラーなどのドライバーにとって
この「風害」対策は 切実かと思います。
あらためて この「風害」について見ていきたいと思います。
●風の強さ●
天気予報などで 強風の予測に「風速○○メートル」と発表されても、
いまいちどの程度の風なのかよくからない、という声が多くあります。
おおよその目安を覚えておくと 安全運転の判断の役に立つかと思います。
☆風速の目安☆
おおまかな風速の目安と匹敵する速度を挙げました
イメージしやすいのではないでしょうか
1.6~3.3m/s
顔に風を感じる。木の葉が動く
3.4~5.4m/s
木の葉や細かい小枝絶えず動く
扇風機の強レベル
5.5~7.9m/s
砂ぼこりが立ち,紙片が舞い上がる
8.0~10m/s
葉のある潅木が揺れ始める。池や沼の水面に波頭が立つ
10~15m/s → 36km/h~54km/h
風に向かって歩きにくくなる
傘がさせない、壊れる
取り付けの不完全な看板やトタン板が飛び始める
速さの目安は一般道路の自動車と同じくらい
15~20m/s → 54km/h~72km/h
風に向かって歩けず 転倒する人もでる
小枝が折れる
高速道路では横風に流される感覚が大きくなり、
通常の速度で運転するのが困難となる
20~25m/s → 72km/h~90km/h
身体を60度くらいに傾けないと立っていられず、
しっかりと身体を確保しないと転倒する
銅製シャッターが壊れ始める
風で飛ばされた物で窓ガラスが割れる
25~30m/s → 90km/h~108km/h
つかまっていないと立っていられない
樹木が根こそぎ倒れ始める
ブロック塀が壊れる
取り付けの不完全な屋外外装材がはがれ、飛び始める
屋根が飛ばされる
30m/s → 108km/h
雨戸または屋根が飛ばされることがある。
しっかりしていない家が倒れる
電柱が倒れることがある
35m/s → 126km/h
自動車や列車の客車が倒れることがある
40m/s → 144km/h
身体を45度に傾けないと倒れる
50m/s → 180km/h
木造家屋が倒れはじめる
樹木は根こそぎになる
60m/s → 216km/h
鉄塔が曲がることがある
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緊急時の対策~雪害11
3月に入り 世界的にも新型コロナウイルスの被害は広がりを見せ
日本政府も様々な防止対策の要請を国民に啓示しています。
インターネットなどでは様々な情報が出回っていますが
厚生労働省などの信頼できるサイトから 正しい情報を読み取ることも
大切な予防策になります。
未知なるウイルスでありながらも
日々その傾向や対応策が専門家によって明るさを増してきていることもあり
より具体的な予防対策を講じることができるようになったのではないでしょうか
安全運転も同様に
様々なシーンを想定した事故防止、安全対策を普段から行うことが大切ですよね。
●タイヤの冬対策の重要性●
タイトルの「雪害」に 違和感があるほどに 春めいたあたたかな気候の日もありますが
春先でも多い「スリップ事故」
あらためて 雪害や凍結によるスリップ事故防止について 見ていきたいと思います。
〇法令による義務化〇
降雪地域の方々や冬のアウトドアを楽しまれる方などは
車の冬対策には 非常に配慮されているかと思います。
しかし そのような環境にないドライバーは
チェーン装備の準備やスタッドレスタイヤに履き替えるといったことが
日常ではないため、
そういった方々による事故が例年多発してしまっているのが現状です。
沖縄県を除く都道府県では、
積雪・凍結した路面で冬用タイヤを装着するなど「すべり止め」の措置をとることが、
都道府県道路交通法施行細則または道路交通規則で義務化されています。
東京都の場合
東京都道路交通規則第8条第6号
「積雪又は凍結により明らかにすべると認められる状態にある道路において、
自動車又は原動機付自転車を運転するときは、
タイヤチェーンを取り付ける等してすべり止めの措置を講ずること。」
と定められています。
いずれの都道府県でも違反した場合は
大型車は7000円、普通車は6000円の反則金が課されます。
しかも
雪道の走行中 ノーマルタイヤで事故を起こしてしまった場合は
交通違反をしながらということから 保険の過失割合の算定において不利な影響を及ぼす事になるそうです。
また、チェーン規制区間での事故ともなれば ドライバーに重大な過失があると判断され
ドライバーに対する人身・車両保険は支払われない可能性が高いと考えられます。
保険会社によって対応に差異が生じる場合もありますので
確認しておく必要がありますが、
それよりも タイヤチェーンを準備しておく方がいいかもしれませんね!
〇ノーマルタイヤの制動距離〇
ドライバーが「ブレーキをかけないと!」と思った地点から
実際に車が停止するまでの距離は
雪道であったり 凍結した路面だったり
ノーマルタイヤだったり ドライバーの判断能力等々 様々な条件によって異なります。
ドライバーが危険などを察知してブレーキをかけようと判断してから
実際にブレーキペダルを踏むまでの距離を「空走距離」といいます。
そして
ブレーキをかけ始めてから 実際に車が停止するまでの距離を「制動距離」といいます。
この二つの距離の合計こそが 実際車が停止するまでの移動距離となる「停止距離」とされます。
「停止距離=空走距離+制動距離」
この「制動距離」に差が付く要因の要は タイヤにあります。
JAFが行った検証を見てみましょう
ノーマルタイヤ、スタッドレスタイヤ
オールシーズンタイヤ、ノーマルタイヤ+チェーン
ノーマルタイヤ+オートソック、ノーマルタイヤ+スプレーチェーン
これら6種類のタイヤの車両による
圧雪路(雪が踏み固められた状態の路面)と氷盤路(アイスバーン)での制動距離を測定する検証です。
どちらも40km/hからのブレーキングになります。
圧雪路では
ノーマルタイヤ・・・・・・・・・・・・29.9m
スタッドレスタイヤ・・・・・・・・・・17.3m
オールシーズンタイヤ・・・・・・・・・22.7m
ノーマルタイヤ+チェーン・・・・・・・28.4m
ノーマルタイヤ+オートソック・・・・・20.1m
ノーマルタイヤ+スプレーチェーン・・・24.1m
氷盤路では
ノーマルタイヤ・・・・・・・・・・・・105.4m
スタッドレスタイヤ・・・・・・・・・・78.5m
オールシーズンタイヤ・・・・・・・・・101.1m
ノーマルタイヤ+チェーン・・・・・・・59.0m
ノーマルタイヤ+オートソック・・・・・99.2m
ノーマルタイヤ+スプレーチェーン・・・112.8m
このように ノーマルタイヤの制動距離は 他の対策されたタイヤよりも明らかに長くなります。
制動距離は長ければ長いほど危険が高まりますので
春めいた3月とはいえ その時々の路面状況に応じた適切な対策を
スタッドレスタイヤやチェーンでの予防策を怠らないようにしましょう。
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