月別アーカイブ: 2022年2月
ドーピングと花粉症の薬
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熱戦が繰り広げられた北京オリンピックも2月20日に閉幕しました。
日本はこれまで最多だった前回のピョンチャン大会の13個を上回る18個のメダルを獲得しました。
金メダルが3個、銀メダルが6個、銅メダルが9個という結果は大変な快挙ですが、
順位に関わらず 国籍を問わず、
素晴らしい演技や白熱した競技には 心を動かされた方も多いでしょう。
残念なことに 今回のオリンピックでは
不可解な採点、アンフェアな審査等に首を傾げる場面が少なくなかった事に加え
今もなおドーピング問題も解決せずに波紋を広げ続けています。
「ドーピング(doping)」とは、
18世紀南アフリカ共和国カフィール族の戦士が狩猟に出る前に儀式的な舞踊を演じる際に飲んだ興奮剤成分の飲み物(dop)に由来するという説があります。
その歴史は古く
古代ギリシャの競技で使用されたり、レース前の競争馬に興奮剤を投与したり、
最古のドーピング記録として残っているのは
1865年オランダの水泳大会だそうで、
なんとも古くからドーピングが行われていたことに驚きを隠せません。
さらに1800年代にも薬物の蔓延、過剰摂取による死亡者も増えつつあり
1960年のローマオリンピックでは とうとう競技中に亡くなる選手まで出てしまいました。
その後は 選手の心身の安全とフェアプレーを守るために
様々な規制や検査が整備され
現在では 1999年に設立された
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が中心に
ドーピングの根絶と防止活動等で活動しています。
しかし、
筋力UPのための筋肉ドーピング、
集中力を高める頭脳ドーピング、
持久力や回復力に効果があるとされる血液ドーピングなどの種類だけでなく
ドーピング使用事実を隠す薬物をあわせて投与する「妨害ドーピング」、
さらには
幹細胞技術を活用して
運動能力を大幅に向上させたDNAを身体の中に注入する「遺伝子ドーピング」まで
あると言います。
人々の健康を支えてくれる医療や薬品の技術の発展は望ましいのですが、、、。
●花粉症の薬●
2月も終盤となり ずいぶんと陽が長くなり
春の訪れを感じるようになりましたね。
そんな嬉しい訪れとともに
悩ましい季節の花粉の訪れを疎ましく思っておられる方も少なくないでしょう。
すでにドラッグストアの店頭に花粉症の薬が多く並び始めていたりもします。
アスリートだけでなく
トラック、バス、タクシーなどの職業ドライバーは
花粉症の医薬品の服用に細心の注意が必要です。
職業ドライバー300人による調査結果に
花粉症の薬を服用中に
「眠気やだるさを感じたことがある」というドライバーは過半数を超え
「集中力や判断力の低下を感じたことがある」は3割を超えていました。
花粉症の症状である突発的かつ連続性のあるくしゃみによる
ハンドルやペダルの誤操作
また 目の痒みや涙は視界を妨げ集中力を低下といった
運転に支障をきたす症状を抑えるために 治療薬を服用している方がほとんどです。
ドライバーにはどういった薬が適切なのでしょうか
☆抗アレルギー薬
抗アレルギー薬はアレルギーの初期反応である細胞から
アレルギー物質が出るのを防ぐ長期管理型の薬で
花粉症を起こしにくくしてくれます。
効果が期待できるまで2~4週間程かかる為
花粉の飛び始める2週間程前から飲み始め、
シーズン中は飲み続けなければなりません。
☆抗ヒスタミン薬
日中、眠気を防ぎ、
労働や勉強の活動量を増やす効果がある「ヒスタミン」というホルモンがあります。
このヒスタミンによる活動量を増やす働きが
過剰に活発になると、痒みや鼻水などのアレルギー症状、
花粉症の症状が起こります。
過剰なヒスタミンの活動を抑えるために必要な薬が「抗ヒスタミン薬」になります。
この抗ヒスタミン薬は 種類は様々ですが、
花粉症の症状をすぐに抑える効果があるものの、眠くなる副作用もあります。
この薬が 脳に移行すると、脳内でのヒスタミンの働きを抑えてしまうことで、
集中力や判断力、作業効率などのパフォーマンスの低下が起こることがあり、
これを「インペアード・パフォーマンス」といいます。
インペアード・パフォーマンスは、自覚しやすい「眠気」とは違い、
本人が気づかないうちに生じると言われています。
鎮静作用によって神経の伝達が鈍くなり、眠気やだるさを引き起こし
ウイスキーの水割りを3、4杯を飲んだときのような状況になるそうです。
つまり ハンドルを握るドライバーにとって、
インペアード・パフォーマンスは 大事故と隣り合わせということになります。
抗ヒスタミン薬は、
辛い花粉症のくしゃみ、鼻水や目の痒みを止める効果には
優れているので 医師や薬剤師に相談し
眠気やインペアード・パフォーマンスが起こらない、
安全な運転に支障がない適切な薬を選びましょう。
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大雪がもたらす交通・物流への影響
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南岸低気圧の影響で、今月10日は関東甲信の広い範囲で雪が降り続きました。
事前の天気予報では1月を超える大雪が降るのではないかと心配されましたが、東京都心では2㎝の積雪となりました。
13日~14日かけて再び大雪注意報が発表されたものの、夜中に降った雪も朝方には雨に変わったため都心や平野部で積もることはありませんでした。
今回の関東地方の積雪原因となった「南岸低気圧」とは、本州の南の沿岸部(南岸)を東に進む低気圧のことを言います。冬から春に発生することが多く、通過時に日本列島の太平洋側を中心にまとまった雨や雪を降らせます。
これにより例年に比べ雪が降ることが増えたようにも思います。
雪が積雪した日の朝晩は特に冷え込み路面が凍結するおそれがあります。通勤や通学、おでかけの際は十分に注意してください。
雪が降った後の対策としては、
・荷物はショルダーやリュックにして両手を空ける
・ニット帽子や手袋を着用
・防水ブーツを着用
・靴のつま先と踵に絆創膏を貼る(警視庁SNSより)
などが挙げられます。滑った時でも怪我をしないためにできるだけの対策をしましょう。
備えあれば患いなしです。
今冬は日本各地で警戒級大雪を記録しています。
雪国・北海道も記録的大雪を観測。
札幌市では2月6日、午後2時までの24時間に降った雪の量が60センチと、平成2年に統計を取り始めてから最も多くなりました。北西の風が短時間に2度吹き、まとまった雪が降ったそうです。
雪に慣れている地域でも頭を抱えるほどの積雪を観測した今回の大雪。
この大雪により、札幌市では共交通機関、道路、物流などに大きな影響が出ました。
そこで今回は大雪がもたらす交通・物流への影響と、雪の日の運転の対策を紹介していきます。
<交通機関への影響>
先月6日の積雪時、警視庁によりますと東京都内では交通事故の通報が1021件あったといいます。首都高速道路のレインボーブリッジで、都心方面に向かっていた軽トラックが横転するなど、スリップによる単独事故のほか、複数の車が絡む玉突き事故なども相次いだということです。
北海道もまた先週(2月7日)降った大雪の影響により、都市・札幌市で交通麻痺が発生。
線路が雪に埋もったためJR北海道は札幌駅を発着するすべての列車の運転を終日、見合わせ、特急など728本が運休しました。さらには高速バスも連日運休や遅れなど市民の生活の足に大打撃を与えました。除雪が進まないほどの豪雪であったことがわかります。
<物流への影響>
北海道での大雪は物流でも広範囲に影響が出ました。
まず貨物列車ですが、北海道のみならず東北、信越まで運転見合わせとなったといいます。旅客列車は動いても貨物列車が動き始めるのは時間がかかり、幅広い地域で運休や大幅な遅れが出ました。このため、コープさっぽろの宅配サービス「トドック」では物流センターから送られてくるはずの食材が届きませんでした。JRが運休のため、従業員が出勤できず人手不足にも悩まされたといいます。コープさっぽろによりますと、全道の個別宅配の利用者43万人のうち利用者8割に影響が出たと言います。
(参考:北海道放送)
郵便や宅配は今もなお配送に遅れが生じています。配送状況は随時変わると見られていますので利用する際はあらかじめ確認すると良いでしょう。
今回の大雪は歩くのに苦労するほどの積雪のため、除雪作業が追いつかずこのような混乱となりました。
その他に車を直す依頼があってもすぐ駆けつけられない、ごみ収集車も来られないといった日常生活、ライフラインに大きな影響が出ました。
<雪の日の運転の注意点>
大雪の際は運転しないことが一番安全ではありますが、不要不急で運転しなければならないこともあるでしょう。その際は必ず雪用タイヤに交換しておくことが重要です。
運転の際は以下の箇所に特に注意しましょう!
・橋の上、陸橋
・トンネルの出入口付近
・交差点/停止線付近
・坂道
地面から離れている吹きさらしの場所でもあり、下からの水面の冷たい空気により気温が下がりやすく路面が凍結しやすいスポットです詳しくは、「冬の運転 雪対策」、「冬の運転は路面に注意」のコラムをご覧ください。
現在冬季オリンピックが開催されている中国北京では寒波が襲来しています。地域によっては大雪となり一部種目が中止になるなど競技日程に影響が出ました。寒波によりスキーなどの競技会場付近では連日マイナス20度近く観測しており、選手たちの練習や競技にも影響が出そうです。
猛威を奮うこの寒波は今後日本の海上にやってきます。北陸、上越、東北地方など日本海側では引き続き大雪の備えが必要です。
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北京オリンピックの新交通
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いよいよ今夜、日本時間の21時
北京オリンピックの開会式が開催されます。
2008年の夏季オリンピックの開催地であった北京ですが
冬季と夏季の両季節のホストシティは
長きにわたってきたオリンピックの歴史の中でも初めてのことだそうです。
そんな史上初の冬季オリンピックでは下記の7競技が開催されます。
※()内は種目数。
☆アイスホッケー(2) ☆カーリング(3)
☆バイアスロン(11) ☆リュージュ(4)
☆ボブスレー
・ボブスレー(4)
・スケルトン(2)
☆スケート
・フィギュアスケート(5)
・スピードスケート(14)
・ショートトラックスピードスケート(9)
☆スキー
・アルペンスキー(11)
・クロスカントリースキー(12)
・フリースタイルスキー(13)
・ノルディック混合(3)
・スキージャンプ(5)
・スノーボード(11)
このうち ジャンプ混合団体、
フリースタイルのビッグエア男女とエアリアル混合団体、
スノーボードクロス混合団体、ショートトラック混合リレー、
ボブスレー女子1人乗りの計7種目が新種目として追加され、
冬季大会史上最多の109種目が競われることとなっており
種目数においても 歴史的に注目すべきところになっています。
東京オリンピックの夏季大会では33競技が実施されたことを考えると
冬季オリンピックの競技数は少ないとはいえ
91の地域、参加国から2871人の選手が集い、17日間の熱戦を繰り広げます。
1時間差という短い時差のおかげで
テレビ観戦もしやすくなっていますので
日本選手124名の活躍を見守っていきましょう。
●オリンピックに向けた新交通●
オリンピックは近年
史上初、新種目のみならず、インフラの新規導入を含め
「新しい」事やモノのお披露目の絶好の機会とされていますよね。
東京大会でも様々な会場やシーンで
最新の自動運転技術が導入されたロボットや車両等も見受けられました。
北京オリンピックでは
スケート等屋内競技の中心は北京市の会場ですが、
ボブスレー等を行う延慶ゾーン(北京の中心から約75km)、
ジャンプ等が実施される張家口ゾーン(同約180km)
の3つのエリアで行われます。
北京での冬季開催が決定した翌年の2016年に着工し
わずか4年半で完成した自動運転の高速鉄道の「京張都市間鉄道」が
この3つのエリアの移動手段として利用されます。
北京(清河駅)⇔ 張家口(太子城駅)の約180kmの距離を
東海道新幹線の時速285キロを上回る最高時速350キロで走り抜け
約50分で結びます。
北京冬季五輪用仕様として作られたこの最新の自動運転装置を搭載した列車は
選手やスタッフ、メディア関係者が利用し、
人流管理の観点から1日3往復に限られた走行になっているそうです。
2008年の北京夏季オリンピックでは
北京の地下鉄は7路線に増えましたが
現在では24路線にまでになっています。
総延長は約800km、総駅数も約450駅と北京近郊の路線は世界最大級になりました。
今回のオリンピックの観戦客需要を見越して2019年に開港した北京大興国際空港へも
自動運転の鉄道が準備されていきました。ところが こちらの空港はオリンピック関係者の出入りに使用されることがなくなってしまい北京首都国際空港のみに限定されました。
このように東京大会と同様、新型コロナの影響を受け
一般の観客を観戦させない方針であることから
これらの交通網が最大限に力を発揮する機会を奪われてしまい
とても残念ですね。
再び新型コロナの感染が拡大しており 最大限に注意しなければならない中
ご自宅で過ごす時間が増えるという方も少なくないでしょう。
新しい交通網の北京で
新しい種目も加わった冬のスポーツの祭典を観戦してみてはいかがでしょうか。