月別アーカイブ: 2022年10月
米国カリフォルニア州のZEV規制
目次
IEA国際エネルギー機関によると
世界市場における電気自動車、
プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)を含むEV車の販売台数は
2021年に約660万台に上ったといいます。
これは新車の自動車の販売台数全体の約8.6%を占めます。
2019年では2.5%、2020年では4.2%でしたので
2021年にはEV車の勢いが非常に伸びてきていることがわかります。
<ZEV規制への第一歩>
EV車の販売台数の大幅な増加の背景には
「ZEV規制」の影響が大きいと言われています。
●ZEV規制とは
Zero Emission Vehicle規制の略称
1990年
大気汚染の実害が深刻だったアメリカ、カリフォルニア州が
導入した自動車の規制で、
州内で一定台数以上自動車を販売するメーカーは、
販売台数の一定比率を電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)など
排出ガスを出さないゼロエミッション車(ZEV)にしなければならないと義務付けたものが
「ZEV規制」になります。
そもそもカリフォルニア州は
面積ではアメリカで3番目に大きな州で
大都市ロサンゼルスの他、サンフランシスコ、サンディエゴ等の主要都市も多いため
州人口はアメリカ最大となり、
州内の自動車登録台数は約3,500万台(2018年時点)と正に自動車大国、
そして 新車販売の1割以上を占める米国最大の自動車市場とされています。
さかのぼること1951年のアメリカでは
自動車販売台数が 627万台、
1955年には 800万台を越え、
急速に普及が進んでいました。
既にその頃から
都市部では 排気ガスによる大気汚染や健康被害も既に問題視され
全米50州のなかでもとりわけカリフォルニア州は
大気の滞留が起こりやすい盆地が多く、
大気汚染が深刻化していました。
カリフォルニア州では 1962年に米国初となる排気ガスの規制を
州法として規定しました。
それが州内で販売される車両に搭載されるエンジン部品に規制をかけた
「クランクケース・エミッション規制」です。
このようにカリフォルニア州は排気ガスの規制の先駆者であり
その後の規制についても大きな影響力を示し
とりわけZEV規制は ニューヨーク州など他10州も導入しています。
<ZEV規制の影響力>
1988年に登場した「ZEV規制」は
段階的に自動車メーカーには厳しい販売比率や条件に改定されてきています。
そのたびに 自動車メーカーは 「カリフォルニア州仕様」
とも言われる車種の開発や改良をしなければならず、
新型の排ガス対策機器の搭載や触媒の連装化や
エンジン自体の特殊な改修を盛り込みました。
2018年当時は
ZEV販売比率は16%となり、
クリアする対象車は
電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)、
そしてプラグインハイブリッド車(PHV)となります。
加えて、同州内で2017年に6万台以上のクルマを販売した12社が対象になり、
日本のメーカーではトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダの4社が対象となりました。
このように多くの自動車メーカーは
事実上EV化を迫られ、開発、販売する方向性を見出さなくてはなりません。
次世代型の自動車開発が活性化する一方、
厳しいZEV規制をクリアすることは容易ではありません。
定められた基準に到達していない場合は
カリフォルニア州大気資源局に納付する「罰金」が発生します。
●EVクレジット
この「罰金」回避策として
「クレジット」が利用されています。
ZEV規制では
ZEVの販売台数が一定比率を上回った場合
自動車メーカーは「クレジット(CO2削減量/実績係数)」が得られるという制度があります。
また逆に下回ってしまった場合は
先に記したように「罰金」を支払うか、
もしくは 「クレジット」を多く保有する他メーカーからクレジットを購入しなければなりません。
カルフォルニア州に支払う罰金は
1クレジット=5000ドル
自動車メーカー同士の取引になる場合、非公式ながら罰金よりも安い価格と言われています。
電気自動車メーカーのテスラ社は
このクレジット販売によるビジネスを成功させ
利益を膨れ上がらせたのはご承知の通りでしょう。
<これからのEV化>
最新のZEV規制案では
メーカーごとの新車販売に占めるZEVと一定の条件を満たしたPHVの販売台数の合計比率を、
下記のように義務付けています。
2026年→35%以上
2028年→51%
2030年→68%
このように年々比率は高められ
下記の通り、車両の基準も厳しく制限され、
自動車メーカーは休む間もなく条件を
クリアする車種を改良、開発することが求められます。
新ZEV規制の詳細
・2035年までに新車は全てZEV(EV・FCV)、
PHVに義務付ける
・PHVは電気だけで最低約80km(50マイル)を
走行可能な車種に限る
・PHVはZEVとの合計台数の20%以下のみ有効とする
・EVとFCVは航続距離150マイル以上の車種のみ有効とする
・10年間又は15万マイルの走行で航続距離の劣化は
20%未満を要求
*26~29年モデルは30%未満
・8年間又は10万マイルの走行で75%の
電池の容量保証を要求
*26~30年モデルは70%
・未達成について1台当たり最大2万ドルの罰金
クレジット売買による相殺での時限的な措置ではなく
段階的にEV化が促進されることと同時に
自動車産業、物流インフラの活性化、
そして何より
大気汚染等の環境問題や
健康被害の改善効果の高まりに期待がよせられています。
<まとめ>
大気の滞留が起こりやすい盆地が多く、
大気汚染が深刻化していた米国カリフォルニア州から発祥した「ZEV規制」。
自動車メーカーは 年々厳しくなるこの規制に伴い、
排出ガスを出さないゼロエミッション車(ZEV)への開発を続け
2035年までにすべての新車販売を目指しています。
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フェード現象の原因と対策は?坂道で注意するべき事故パターンを解説
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2022年10月13日、静岡県・小山町でツアー客を乗せた観光バスの横転事故が発生しました。この事故で乗員1名が死亡、35人がけがをしました。
この事故の原因は、フェード現象と呼ばれる摩擦ブレーキを連続使用した結果、ブレーキの効きが低下した現象の可能性があると言われています。
フェード現象は急にブレーキが効かなくなるため重大な事故に直結する、非常に恐ろしい現象です。
そこで今回はフェード現象が起きる原因、予防と対策について解説します。
<フェード現象とは>
フェード現象とは下り坂などでフットブレーキを連続して使いすぎると、走行中にブレーキが利かなくなる現象です。ブレーキを使いすぎると(ブレーキパッド、ブレーキシュー)摩擦材の素材であるゴムや樹脂などが耐熱温度を超えて分解・ガス化します。これがブレーキローターとの間に入り込むことで摩擦係数が低下し、ブレーキの効きが悪くなります。
図版出典:
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-construction/subcategory-structure/faq075
とくにバス・トラックに多く使用されているドラムブレーキは摩擦剤(ブレーキシュー)の設置面が大きく、フェード現象が起きやすくなっています。
フェード現象と同じくフットブレーキを使いすぎることで起こるものとしてべーパーロック現象があります。これはブレーキ時の摩擦熱により「気泡」が生じ、それが原因でブレーキが効きにくくなる現象です。フェード現象の要因が摩擦材に対して、ベーパーロック現象の要因はブレーキフルードにあります。
<事故を起こさないための予防と対策>
冒頭でも記述しましたが、フェード現象が起きる大きな要因は「フットブレーキの多用」にあります。通常のブレーキは、ブレーキパッドをブレーキローターに押し付けて、運動エネルギーを摩擦熱に変えることで車を停止させます。長い下り坂を走行中はブレーキペダルを連続使用してしまうため、負荷がかかり過ぎてしまうのです。
これを防ぐためには主に3つのポイントがあります。
①エンジンブレーキの併用
エンジンブレーキとはエンジン回転の抵抗を利用した減速方法のことです。踏み込んでいるアクセルペダルから手前に戻すだけでエンジンブレーキの効果を得ることができます。ギアを低くすることでエンジンブレーキの制動力を強めることができます。
②過積載しない
トラックは普通乗用車よりも車体が大きいためさらなる注意が必要です。過積載をすると重量バランスが悪くなるため車両に大きな負担がかかり、制動能力が大幅に低下します。フェード現象が起こりやすくなるため必ず最大積載量を守りましょう。
③定期的なブレーキの点検
ブレーキに異常が起きていないか定期的に点検しましょう。ブレーキオイルは規定の量あるか、液が濁ってはいないかなど、2年に1回または走行距離2万キロごとに交換するのがおすすめです。
<フェード現象が起きた時の対処方法>
気をつけて運転していてもフェード現象が起きてしまうことはあります。こうした時、まずは落ち着くことが大切です。ブレーキの効きが悪いと感じたら安全な場所に車を停めて、30分ほど時間をかけてブレーキの熱を下げましょう。制動力を回復させることができます。
※エンジンの効きが悪くなった場合は基本、走らないのが原則です。走りながらブレーキの回復を待つのはやめたほうがよいです。また、高速道路ではバス・トラックは排気ブレーキを使うことで、フットブレーキを使わないで走ることができます。
参照記事↓
<坂道の事故パターン>
長い下り坂で、スピードを抑えるために主としてフットブレーキを使用しながら走行しているうちに、フェード現象やベーパ・ロック現象を起こしてブレーキの効きが悪くなり、赤信号で停止している車に追突したり、減速しながら走行している前車に追突する、あるいはスピードが出過ぎているために、下り坂の途中のカーブを曲がりきれずに路外に逸脱するなどが典型的な事故といえます。
上記で挙げたフェード現象とペーパーロック現象は坂道で起こりやすい事故のパターンですが、もう一つ気をつけなければならないことがあります。それは「坂道での駐車」です。
坂の途中に駐車し、運転者が配達のためにトラックを離れている間に無人のトラックが動きだし坂を下りはじめ、踏み切りや家屋に突っ込んだり他の車両に衝突するという事故が起きています。
この原因はサイドブレーキの引きの甘さにあります。トラックは重量が重いので勾配があるところでは、ちょっとしたことで動き出してしまう危険性があるため、できるだけ坂道での駐車は避けるようにします。やむを得ず駐車しなくてはならない場合には、必ずエンジンを切るとともに(エンジンをかけたままだと、エンジンの振動で動きだすことがある)、駐車ブレーキを確実に引くようにします。駐車ブレーキをしっかりかけるだけでなく、タイヤストッパー(車輪止め)を使用することも大変重要です。
下り坂を走行中にフェードが発生しブレーキが効かなくなった場合の最後の選択肢
使用することのないよう、点検・整備、そしてフェード現象を起こさない運転を心がけましょう。
<まとめ>
最近ではブレーキ性能が上がったことでフェード現象は起こりにくくなってはいると言われていますが、普段からフットブレーキを多用しない運転を心がけることでいざという時の事故を防ぐことができます。エンジンブレーキも上手に活用し加速しすぎないようにします。悲惨な事故を引き起こさないために日頃から安全運転の意識を持ってブレーキの使い方を見直しましょう。
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経営数値の勉強会を開催しました
10月19日(水)に社内で経営数値の勉強会を開催しました。
実はもう7回目です。
今回は本社会議室と各拠点を結んだWeb会議となりました。
今回の講義内容は
『IWASEグループの連結損益表について』、
『原価と経費の違い』などです。
現場にいるとなかなか気づきにくい原価と利益について、
従業員一人ひとりが意識を高めることにより
競争力のある会社になっていくと思われます。
常にコスト意識を持ち無駄を排除していくことで、
より質の高いサービスを提供していけるよう努力してまいります。
今後ともお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
電気自動車の登場から衰退。。。そしてEV化へ再び
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2022年8月
自家用車を所有する全国の男女5333人に
行われた『電気自動車に対するイメージ調査』では
「地球環境やエコに配慮している」
といった好意的なイメージを持つ人が半数を占めたものの
約9割の人が「高い!」と電気自動車が高額な印象を持ち
まだまだ一般的に日常生活では身近な車ではないと感じます。
<電気自動車の登場>
地球温暖化が加速し
世界的に環境問題が大きく取り上げられるようになってから
電気自動車の必要性が注目された経緯はご承知のことかと思います。
しかしながら
そんな電気自動車は なんとガソリン車よりも以前に
1820年代には発明されていたのはご存知だったでしょうか
当時は 電気モーターの発明や
一次電池(充電不可)を用いた電動車両の実証実験も盛んだったようです。
その後 充電が可能となった二次電池である鉛蓄電池も発明され
電気自動車に搭載されるようにもなりました。
1880年代には 速度制御が可能な電気自動車が登場し、
時速100㎞も超えるスピードを可能にしたそうです。
日本で最初に電気自動車が走行したのは1900年、
大正天皇のご成婚のお祝いに米国のサンフランシスコ日本人会が
献上品として送った車両だったそうです。
米国ウッズ社製のビクトリア号と呼ばれるその自動車は
まるで古い映画に出てくるような馬車に似た外観で
客席は2席に運転席があり、3人乗りの車両でした。
しかしながら 当時 運転手がおらず、
適任に訓練をさせていた矢先に お濠に落ち
殿下を乗せることなく
日本初の交通事故となってしまいました。
その後 日本でも電気自動車の開発がスタートし
1937年の日中戦争でのガソリン統制の影響で 電気自動車の生産も後押しされました。
しかし 鉛電池を搭載した電気自動車は
軍需物質に鉛がしていされたことやガソリン統制の解除とともに
優位性は失われてしまいました。
<運輸部門のCO2排出量>
電気自動車の発展は終焉を迎えてしまったにもかかわらず
皮肉なことに ガソリン車やディーゼル車がもたらしてしまった
排気ガスによる大気汚染問題、
環境破壊や健康被害等によって
世界的に電気自動車の転換へ再びシフトしています。
国土交通省の発表によると
2020年度の日本の二酸化炭素の排出量は
10億4,400万トン
その内訳を各部門ごとに順位付けしてみると下記のように
運輸部門は約2割の排出量を占めます。
1位 産業部門・・・・・・3億5,600万トン
2位 運輸部門・・・・・・1億8,500万トン
3位 業務その他部門・・・1億8,200万トン
4位 家庭部門・・・・・・1億6,600万トン
5位 その他・・・・・・・1億5,500万トン
運輸部門の内訳を見てみましょう
1位 自家用乗用車・・・・8,440万トン
2位 営業用貨物車(緑ナンバー)・・・・4,039万トン
3位 自家用貨物車(白ナンバー)・・・・3,210万トン
4位 内航海運・・・・・・ 986万トン
5位 鉄道・・・・・・・・ 784万トン
6位 航空・・・・・・・・ 524万トン
この内訳を見てみると
貨物自動車は 運輸部門の約4割を占め、日本全体の6.9%となっています。
こうした現状を踏まえ
物流大手や荷主の企業は 脱炭素の流れが急速に広がっていおり、
自動車メーカー「ホンダ」の三部敏宏社長も
「国内のEV市場は需要の大きい商用から攻略する」
と電気自動車「貨物EV」の重要性を認めています。
<貨物EV化へ>
運輸部門の排ガス削減は 国の脱炭素に欠かせない重要な課題でもあります。
様々な企業が 物流インフラを止める事なくEV化にシフトしようと試みています。
例えば
●日本郵政グループ
2025年までに3万台以上の車両を電気自動車に切り替え
郵便局で使用する電力を再生可能エネルギーに転換する。
そして 2030年までに温室効果ガスの排出量を46%削減し
2050年には排出量ゼロを目標としています。
●佐川急便
2023年1月から 福島県と東京都において
走行時にCO2等の排出ガスを出さない「ZEV」車を導入し
配送車両のEV化を実現させるそうです。
●ヤマト運輸
2021年11月から日野自動車と共同で行っていた
電気自動車を用いた集配業務の実証実験により
温室効果ガス排出量の削減効果等を確認できたことから、
首都圏・中部・関西エリアを中心に500台を導入することを決定しました。
このように様々な企業が EV化による脱炭素化、
ひいてはSDGsなどの社会的な課題に
日々取り組んでおり、
持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を図っています。
<まとめ>
意外にも電気自動車はガソリン車よりも早く発明されました。
しかしその後 勢いづいたのは 言うまでもなく「ガソリン車」で
それは大気汚染や健康被害等の問題をも引き起こしました。
近年CO2排出量を抑えるべく様々な企業が
EV化を加速させ、課題解決に取り組んでいます。
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事故の原因は姿勢にあり!?安全のため正しい運転方法とは
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運転時の正しい姿勢はご存じですか?クルマを運転する際は「法定速度を守って走行する」「飲酒運転はしない」など安全運転を心がけると同様に、正しいドライビングポジションで運転することも重要なことです。間違った姿勢を続けていると、腰痛や肩こりなど健康面に負担がかかるだけでなく、交通事故を引き起こすなど安全面にも影響をもたらす可能性があります。安全運転の基本は正しい姿勢です。そこで今回は運転時の正しい姿勢を解説します。対策を講じ安全で健康的な運転を心がけましょう。
<危険な運転方法>
皆さんがついやってしまうような姿勢は実は危険かもしれません。無意識でやっている場合も要注意です。一緒に見直していきましょう。
・前かがみになるタイプ
前方をより近くでのぞこうとする姿勢で初心者に多く見られます。背中とシートに隙間が空くので身体が固定されず不安定な姿勢になります。エアバッグに近すぎるため、万が一の時に強い衝撃を受ける恐れもあります。
・ヤンキー運転タイプ
寝かせたシートに座り、伸びきった片手でハンドルをつかむような姿勢です。背もたれを大きく倒し後ろにふんぞり返るようにして運転するためハンドル操作がしにくくなります。この姿勢では腕だけでなく膝が伸びきってしまい、急制動時にブレーキペダルに力が伝わりきらず、十分な踏力が得られません。
<正しい運転方法>
安全な運転をするには、正しい運転姿勢をとることが重要です。的確なハンドル操作ができるだけでなく疲れにくくなります。以下はJAFが提唱する適切な運転姿勢です。参考にしてみてください。
①シートには深く座る
お尻とシートの間に隙間があると、ブレーキを踏んだ力が充分に伝わりません。また、腰痛の原因になるとも言われています。
②シートの高さ
アイポイントが高いと視野が広くなり運転しやすくなります。上げ過ぎると窮屈に感じることがありますが、前方死角を最小限にするために高めに調整しましょう。
③シートスライドを調整
シートに深く腰掛けた状態で、エンジンを掛けブレーキペダルを強く踏んでみましょう。足が伸び切らず膝が確実に曲がっているようにシートスライドを調整しましょう。膝が伸び切った状態では、急制動時にブレーキペダルに力が伝わりきらず、十分な踏力が得られません。
④背もたれの角度
背もたれはハンドルの頂点を握った状態でも肘が伸び切らない角度に調整します。そうすることで、背もたれから背中が浮きにくくなり、姿勢が安定しハンドルを操作しやすくなります。ハンドルが近すぎると上半身が窮屈で操作しにくくなり、またエアバッグ展開による受傷の危険性が高まります。
⑤ハンドルの位置
最近のクルマでは「チルト」と「テレスコピック」という機能が採用されていることがあります。チルトとは、ハンドルの上下を調節できるもので、テレスコピックはハンドルの前後を調節でき、シート調節と合わせることで体格差に関わらずある程度自由に運転姿勢を決めることが可能です。体が窮屈にならない位置に調整しましょう。
⑥ヘッドレストの高さ
真横から見た時にヘッドレストの上端が、頭頂部と同じ高さになるように調節します。高さ不足の場合は、目と耳の延長線上にヘッドレストの中心を合わせましょう。
<安全運転のためのドライビングポジション>
正しい運転姿勢をとることができたら、次は正しいシートベルトの着用やミラーの合わせ方をマスターしましょう。ドライビングポジションは基本中の基本なので当然知っていることだとは思いますが、基本を再確認することはとても大切です。
正しいシートベルトの着用方法
腰ベルトは腰骨のできるだけ低い位置にかけます。肩ベルトは首、あご、顔にあたらないように調節します。ねじれやたるみがないか確認しましょう。ブレーキをかけたときに思わぬ事故につながる危険性があるので、短い距離の移動であっても乗っている人全員がシートベルトを着用しているか確認してください。
ミラーの合わせ方
まずルームミラーは、クルマの中央に合わせます。ミラーに映る背景が左右対称で高さも上下偏りがないように調整します。後続車の位置を確認しやすくなります。ドアミラーでは、左右方向はミラー内側ほんの少し自車が映り込むようにし、上下方向は路面が3分の2程度映るように少しだけ下に向けます。こうすることで後続車との距離感がつかみやすくなります。
<運転姿勢と健康への影響>
運転姿勢と健康の関係性はご存じでしょうか?先程安全運転には適切な運転方法が重要だと解説しましたが、これは健康面においても重要なポイントとなります。デスクワークと同じように悪い姿勢を続けることは不調の原因につながります。腰を痛めたり、首・肩こりが慢性化してしまいます。
特にトラックドライバーやタクシードライバーなど、仕事で長時間運転をする方にとって腰痛は職業病とも言えます。放置すると悪化してしまうため、早めの段階で予防が必要です。おすすめは腰痛防止クッションの使用です。座布団やシートクッションで腰に当たる負担を和らげます。猫背になりやすい人のための姿勢改善シートクッションもあります。
この他にも、適度にストレッチをする、休息をとる、水分補給をすることも腰痛改善になります。水分は血液の流れを良くするだけでなく、老廃物の排出、体温調節に欠かせません。意識的に水分を補給することで身体の不調を防ぐことができます。
<まとめ>
今回は安全運転のための正しいドライビングポジションについて解説しました。適切な運転姿勢は事故を防ぐだけでなく、健康にも良い影響を与えることができるということを理解していただけたでしょうか。正しい運転姿勢で健康的な運転を手に入れましょう。
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2023年度入社内定式
本社にて内定式が行われました。
対面で実施され6名の内定者が出席しました。
社長から内定通知書の授与が行われました。
内定者には自己紹介や意気込みを発表してもらいました。
内定者の内定証書を受け取る眼差しは、希望に満ち溢れており
社会人生活に期待を膨らませていました。
来年春から一緒に働ける日を心待ちにしております。