秋の交通安全運動 〜薄暮時が苦手な人間の目に注意〜

秋の道を運転するトラック

 
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秋の深まりと交通事故の増加

秋の全国交通安全運動は、9月21日から30日までの10日間実施されます。
内閣府によると、秋の交通安全運動は<広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより、交通事故防止の徹底を図ることを目的とする>とされています。
 
今年の重点項目は
1.反射材用品等の着用推進や安全な横断方法の実践等による歩行者の交通事故防止
2.夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転等の根絶
3.自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
です。
 
9月下旬は過ごしやすい日も増え、行楽やレジャーを楽しむ機会も多くなります。
しかし、同時に、日没時刻が早まることで交通事故の増加も懸念される季節です。
特に注意が必要なのが薄暗くなる時間帯の「薄暮時」です。
 
 

薄暮時の危険:人間の目の仕組みと注意点

薄暮時は、周囲の明るさが急激に変化するため、人間の目は環境に適応するのが難しくなります。
 
これは、人間の目が明るい場所では「錐体細胞」という視細胞を使い、暗い場所では「桿体細胞」という視細胞を使うためです。錐体細胞は色や細部を鮮明に見るのに優れていますが、桿体細胞は暗い場所での視覚を担い、色や細部の認識は苦手です。
 
薄暮時は、この2つの視細胞の切り替えがスムーズに行えず、視界が不安定になります。
また、桿体細胞は感度が高いため、急激な明るさの変化に対応できず、一時的に視界が白くぼやけることもあります。
 
こうした理由により薄暮時の運転には以下のような危険が発生します。
 

視界の低下

明るさが十分でないため、物体を認識しにくくなり、距離感や速度感が掴みにくくなります。特に、歩行者や自転車など、ライトを点灯していない交通弱者は見落としやすくなります。
 

コントラストの低下

薄暗い環境では、物体と背景のコントラストが低下し、輪郭がぼやけて見えます。これにより、物体の形状や動きを正確に把握することが難しくなります。
 

まぶしさ

対向車のヘッドライトや街灯などの光が眩しく感じられ、視界を妨げることがあります。これをグレアと呼びます。
雨の日は特に、路面の水や水滴などが反射しさらにグレアの影響を受けやすくなります。
特に、高齢ドライバーはグレアの影響を受けやすく、注意が必要です。
 
これらの要因から、薄暮時は交通事故のリスクが高まります。
 
 

薄暮時の対策

薄暮時、ドライバーは以下の点に注意して運転することが重要です。
 

早めのライト点灯

日没時刻が早まる秋は、早めにヘッドライトを点灯し、周囲からの視認性を高めましょう。
 

スピードダウン

視界不良やコントラスト低下に対応するため、速度を控えめにし、車間距離を十分に確保しましょう。
 

ハイビームの適切な使用

対向車や先行車がない場合は、積極的にハイビームを使用し、視界を確保しましょう。
対向車や先行車がいる場合はロービームに切り替えて、相手の視界を妨げないようにしましょう。
近年では自動的にハイ/ロービームを切り替える機能を搭載する車種も増えています。
 

夜間用グラスの使用

グレア対策として、夜間運転にも適したドライビンググラスも開発されています。
 

疲労運転の防止

疲労は、注意力や判断力を低下させ、事故リスクを高めます。十分な睡眠と休憩を取り、無理のない運転を心がけましょう。
 

薄暮時を避ける

薄暮寺の運転に少しでも不安がある場合は、極力その時間帯の運転を避け、余裕を持ったスケジュールで運転することをおすすめします。
 
 

まとめ

秋は、美しい紅葉や美味しい食べ物など、楽しみが多い季節ですが、交通事故のリスクも高まります。特に、薄暮時は視界不良や目の錯覚が起こりやすく、注意が必要です。
 
また、秋は子どもや学生などの帰宅時間と日没の時刻が重なります。
ドライバーは、早めのライト点灯、速度抑制、ハイビームの適切な使用など、基本的な安全運転を徹底しましょう。また、歩行者や自転車利用者も、反射材を着用するなど、自らの安全を守るための対策を積極的に行いましょう。
 
岩瀬運輸機工も、社員一人ひとりが交通ルールを守り、安全運転を徹底することで、交通事故ゼロを目指します。
秋の交通安全運動をきっかけに、交通安全への意識を高め、みんなで交通事故ゼロを目指しましょう。
 
岩瀬運輸機工について詳しくは《こちら》から

今何ができる!? 日本の物流の未来がかかる自動運転の現状とこれから


 
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トラック輸送の自動運転:物流の未来をひらく技術革新

トラック輸送は、経済活動を支える重要なインフラですが、ドライバー不足や長時間労働、環境負荷などの課題を抱えています。これらの課題を解決し、さらなる効率化を実現するために、自動運転技術への期待が高まっています。
 
 

今何ができるのか 自動運転の現在地

自動運転のレベルと法規制の現状

自動運転技術は、その高度化のレベルに応じて、レベル0からレベル5までの6段階に分類されます。レベルが上がるにつれて、自動運転システムが担う運転操作の範囲が広がり、ドライバーの関与が少なくなっていきます。
 
日本では、2023年4月に道路交通法が改正され、特定の条件下でシステムが全ての運転操作を行う「レベル4」の自動運転が解禁されました。これにより、限定された地域や状況において、無人での自動運転サービスの提供が可能となりました。
 
レベル0: 運転支援なし
レベル1: 運転支援(アクセルまたはブレーキ、ハンドルのいずれかをシステムが操作)
レベル2: 部分運転自動化(アクセルとブレーキ、またはハンドルとアクセルの組み合わせをシステムが操作)
レベル3: 条件付き運転自動化(システムが全ての運転操作を行うが、緊急時にはドライバーが対応)
レベル4: 高度運転自動化(特定の条件下でシステムが全ての運転操作を行い、緊急時にもシステムが対応)
レベル5: 完全運転自動化(全ての状況でシステムが全ての運転操作を行う)

 
 

具体的に何が許可されているのか?

レベル4の自動運転が解禁されたとはいえ、まだ全ての道路や状況で自動運転が可能なわけではありません。現在の法規制では、特定の条件を満たす場合に限り、レベル4の自動運転が許可されています。
 

限定された地域

警察庁の資料によると、「特定自動運行(自動運転)」を行えるのは高速道路や、地理情報が詳細に把握されている特定の地域など、システムが安全に走行できる環境が整っている場所とされています。
無人自動運転移動サービスの場合は、あらかじめ国土交通大臣が定めた基準を満たす区域である必要があります。
 

特定の状況

天候や時間帯など、システムが安全に走行できる条件が満たされている状況。
例えば、濃霧や大雪などの悪天候時は、自動運転が制限される可能性があります。
 

遠隔監視、操作

無人自動運転の場合は、遠隔地から監視・操作を行うオペレーターが必要です。
オペレーターには一定の教育が義務づけられています。
システムが異常を検知した場合や、緊急時には、オペレーターが遠隔から車両を制御します。
 
話題に上った今回の道路交通法の具体的な改正の内容は以下の通りです。
 
まず、「特定自動運行」を道路交通法 第二条十七の二で<道路において、自動運行装置(当該自動運行装置を備えている自動車が第六十二条に規定する整備不良車両に該当することとなったとき又は当該自動運行装置の使用が当該自動運行装置に係る使用条件(道路運送車両法第四十一条第二項に規定する条件をいう。以下同じ。)を満たさないこととなつたときに、直ちに自動的に安全な方法で当該自動車を停止させることができるものに限る。)を当該自動運行装置に係る使用条件で使用して当該自動運行装置を備えている自動車を運行すること(当該自動車の運行中の道路、交通及び当該自動車の状況に応じて当該自動車の装置を操作する者がいる場合のものを除く。)をいう>と定義しています。
 
また、「特定自動運行の許可等」として第四章の三では<特定自動運行を行おうとする者は、特定自動運行を行おうとする場所を管轄する公安委員会の許可を受けなければならない」とし、自動運転を行う場所を申請しなければなりません>と定めています。
 
運行の実施に関する詳細は警察庁が以下の資料にまとめています。
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/selfdriving/roadtesting/230403jidountendourosiyoukyokakijyun.pdf
 
 

現在、日本で実現可能なトラックの自動運転

このように、2023年4月から特定の条件下で、システムが全ての運転操作を行う「レベル4」の自動運転が解禁されました。これにより、トラック輸送においても、限定された地域や状況で自動運転が可能となり、実証実験が行われています。
 

高速道路での隊列走行

複数のトラックが隊列を組んで自動走行することで、空気抵抗を減らし、燃費向上やCO2排出量削減を実現します。同時に、ドライバーの負担軽減にもつながります。
工場や港湾施設など、限定エリアでの無人搬送: 決められたルートを自動運転で荷物を運ぶことで、作業効率の向上や人手不足の解消に貢献します。
実際に新東名高速道路では実証実験が行われています。
 

特定条件下での幹線輸送

高速道路など、特定の条件下で長距離輸送を自動運転で行うことで、ドライバーの負担軽減や輸送効率の向上が期待されます。
自動運転トラックを用いた幹線輸送実証実験が東京・大阪間の高速道路の一部区間で行われています。
 
 

未来のトラック輸送

政府や企業は、トラック輸送の自動運転技術の開発・実用化に向けた様々なロードマップを掲げています。
 

2025年までの高速道路でのレベル4自動運転

高速道路での隊列走行や、ドライバーが運転席を離れて休憩できるようなシステムの実現を目指しています。これにより、長距離輸送の安全性向上やドライバーの負担軽減が期待されます。
 

将来的には一般道での自動運転も

都市部や山間部など、様々な道路環境に対応できる自動運転技術の開発が進められています。これにより、物流のラストワンマイル問題の解決や、過疎地域への物流サービスの維持などが期待されます。
 

自動運転技術を活用した新たな物流サービス

ドローンや配送ロボットとの連携、AIによる需要予測や最適ルート選定など、自動運転技術を活用した新たな物流サービスの創出が期待されます。
 
 

自動運転が切りひらくトラック輸送の未来

以上のようにトラック輸送の自動運転が実現すると、物流業界の抱える様々な課題が解決し、効率的で持続可能な物流システムの構築が可能になると期待されています。
 

ドライバー不足の解消

自動運転技術の導入により、ドライバーの負担軽減や労働環境改善が進み、新たな人材の確保や定着率向上につながります。
 

物流の効率化

24時間365日稼働可能な自動運転トラックは、輸送効率を大幅に向上させ、物流コストの削減やリードタイムの短縮を実現します。
 

安全性の向上

自動運転システムは、人間の運転よりも正確かつ迅速に危険を察知し、適切な対応を取ることができます。これにより、交通事故の削減が期待されます。
 

環境負荷の低減

自動運転技術による燃費向上やCO2排出量削減は、環境問題への貢献にもつながります。
 
 
 

まとめ

トラック輸送の自動運転は、物流業界の未来を大きく変える可能性を秘めています。
岩瀬運輸機工も、この技術革新を積極的に注視し、お客様により安全で効率的なサービスを提供できるよう、日々努力を重ねてまいります。
 
岩瀬運輸機工について詳しくは《こちら》から