各地で気温が上昇し 段々と春の兆しが感じられるようになってきましたね
今年はすでに2月22日に「春一番」が到来していますが
言葉の美しさとは裏腹に 目も開けられない強風ですし
実際のところは春の訪れよりも寒さが刺さるような風物詩ですよね
この「春一番」とは
北日本と沖縄を除く、地域で発表されるということをご存知でしょうか
条件は 地域ごとに風速等少々異なりますが
気象庁では 立春(2/4頃)から春分(3/21頃)までの間に、
日本海で低気圧が発達し、広い範囲で初めて吹く、
前日より暖かく、やや強い南よりの風(7~8m/s以上)としています。
1859年 長崎県壱岐郡郷ノ浦町の郷ノ浦で
出漁中の船が春の強い突風によって転覆し、
53人が亡くなったと言われています。
その事故以後、
春の初めの強い南風を「春一」、「春一番」と呼ぶようになったとされ
それが一般に広く普及しました。
春の到来を告げる暖かな優しい風、
といったイメージの「春一番」ですが、
実のところ 急発達する低気圧を知らせる表現として
海難事故や航空事故を防ぐための
「防災上の警鐘」でもあるのです。
強風や突風は
海や空の安全を脅かすだけでなく
陸にも多大な影響を及ぼします。
聞きなれない言葉かもしれませんが、
風によって引き起こされる災害を「風害」と言います。
台風や低気圧による強風や竜巻、突風をはじめ
下降気流が地面に衝突した際に四方に広がる強い風が被害を引き起こすダウンバースト
地表付近の大気が渦巻上に立ち上る旋風により周囲の粉塵を巻き込む塵旋風
このような強力な風が 私たちの日常生活に大きな被害をもたらすことが少なくありません。
家屋の屋根や広告看板などの飛散や
飛来物や倒木によって人々や建物への被害も発生します。
電線の切断や電柱の倒壊によって 電力と通信のインフラへの影響、
農作物への被害といった強風を原因とする被害も「風害」に含まれます。
台風の到来を告げる天気予報を見れば
雨と風をセットで予防策や対応策を
台風の進路を見ながら準備する方も多いでしょう
ただ 他の災害要因と視覚的に「風」が弱いため
「風」単独で対策する一般の方は少ないかもしれません
しかし トラックやトレーラーなどのドライバーにとって
この「風害」対策は 切実かと思います。
あらためて この「風害」について見ていきたいと思います。
天気予報などで 強風の予測に「風速○○メートル」と発表されても、
いまいちどの程度の風なのかよくからない、という声が多くあります。
おおよその目安を覚えておくと 安全運転の判断の役に立つかと思います。
おおまかな風速の目安と匹敵する速度を挙げました
イメージしやすいのではないでしょうか
1.6~3.3m/s
顔に風を感じる。木の葉が動く
3.4~5.4m/s
木の葉や細かい小枝絶えず動く
扇風機の強レベル
5.5~7.9m/s
砂ぼこりが立ち,紙片が舞い上がる
8.0~10m/s
葉のある潅木が揺れ始める。池や沼の水面に波頭が立つ
10~15m/s → 36km/h~54km/h
風に向かって歩きにくくなる
傘がさせない、壊れる
取り付けの不完全な看板やトタン板が飛び始める
速さの目安は一般道路の自動車と同じくらい
15~20m/s → 54km/h~72km/h
風に向かって歩けず 転倒する人もでる
小枝が折れる
高速道路では横風に流される感覚が大きくなり、
通常の速度で運転するのが困難となる
20~25m/s → 72km/h~90km/h
身体を60度くらいに傾けないと立っていられず、
しっかりと身体を確保しないと転倒する
銅製シャッターが壊れ始める
風で飛ばされた物で窓ガラスが割れる
25~30m/s → 90km/h~108km/h
つかまっていないと立っていられない
樹木が根こそぎ倒れ始める
ブロック塀が壊れる
取り付けの不完全な屋外外装材がはがれ、飛び始める
屋根が飛ばされる
30m/s → 108km/h
雨戸または屋根が飛ばされることがある。
しっかりしていない家が倒れる
電柱が倒れることがある
35m/s → 126km/h
自動車や列車の客車が倒れることがある
40m/s → 144km/h
身体を45度に傾けないと倒れる
50m/s → 180km/h
木造家屋が倒れはじめる
樹木は根こそぎになる
60m/s → 216km/h
鉄塔が曲がることがある