トラック追突事故が起こる時の特徴や要因がわかったところで、事故を防止するための具体的な対策、行動についてお話しいたします。
まず第一に、運転中に眠気や疲れを感じたら、我慢や無理をせずにいったん休憩しましょう。長時間の休憩時間が確保できない時は、カフェインを摂取した直後に20分ほどの仮眠をとると、効果的な休憩になります。もしも30分以上の仮眠を取る場合には、目覚めた後に十分に眠気を取ってから運転を再開しましょう。
トラックの高速道での追突事故は、その約50%が走行距離100km未満に起こっています。それを踏まえて、高速道に乗ったら走行1時間以内で休憩を取ることがとても重要です。もしも渋滞などで遅延が生じても、焦らずに管理者へ連絡し、心の余裕を保ちましょう。
日常における自己管理も大切です。読者の皆さんもご存知の通り、適度な運動や健康的で栄養バランスの整った食事や、日々、十分な睡眠時間を確保することが、疲労をためずに健康を保つ秘訣です。その他にも、日頃から家族や同僚と危険な場面に遭遇した時の安全に関する情報や、健康に関する情報を共有することで意識を高めることも大切です。管理者とも、乗務前、乗務後点呼の際に同じように、健康状態や交通障害などの情報を共有しましょう。
走行中は、きちんと運転に集中するために車内の整理整頓を徹底することも、脇見運転を防ぐために重要です。伝票やルートマップを手にしたり、走行中に携帯電話を操作することは脇見運転につながります。ペットボトルやタバコなど、物が座席に散乱していると、走行中の揺れで落下した時に気を取られてしまい、危険です。
一般道での走行中にも言えることですが、必ず制限速度を遵守し、安全な速度を確保して運転することが「だろう運転」を防ぐために大切です。適切な車間距離を確保し、常に行く先の渋滞や故障者などの存在を意識して運転し、特に、カーブや豪雨、豪雪などの悪天候によって見通しが悪い場合には、普段よりいっそうの注意を払って運転しましょう。一般道では、高速道と違う種類の危険が潜んでいます。すぐに止まれるようにブレーキペダルに足を置き、早めのブレーキを心がけましょう。停止時には、不意な発信を防ぐため、再度ブレーキを引いておくのも良いでしょう。
疲労や眠気の有無で、速度や反応の速さが変化することや、一般車両に比べてアイポイントが高く、車間を見誤りやすいことも心に留めておくことで、危険を回避しやすくなります。
ドライバーの皆さんが自己管理に気をつけることで、多くの危険を回避できます。常に、あらゆる場面において危険が潜んでいることを意識し、走行中の環境を整えて運転に集中できる環境作りをすることが大切です。家族や同僚、管理者と日頃から風通しの良いコミュニケーションを行うことで、常に健康状態の共有を図り、自分でも気づかない隠れた疲労などに気づいてもらえる関係を築くことを心がけてください。