7月23日に開会式を迎えた東京2020オリンピックも 残すところあと僅かとなりました。
週末の8日(日曜日)が閉会式になるそうですが、この日は祝日の「山の日」にあたります。
今年は オリンピックの延期により 下記の通り国民の祝日が多く移動しましたね。
祝日名 例年
2021年の特例措置
海の日 7月の第3月曜日
7月22日(木曜日)
オリンピック開会式の前日
スポーツの日 10月の第2月曜日
7月23日(金曜日)
オリンピック開会式当日
山の日 8月11日
8月8日(日曜日)
オリンピック閉会式当日
※8月9日(月)は振替休日
何故国民の祝日が特例で移動したかというと
東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催期間中の
アスリート、観客等の円滑な輸送と、経済活動、
市民生活の共存を図るためだそうです。
オリンピック開会式の7月23日前後が4連休、
オリンピック閉会式の8月8日前後が3連休となることにより、
東京中心部の混雑緩和が見込まれるとのことです。
「2021年限定」の特例
上記のようにもともと祝日になるはずだった日は祝日ではなくなりますので
ご自身の手帳やカレンダーを見て「あれ?」と思われた方や
焦った方も少なくないでしょう。
祝日の移動に関する特別措置法が可決・成立したのは2020年11月27日
年末に近い時期の発表ということもありほとんどのカレンダーや手帳等は
対応に間に合わず 例年通りのまま印刷されたようです。
私の手帳も自分で訂正しましたが、
皆様はいかがでしたでしょうか
東京2020オリンピックの開催では
このように祝日までもが移動するという特別さを体感しましたが
それだけに留まらず 様々な競技場の建設やインフラ整備等が合わせて行われてきました。
新型コロナの影響がなかった以前の大会では
この国際的なスポーツの祭典は 開催国の発展を加速させる原動力となっていました。
観光産業の活性化や経済波及効果、雇用誘発数も見込まれ
自国の文化を世界に発信する機会にもなり
開催後もイメージアップやインバウンド需要が長期間にわたって喚起される傾向にありました。
では かつて1964年の東京オリンピックでは
どのような効果があったのでしょうか
1959年5月 東京でオリンピックが開催することが決定されてから
世界中のアスリート、スタッフ、メディア、
ファンや観光客を受け入れる国づくりがスタートしました。
まず交通網から見ると下記のようなインフラ整備が挙げられます。
・首都高速道路
・東海道新幹線(東京⇔新大阪)の開通
・羽田空港の増築
・モノレール(羽田空港線)の開通
現在行われているオリンピック競技場付近の道路では
ピンク色のラインが着色され、
オリンピック関係車両の優先道路/専用道路としていますが
1964年のオリンピックでは そもそもの道路づくり道路整備からの大仕事でした。
国立競技場のある神宮外苑と、開会式を行う駒沢オリンピック公園を結ぶ国道246号の整備をはじめ
代々木体育館や当時の代々木選手村付近、羽田空港付近の都心の要の道路、環状線の工事が急務とされました。
当時の世田谷区等は雑木林なども多く未舗装の道路がほとんどでした。
それをわずか数年で片側2車線で舗装された環状7号線により
劇的に交通事情をスムーズにさせ、マイカー時代をも加速させました。
首都高速道路は世界初の都市高速と言われています。
1964年のオリンピック開幕前に間に合わせようと
代々木を含む都心部と羽田を結ぶ約31.3kmを総力を結集して建設されました。
用地買収の時間を短縮するため
建設予定地は約80%が運河や川、又は道路等の公用地の上空が選定されました。
物議を呼び、現在地下化工事が進められている「日本橋」も
当時は 景観を守ろう!という声もあがらない程の劣悪な川の環境だったそうです。
2040年(予定)に美しい橋の披露が待ち遠しいですね!
大急ぎで建設された首都高速ですが
これによりオリンピック時の渋滞も解消され
世界に日本の都市高速道路をアピールできたそうです。
1960年の着工から60年、今でも都心の中心的道路として現役で
2回目のオリンピックをも支えています。
しかしながら オリンピックの有無にもかかわらず
都心部にかかわらず、あらゆる道路事情はこれからも
より安全に、よりスムーズにと進化して欲しいものです。