春ですね。
新しくトラックドライバーになった方はいらっしゃいますか?
今回はトラックドライバーの方が最初におさえておきたい基礎にあたる話です。
また、基礎というものは今後どんな状態になったとしてもとても大切です。
ベテランのトラックドライバー、トレーラドライバーの方も一緒に振り返ってみてはいかがでしょうか。
以下は物流の主役であるトラックのドライバーとしての役割や責任、運転マナーなど、真のプロドライバーとしてあるべき心構えをとりまとめたものです。
内容は、
①トラックドライバーとしての心得
②トラックドライバーの遵守事項
③体調と運転
の3つの基本を中心に構成しています。
トラックの輸送に従事されているドライバーの皆さんは、この内容をよく理解され、交通事故、労働災害の防止とお客様の荷物の安全に役立てていただきますようお願いします。
事業用トラックはトラック全体の約16%(約140万台)です。
トラックには、緑ナンバーの運送事業者(6万社以上)が保有する事業用トラックと白ナンバーの自家用トラックがあります。
わが国の7千8百万台以上の保有車両のうち、トラックは約878万台であり、そのうち事業用トラックは約140万台(トラック全体の約16%)です。
貨物輸送の主流を担うトラック
今日の国内貨物の輸送量の約91%がトラック輸送です。
事業用トラックは、トラック全体の輸送トン数の半分以上を占めています。
輸送距離も含めた輸送トンキロでみると、トラック全体の約87%です。
1日1台当りの輸送トンキロでは、自家用の28倍以上
自家用トラックは1トンの貨物を1日33キロしか輸送していません。
事業用トラックは1トンの貨物を1日950キロ輸送しており、自家用の28倍以上です。
円滑な物流が日本経済の大きな基盤になっていることを考えれば、プロドライバーが、まさに現在の日本経済を支えているといえます。
日本経済を支えるプロドライバーとしての誇りを持つとともに、貨物を安全・確実・迅速に輸送するという役割と使命をしっかりと認識する必要があります。
ライフラインを守るプロドライバー
物流は、電気・ガス・水道などと同じ、ライフラインの1つです。
トラック運送業界は、地震などの自然災害が発生した緊急時には、国や地方自治体と連携して、緊急・救援物資輸送を優先かつ迅速に行っています。
・平成7年1月の「阪神・淡路大震災」では、緊急・救援物資輸送に延べ4万台のトラックが出動。
・平成9年に日本海で沈没した「ナホトカ号」の重油流失事故では、重油回収用のドラム缶輸送など、延べ1千台のトラックが出動。
・平成16年10月の「新潟県中越地震」では、緊急・救援物資輸送に3ヶ月で延べ915台のトラックが出動。
大型車ほど死亡事故につながりやすいです。
保有車両台数1万台当たりの死亡事故発生件数は、事業用トラックは約4.5件で自家用トラックの約2.6倍、自家用乗用車の約5.6倍、バス・タクシーの事業用乗用車の約1.7倍になっています。
事業用トラックの人身事故1,000件当たりの死亡事故件数をみると、政令大型貨物車(車両総重量11トン以上、または最大積載量6.5トン以上)が約36.2件、大型貨物車が約14.8件であり、大型車ほど死亡事故になりやすい傾向にあります。
事業用トラックは一日の走行距離が長い分、事故に遭う確率も高いのです。
交通事故を起こさないという信念を持つ
トラック事故が発生すると、運送業界全体のイメージ低下にもつながり、トラックの重要な役割より、危険な業種というレッテルが貼られてしまいます。
交通事故は、会社にもドライバー自身にも大きな損失やさまざまな不幸を招くことを認識し、事故を起こしてはならないという強い信念をもつ必要があります。
環境への影響があります。
トラック輸送が日本経済の大きな基盤になっている一方で、排出ガスによる大気汚染や地球温暖化などの環境問題も発生しています。
ディーゼルトラックに関係する大気汚染物質には、窒素酸化物(NOx)、 粒子状物質(PM)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)などがあり、特に窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)は、人の健康に直接影響を及ぼすといわれています。
トラックから排出される二酸化炭素(CO2)も地球温暖化の原因となっています。
「エコドライブ」の効果
「エコドライブ」は、環境保全のためだけでなく、交通事故の防止や運行経費の節減、さらには資源の節減などさまざまな効果をもたらします。
特に「アイドリングストップ」は、エコドライブの中心となるもので、排出ガス減少や燃料節減につながります。
環境問題は、世界ベースで考えなくてはならない本当に大切な課題です。
私たち個人ができる内容は限られていますが、エコドライブを行うことですこしでも貢献できると良いですね。
引用参考:トラックドライバーとしての心構え