夏休みに入り、道路がたいへん混み合っていますね。
これからお盆休みになりますから、更なる混雑が予想されます。
普段運転をされない方も多くいらっしゃいますから、プロのドライバーである皆さんもより気を引き締めて安全運転するようにしましょう。
物流の主役であるトラックドライバーに課せられた社会的責任、すなわち安全運転を継続的に遂行するための基礎知識を取りまとめました。
内容は、
①トラックの基礎知識
②トラックの特性と運転
③積み荷と運転
④危険を回避する運転方法
の4つの基本を中心に構成しています。
トラック輸送に従事されているドライバーの皆さんは、交通事故の防止に役立てていただくようお願いします。
運転免許の種類
①運転免許の種類によって運転可能な自動車、自動二輪車、原動機付自転車は道路交通法で決められています。
②トラックを運転する場合、大型自動車免許を受けていれば、大型・中型・普通・小型・軽トラックと多様な用途に応じたトラックの運転が可能です。
③大型免許の受験資格は21歳以上かつ運転経験3年以上、中型免許の受験資格は20歳以上かつ運転経験2年以上と道路交通法で定められています。
けん引免許
①大型自動車、中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車のいずれかで他の車をけん引する時は、けん引する自動車の種類に応じた免許の他にけん引免許が必要です。
②ただし、車両総重量が750kg以下の車をけん引する時や、故障車をロープでけん引する時は、けん引免許は必要としません。
車両制限令による最高限度
①道路法第47条で「車両制限令に定める車両の幅、重量、高さ、長さ又は最小回転半径の最高限度を超えるものは、道路を通行させてはならない」と定められています。
②最高限度を超える特殊車両の通行は道路管理者に申請しましょう。
特殊車両通行の際の確認事項
①特殊車両通行許可証が車両に備えられていることを確認します。
②車両総重量が20トンを超えるトラックを運行する際には、車体の前面に標識が表示されていることを確認しましょう。
道路による法定最高速度
道路標識や標示で最高速度が示されている場合
標識や標示で最高速度が示されている場合はその速度が最高速度であり、その速度を超えて運転してはいけません。
道路標識や道路標示で最高速度が示されていない場合
①標識や標示で最高速度が示されていない一般道路では、トラックの種別に拘わらず全て速度は60km/hです。
②自動車専用道路及び中央分離帯のない高速自動車国道でも、トラックの種別に拘わらず速度は60km/hです。
③高速自動車国道の最高速度は、車両総重量8トン以上のトラック及びトレーラは速度80km/h、車両総重量8トン未満のトラック及び軽トラックは速度100km/hです。
運転席の高さと視界との関係
①トラックは運転席が乗用車に比べて高い位置にあり視界が広いです。反面、運転者は前方を上方から見下すような視野での運転となります。
②前車との車間距離は長く感じやすく、実際の車間距離が短くなります。
③そのためトラックが起こす事故のなかで、とくに追突事故が多くなっているのです。
追突事故を防止する運転追突事故防止のため、以下のチェックを行いましょう。
・前車に接近し過ぎていないか?
・スピードを出し過ぎていないか?
・交差点では前車の減速や停止に注意しているか?
・周囲の車の動静に注意しているか?
トラックは内輪差が大きい
①車長の長いトラックは、乗用車よりもホイールベースが長く内輪差も大きいです。
②内輪差が大きいため「左折時に左側方の歩行者やバイクを巻き込む事故」を起こしやすいのです。左折時には歩行者やバイクの動静をよく注意して運転しましょう。
狭い道路への左折時車体がふくらむ
①トラックは内輪差が大きいため、狭い道路へ左折する時、大きくハンドルを右に切り、センターラインをはみ出して左折することがあります。
②これは道路交通法違反であり、予め道路の左端に寄り左折しましょう。
右折時は車体後部がオーバーハングする
トラックは右折時にオーバーハングし、車体後部が外側に振られ後続車に接触する恐れがあります。この点を十分注意して運転しましょう。
高速道路も含め、混雑は続くでしょうから、道路だけでなくパーキングエリア内での事故にも気を付けましょう。
皆さんにとって安全な輸送になることを願っております。