もうすぐ夏も終わりですね。
今年はたくさんの雨が降るタイミングが多かったですが、ドライバーの皆さんはどのようなことに気を付けて運転をしましたか?
どんな時も安全に運転できるように、積荷への注意や車両のメンテナンスは特にきちんと行うようにしましょう。
過積載をすると制動距離が長くなる
①定量積載のトラックの制動距離に対し、過積載状態では制動距離が長くなるといった測定データがあり、過積載状態が危険であることは明らかです。
②また、過積載時は定量積載時に比べ、衝突事故時の衝撃力も大きく死亡事故や重大事故につながる可能性が高いのです。
過積載をするとバランスを崩しやすい
①過積載をすると、一般的に高積みとなり左右のバランスを崩しやすい。カーブ走行では、対向車線へのはみ出しや横転する恐れがあります。
②下り坂では定量積載時に比べスピ-ドが出ます。このためブレーキへの負担は増し、過熱してブレーキが効かなくなるフェード現象を引起こす恐れがあります。
排気ガスによる大気汚染
①ディーゼル車は馬力があり、耐久性や燃費に優れていますが、自動車排出ガス中の窒素酸化物(NOx)の約8割、粒子状物質(PM)の全てを出します。
②過積載運転をすると低速ギアでの高回転走行が多くなり、汚染物質が通常の走行時より多く排出され、大気汚染の原因となります。
車両や路面への悪影響
①低速ギアでの高回転走行により、燃料・オイルのムダ使いになるばかりか、エンジン音が大きく騒音公害の原因となります。
②タイヤヘの負担は相当大きく、タイヤの磨耗のみならず車両の寿命を縮める原因となります。また道路や橋へのダメージも少なくありません。
運転者に対する罰則
①過積載運転をすると、程度に応じて右の表の違反点数や反則金が運転者に対して課せられます。
②大型車を運転して10割以上の過積載をした場合には、それだけで違反点数が6点となり、免許停止処分になるとともに、反則金という行政処分ではなく、「6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金」という刑事処分を受けることになります。
車両の停止と積載物の重量測定など
車両が過積載と認められる場合は、警察官により車両の停止と自動車検査証や制限外許可証などの提示を求められ、積載物の重量測定が行われます。
過積載車両への措置命令及び通行指示
①過積載に対する警察官からの措置として「過積載分の積荷をおろす」、「代車に積み替える」などが命ぜられます。
②過積載車両からその場で「荷をおろす」ことができない場合には、警察官から通行区間や経路、その他危険防止に必要な措置を受け、「通行指示書」が交付されるのでその内容に従って運行しましょう。
積載制限の内容
積載制限を超えて荷物を積んだり、荷台に人を乗せて走行してはいけません。ただし、荷物の看守のための必要最小限の人を荷台に乗せることは可能です。
分割できない荷物を運ぶ場合
荷物を分割することができないため、積載制限を超えてしまう場合には、以下の条件を遵守する条件で、出発地の警察署長の許可を得れば制限を超えて荷物を積載し、運行することが可能です。
①荷物の見えやすいところに次のものを付けるようにしましょう。
・昼間:0.3m2以上の赤色の布
・夜間:赤色の灯火又は赤色の反射器
②車両前面の見やすいところに許可証を掲示しましょう。
③その他道路における危険防止上の必要事項。
運転特性と積み付け位置
①積み荷の積み付け位置が荷台中心にある時が最も安定した運転が行えます。
②複数個の積み荷全体を総合した重心の位置は、トラックの荷台の中心位置に近付けることにより、積み荷を安定して運搬できます。
前に偏った積み付けの例
下り坂の走行時や急ブレーキをかけた時に、制動力不足となる恐れがあります。
左右に偏った積み付けの例
カーブ走行時、右左折時、傾斜路面走行時に横転する恐れがあります。
後部に偏った積み付けの例
前輪荷重が不足しハンドル操作に影響を及ぼす。発進時や登り坂の走行時、踏切通過時に、車体前部が持ちあがる恐れがあります。
カートン・木箱などの数物の雑貨の場合
カートンケースに印刷された一般貨物の荷扱い指示マークに従って、積み付けや取扱いを行いましょう(JISでは19種類のマークが定められています)。
同一寸法のカートン・木箱を積み付ける場合
①積み重ねる段ごとに交互に積み付けを変え、荷崩れを防止しましょう。
②パレット積みの場合は、レンガ積みやピンホール積みが適しています。
1個当りの重量が大きい機械・鉄鋼製品や長尺物の場合
円形断面の長尺貨物(コイル、大口径管等)の積み付けには、転がり防止対策のために「歯止め」を用いることが必要になります。
積荷の内容によって、様々な制約があります。
荷崩れを防止する対策を取ることは、ドライバーの皆さんにとっても安全運転に繋がります。
運転中に気になる点があるようでしたら、安全な場所で確認するようにしましょう。