トレーラには様々な形態があります。
そのトレーラに対して、定められた法令があります。
トレーラ連結車の総重量の特例の引上げ
平成15年10月より、安全性を確保しつつ物流を効率化するため、分割可能な貨物(いわゆるバラ積み)の輸送に関して、特殊車両通行許可の許可限度重量の引き上げと基準緩和の認定が受けられるようになりました。
トレーラであれば一度にたくさんの物を動かすことができますね。
平成15年の規制緩和の内容は以下になります。
A.通行条件の規制緩和として「特殊車両通行許可の許可限度」が引き上げられ、バラ積み輸送する基準緩和セミレーラについても、連結車両総重量44トンを上限とし、必要な条件(B条件等)を附して通行が許可されるようになった。
B.車両本体の規制緩和として「基準緩和自動車の認定要領」が変更になり、バラ積み輸送する基準緩和セミトレーラについて、輸送物品の重量に応じ、車両の構造・装置の限界および車両総重量36トンを超えない範囲で、基準緩和の認定が受けられるようになった。(幅および長さの基準緩和車両は規制緩和の対象にならない。)
C.この規制緩和は、バラ積み輸送する特殊車両(特例8車種)に限られる。
D.上記の条件を満たし、特殊車両通行許可証の交付を受けることが前提となる。
通行条件の規制緩和として(特殊車両通行許可の変更関係)
トラクタ+セミトレーラを連結した状態
①一般道路における規制緩和
分割可能な貨物を積載する特殊車両(特例8車種)の許容限度重量については、現行のA条件(条件を附さない)の範囲から、今後は、44トンを上限として、必要な条件を附して通行可能とする。
②高速自動車国道等における規制緩和
分割可能な貨物を積載する特殊車両(特例8車種)の許容限度重量については、現行のA条件の範囲から、今後は、一定の要件を満たす場合は、44トンを上限として通行可能とする。
車両本体の規制緩和として(基準緩和自動車の認定要領の変更関係)
セミトレーラ単体の状態
基準緩和自動車の認定関係
ア.従前は、長大又は超重量物で分割不可能な単体物品の輸送のみ可能。
イ.変更後は、ア.に加え分割可能な貨物についても、車両総重量36トンを上限として、基準緩和の認定が可能となった。(特例8車種に限る。)
ウ.基準緩和の認定には、2年の期限が付される(更新可能)。
エ.新たな基準緩和認定を受けた場合は、最大積載量の変更を生じ「構造等変更検査」を受けなければならない。
[特殊車両(特例8車種)]
特殊車両の特例8車種とは下記の車両に限られます。
バラ積み輸送に関し特に留意すべき事項
A.最高速度制限を遵守するとともに、カーブ、坂道等道路状況に適応した安全な速度により運行すること。
B.過積載運行および過労運転の防止の徹底を図ること。
C.特に、積載物品の個別の重量、個数、発送伝票を携行すること等により、積載重量を把握できるようにすること。
D.荷崩れを起こしたり、事故の際に積載物品が散乱することのないよう、貨物の種類に応じ、偏荷重が生じないような積載を行うほか、積載物品の確実な固縛、シート掛け等飛散防止措置を行うこと。
E.日常点検整備および定期点検を確実に実施すること。
とくに高速道路を運行する場合には、高速運行を考慮した点検・整備を入念に行うこと。
F.基準緩和の認定に際して付された保安上の制限を遵守するとともに、道路交通法および道路法等関係法令の規定を遵守し、違法な状態で運行することがないようにすること。
セミトレーラ連結車
セミトレーラ連結車には、車両制限令で長さの特例が認められています。
高速自動車国道・16. 5m
(積載する貨物が被けん引車の車体の前方又は後方にはみ出していないもの)
指定道路、その他の道路・12m
(これを超える車両は、特殊車両通行許可が必要です。)
フルトレーラ連結車
平成5年11月の車両制限令の改正で、フルトレーラ連結車についても、積載物の如何にかかわらず、総重量の特例(適用車種)がセミトレーラ連結車と同様に適用されることとなりました。
フルトレーラ連結車についても、平成5年11月の車両制限令の改正で、長さの特例が新設されました。
高速自動車国道・18m
指定道路、その他の道路・12m
(これを超える車両は、特殊車両通行許可が必要です。)
トレーラは安全な範囲内で、できる限りの物流効率化を図っているのです。
引用参考 安全輸送のための積付け・固縛方法