トレーラが大型化することによるメリットはたくさんあります。
トラックやトレーラドライバーの皆さんや、経営者のかたには「知っておきたい情報」のひとつですね。
道路運送車両法(道路運送車両の保安基準) と道路法(車両の通行の許可の手続き等を定める省令)の一部改正により、車両をさらに大型化できる可能性が生まれ、「輸送の効率化」「運行コストの削減」「ドライバー不足への対応」「道路交通混雑の緩和」「環境対策」の効果が期待されます。
一方で、初めてトレーラを導入する場合には、注意すべき点もあります。
ここでは、車両の大型化を検討する際に参考となる考え方や留意点を整理します。
1、積載量の増加
トレーラの大型化によって、積載できる重量あるいは容積を増やすことができます。
2、運行コストの削減
一度に積載できる貨物が増えることにより、運行回数が減少することに伴い、燃料費、人件費、高速料金、その他管理費等の運行コストの削減が期待できます。
3、環境対応 co排出量の削減=エネルギー使用量の削減
車両の大型化により、運行台数を減らすことができればCO2排出量の削減が見込め、環境保全に貢献できます。また、省工ネ法(工ネルギーの使用の合理化に関する法律) によって大手荷主にも排出CO2の削減が義務づけられており、運送事業者にとっては、 車両の大型化によるCO2排出量の削減をアピールすることができます。
エネルギーの使用の合理化に関する法律
年間3.OOO万トンキロ以上の輸送を行う事業主または2OO台以上のトラックを保有する運送事業者は、工ネルギー使用量の報告と共に毎年1%の削減が義務付けられています。また、その他の事業者、運送事業者についても同様の努力義務が課せられています。
トラックドライバーは他の産業と比べて長時間労働・低賃金となっていること、また就業者は中高年齢層の占める割合が高く、若年就業者の割合が低いことなどを背景に、中長期的にトラックドライバーの人材不足が懸念され、人材確保・育成が差し迫った課題となっています。
車両の大型化により運行台数を減らすことができれば、今後より深刻になるドライバー不足への対応にもつながります。
また、トレーラ輸送はトラクタと切り離すことが可能で、ロ継地点でつなぎ直す中継輸送や、トレーラ(貨物)だけフェリーに積み込むフェリー輸送に活用されています。これまで長距離を運転していたドライバーは、ロ継拠点までの往復運転で済むようになり、拘束時間短縮が図れることや、車両の寝台ではなく、自宅に戻って休息できることなどのメリットがあります。また、事業者にとっても労働環境の改善に役立てることができます。
トレーラを複数の運送事業者間で相互に使用することができます。
その際には、協定書等により下記の内容等を定めておく必要があります。また、事業用自動車の相互使用を協定書等の締結により行う場合には、事業用自動車の数の変更届が必要です(事前届出を要しない)。
1、荷主へのアピール
荷主に対して以下の点をアピールでき、新たなチャンスに繋げることができます。
・積載効率の向上と輸送数量の増加
・バリ工ーション豊富な車種をそろえていることの強み
・CO2排出量の削減ニエネルギー使用量の削減
・コンプライアンスを遵守する (過積載をしない) 適正事業者
2、新型トレーラ導入による安全性の向上
自動車 (バス、トラック及びトレーラ)に備える制動装置について、平成25年8月及び平成26年2月に国連の「制動装置に関わる協定規則(第13号)」を採用し、道路運送車両の保安基準等が改正されました。これにより、トレーラへの車両安定性制御装置搭載の義務化が次ページの日程で施行されます。トレーラはより安全に走行できるようになっています。
3、タイヤのリフトアップ機能
トレーラには、3軸車両の2軸をリフトアップする機能を付けることができます。
これにより、高速道路料金が特大車区分から大型車区分になり、通行料金を軽減することが可能になります。また、リフトアップすることでタイヤの摩耗が減り交換サイクルを長引かせることができたり、燃費向上も図れるというメリットがあります。(ただし、空車又は空車に近いときだけ使える機能であり、トレーラ側の工アサスが必要条件となります。)
大型化することによって、従来の運転の仕方や交通の場所などが異なるかもしれませんが、以上のメリットをきちんと踏まえて考えたいですね。