本日12月24日はクリスマスイブ、明日25日はクリスマスです。
街はキラキラと輝き、昨年とは打って変わって百貨店や家電量販店では多くの人で賑わっています。
新型コロナウイルス禍の自粛生活の反動による「リベンジ消費」の後押しと、まだまだ続くであろう「巣ごもり需要」もあり、クリスマスギフト商戦は売れ行きが好調だそう。
この熱い盛り上がりのなか、プレゼントの主力商品のひとつであり子供たちに大人気のゲーム機も大打撃が。
以前に「半導体不足とその影響」を紹介しましたが、まさに今コロナ禍でおもちゃ業界にも影響が出ています。半導体などの部品不足により生産が抑えられ、品薄の状態が続いています。
この品薄状態は2022年も続く見込みで、在庫がある時に買っとくのがよさそうです。
コロナ禍による物流網の影響は、半導体だけでなく私たちの身近なところでも感じるようになりました。
それは食生活です。
大手ファストフードチェーン店の「マクドナルド」のフライドポテトに関するニュースはご存知でしょうか。
マクドナルドはポテトの輸入が遅れているため、フライドポテトの販売を一時的(12/24~30)にSサイズのみに販売すると発表しました。
(※2022年1月9日より1か月程度を目途に、MおよびLサイズを一時販売再休止が決定。/ 2022年1月12日更新)
消費が増えるクリスマスを前に一部ファンの間では動揺が広がり、ポテトショックと呼ばれています。
こうしたポテトショックはマクドナルドに限らず、他の企業でも起きています。
今回はポテトショックから見る物流遅延の背景と物流網の乱れを解説したいと思います。
日本マクドナルドではフライドポテトの原料となるジャガイモをバンクーバー近郊の港湾経由で北米から大規模輸入を行っています。
しかし11月中旬、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州で2日間の集中豪雨が発生。
記録的大雨による洪水と土砂崩れに見舞われ、州では全域に非常事態を宣言しました。
国内最大の港であるバンクーバー港発着の鉄道貨物輸送が全面的に停止、物流が混乱しました。この洪水被害により様々な面で輸入が遅れています。
アメリカ・カリフォルニア州の港では労働不足・パンデミックによる影響で、多くにコンテナ船が入港待ちとなっています。アメリカをはじめとする欧米諸国では新型コロナの影響でロックダウンが長期的に行われました。これによる職場閉鎖と経済悪化で労働者が不足、製造と生産に遅れが出たと言われています。
いま世界的に物流業界は深刻な人手不足。急増した需要に供給が追い付いていません。
日本でもドライバーの高齢化と若手ドライバーの減少により、長時間労働や体力的負担が大きいイメージが強く、採用が難航しています。
年末商戦で繁忙期を迎えるにあたり、倉庫の仕分け作業スタッフの求人が増加。
日本経済新聞によると、求人サイト「エン派遣」における軽作業職の時給は前年同月比で40円(3.4%)高く、最低賃金が引き上げられた前月からも26円(2.2%)上昇したといいます。(参考:日本経済新聞)
物流会社の人手不足解消に向けた取り組みが進められていますが、人手不足は長期的な課題となるでしょう。
こうした物流網の乱れはいつまで続くのでしょうか。
次々と港に到着し停滞するコンテナ船とは対照的に感染対策による港湾作業員不足。
作業効率により海上輸送は日に日に遅れをとっています。秋頃に感染状況が落ち着いてきたように見えましたが、オミクロン変異株の出現で雲行きが怪しくなっています。
この代替方法として使われているのが、航空輸送です。海上輸送に比べるとコスト高にはなりますが、できるだけ早い供給ができるため人気です。しかし空港検疫の体制強化により貨物遅延が発生中。いずれの手段も大幅に遅れており、少なくとも2022年の中国の春節が終わるまでは現在の状況が続く見通しです。状況によって23年まで継続するという見解もあります。