トラックやトレーラドライバーの多くの皆さんは、日々事故に気を付けていらっしゃるかと思います。
普段、プライベートでも車を運転する方も、たまに乗るという方も、多くは安全に運転されていますよね。
どんなに気を付けていても、なにかの拍子に事故は起こってしまいます。
しかし、過去の事故の系統から、今後の事故を予測し、すべてではありませんが回避することもできます。
事業用貨物自動車(軽自動車を除く)が第1 当事者となった死傷事故の傾向は次のとおりです。
死傷事故全体の発生件数は、平成 19 年の 27,356 件から平成 28 年には14,600 件と、10 年 間で12,756 件(46.6%)減少しており、なかでも平成22 年以降は連続して減少しています。
第1 当事者種別では、平成19 年から平成28 年の10 年間で、大型は1,206 件、中型は2,400 件、普通は9,150 件、それぞれ減少しています。
事故類型別の死傷事故件数は、平成 19 年から平成28 年の10 年間で、車両相互 11,820 件、 人対車両 711 件、車両単独 223 件と、それぞれ減少しています。
発生件数の多い事故類型は車両相互であり、平成19 年以降、90%以上を占める状況が続いています。
平成 28 年の道路区分別・事故類型(詳細区分)別の死傷事故件数は、死亡事故では、対 歩行者89 件(うち高速道路4 件、一般道路85 件)、車両相互140 件(うち高速道路27 件、一般道路113 件)、車両単独29 件(うち高速道路8 件、一般道路21 件)となっていま す。
一方、重傷事故では、対歩行者 205 件(うち高速道路 4 件、一般道路 201 件)、車両相互 812 件(うち高速道路 83 件、一般道路 729 件)、車両単独 43 件(うち高速道路 15 件、一般 道路28 件)となっています。
また、軽傷事故では、対歩行者 618 件(うち高速道路 5 件、一般道路 613 件)、車両相互 12,565 件(うち高速道路1,205 件、一般道路11,360 件)、車両単独98 件(うち高速道路32 件、一般道路66 件)となっています。
平成28 年の死傷事故のうち、事故類型詳細区分別で発生件数が多い10 項目は、追突-駐・停 車中6,571 件(45.0%)、出会い頭衝突1,392 件(9.5%)、追突-進行中1,066 件(7.3%)、 左折時衝突879 件(6.0%)、右折時衝突754 件(5.2%)、進路変更時衝突 663 件(4.5%)、 追越・追抜き617 件(4.2%)、後退時衝突534 件(3.7%)、横断中561(3.8%)、正面衝突186 件(1.3%)で、このうち追突の合計は、駐・停車中と進行中を合わせて7,637 件(52.3%)と、 死傷事故全体(14,600 件)の半分以上を占めています。
平成 28 年の死傷事故のうち、高速道路における事故類型詳細区分別の発生件数が多い 10 項 目は、追突-駐停車中552 件(39.9%)、追突-進行中 412 件(29.8%)、進路変更時衝突 176 件 (12.7%)、追越・追抜き64 件(4.6%)、駐車車両19 件(1.4%)、工作物衝突(防護柵等) 17 件(1.2%)、後退時衝突 15 件(1.1%)、工作物衝突(分離帯)7 件(0.5%)、左折時衝突 4 件(0.3%)、横断中4 件(0.3%)で、このうち追突の合計は、駐・停車中と進行中を合わせて 964 件(69.7%)と、高速道路における死傷事故全体(1,383 件)の7 割近くを占めています。
平成 28 年の運転者年齢別・事故類型別の死傷事故件数は、45-49 歳 2,464 件(16.9%)、 40-44 歳 2,286 件(15.7%)、50-54 歳 1,803 件(12.3%)、55-59 歳 1,542 件(10.6%)、 35-39 歳1,507 件(10.2%)となっています。
また、40 歳から49 歳を合計すると4,750 件(32.5%)となり、さらに40 歳から 59 歳を合 計すると 8,095 件(55.4%)となっています。
平成28 年の運転者年齢別・事故類型別の死傷事故件数の構成率は、車両相互のうち追突で は、24 歳以下57.6%、25-29 歳58.1%となり、30 歳未満の割合が高くなっています。
一方、車両相互のうち出会い頭衝突は、65 歳以上11.9%、30-34 歳11.6%、60-64 歳10.5% となり、同じく左折時衝突は、45-49 歳7.4%、50-54 歳7.3%で、同じく右折時衝突は、65 歳 以上6.5%、5-29 歳6.3%となっています。
また、対歩行者は、55-59 歳 7.7%、60-64 歳 7.5%、65 歳以上 7.0%となり、55 歳以上の 割合が高くなっています。
平成 28 年の運転者年齢別・第1当事者種別の死傷事故件数は、大型では、45-49 歳 1,121 件、40-44 歳 1,004 件、50-54 歳830 件となっており、中型では、45-49 歳 1,063 件、40-44 歳 997 件、50-54 歳 754 件で、普通では、24 歳以下 365 件、40-45 歳 285 件、45-49 歳 280 件と なっています。
構成率でみると、大型は、50-54 歳で46.0%、45-49 歳で 45.5%、40-44 歳では43.9%と、 40 代から54 歳以下での割合が高く、中型は、65 歳以上で49.9%、30-34 歳で49.0%、25-29 歳で47.9%など、24 歳以下を除いてどの年代でもほぼ半数を占めています。
一方、普通は、24 歳以下で 55.7%、25-29 歳で24.8%と、若年層の割合が高くなっています。
このように、第 1 当事者の種別によって、運転者の年齢層が異なっています。
過去のデータを確認していくことで、さまざまなことがわかりますね。
ドライバーの皆さんは、より気を付けて、そして事故に合わないように安全運転を行っていただければ幸いです。
引用参考:事業用貨物自動車の交通事故の傾向と事故事例(平成28年分)