目次
「医療機器」とは医薬品医療機器法で「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等」と定義されています。
具体的には、医療目的で使用される機器、器具、装置、材料、薬剤、ソフトウェアなどを指します。これらの機器は、疾患の予防、診断、治療、回復、緩和、または障害の補助などの目的で使用されます。
医療機器は、心臓ペースメーカー、CTやレントゲン装置、手術器具、検査機器、医薬品デリバリー装置、医療用ロボット、医療用画像処理装置など多岐にわたります。医療機器は、高度な技術と品質管理が必要であり、医療従事者や患者の安全性を確保するためにPMD法により厳しく規制されています。
ページ内にPDM 法の記載
2014年11月25日、日本の薬事法(PALとも呼ばれます)が改正され、「医薬品、医療機器、再生および細胞療法製品、遺伝子治療製品、および化粧品の品質、有効性、安全性の確保に関する法律」(PMD法)に改称されました。
医療機器は人体に与えるリスクの程度に応じてクラス分けされています。レベルが高くなるほど繊細な機器ですので、管理には十分気をつける必要があります。
クラス1 一般医療機器:不具合が生じた場合でも、リスクが極めて低いと考えられている医療機器で、通常の製造管理によって安全性が確保されるものです。例えば、絆創膏、温度計、綿棒などがあります。
クラス2 管理医療機器:不具合が生じた場合でも、比較的リスクが低いと考えられている医療機器です。例えば、心電図装置、血圧計、人工関節、メスなどがあります。
クラス3 高度医療機器:不具合が生じた場合、リスクが高いと考えられている医療機器で、病気の予防、診断、治療などに重要な役割を果たしています。例えば、人工心臓、脳神経外科用インプラント、人工肝臓などがあります。
クラス分類は、医療機器のリスクレベルに基づいて決定され、医療機器の安全性と有効性を確保するために使用されます。医療機器のクラス分類に応じて、製造業者は、異なるレベルの品質管理、規制遵守、審査、認証を行わなければなりません。
医療機器を輸送する際には、慎重な取り扱いが必要です。医療機器の輸送・搬入で気を付けるべきポイントは以下の通りです。
適切な梱包:医療機器は、とてもデリケートなため、衝撃や振動から保護する必要があります。通常のトラックで輸送すると、その振動に耐えられず破損してしまったり不具合が生じてしまいます。輸送中に機器が移動したり、落下したりしないように、梱包材の選択には十分注意する必要があります。
温度管理:医療機器や体外診断用医薬品において温度管理が必要となる製品があります。特に、輸送中の温度が機器の効力や効果に影響を与える医薬品やバイオ医薬品などは、適切な温度帯内での輸送が必要です。冷蔵装置や冷凍装置を備えた車両を選びましょう。
保護:人命を左右する医療機器は、精密かつ繊細なため、輸送時には高度な緩衝・包装が必要とされています。医療機器を構成する部品の形状に合わせ、 保護フィルム、段ボール、クッション材などの保護材料を使用することが推奨されます。
万が一の破損に備える:梱包を厳重に行い、細心の注意を払って輸送に臨んでも、自然災害や事故など予期せぬトラブルが起こることもあります。このような事態に備えて、運送業者の多くは貨物保険(運送業者貨物賠償責任保険)に加入しています。貨物保険には、主に2種類あります。
オール・リスク担保条件
雨濡れ、汚れ、破損、盗難、不着等、偶然な事故によって生じた損害を補償する
特定危険補償条件
火災や爆発、車両の事故により生じた損害を補償する
運送業者を利用する際は、保険に加入しているかどうか、また補償内容について確認しておくと安心です。
医療機器は繊細かつ高額であるため、適切な車両選びが大切です。業者を選ぶ際は、精密機器を運ぶことができるトラックの種類は?その数はどれくらいあるのか?確認しましょう。
標準的な温調エアサス車。湿気を嫌う絵画などの輸送にも適切。
超精密機器、絵画、電子部品など、多彩な使い方が可能。
大型製品を難なく積み込めるコンテナを牽引します。 設定温度から0.3度以内を保持、また湿度は40%以下を保持します。 船内電源が使用可能な空調システム、車両位置を把握できる車両稼動システムを搭載しています。
床全体が移動する仕組みになっており、精密機器の木箱に対処が可能です。
岩瀬運輸機工ではこのエアーサスペンションを搭載したトレーラーを全18両保有しております。大小さまざまな精密機器・医療機器の輸送に柔軟に対応できるよう、幅広い車両や設備を取り揃えています。
現在、精密機器輸送では多くのケースで特殊なトラックが使われます。これらの輸送車両を一般的に「エアサス車」と呼びます。エアサスとは、「エアーサスペンション」の略です。空気のバネ(サスペンション)で車体の高低を調整し、走行中の衝撃(道路上の凸凹など)を和らげるクルマ専用の装着部品を指します。
衝撃や振動に弱い精密機械を守りトラックが常に水平に保てるように、荷台の車高を特殊なセンサーが探知してくれたり、突発的に発生する衝撃をおさえたり、荷崩れを軽減する仕組みがなされたサスペンションです。高さを調節できるため、荷物の積み降ろしや、乗車人数の変化に合わせて車高を調整することができます。このため、トラックやバスなどの大型車両に採用されることが多く、長距離運行や乗り心地の重視される用途に適しています。
また内部の温度を管理するのに適しているため、気温の変化を受けやすい精密機器の輸送に適した車体です。
弊社は医療機器をはじめとした、精密機器の運搬・輸送に特化したプロ集団です。一般の物流会社では扱っていない超精密重量機器の輸送・搬入・据付を得意としており、多くの実績を持っております。
これまで輸送した装置としては、MRI、CTスキャン、高気圧酸素治療装置、診察台、介護用入浴装置、レントゲン装置などがあります。これらの精密装置を、製造工場から使用する場所に運び設置しています。
設置作業は国内外で教育訓練を受けた資格取得者が高度な技術と豊富な経験を生かし、搬入より設置まで安全で確実なサービスを提供いたします。
こちらのページでは、これまで弊社が手がけてきた医療機器の輸送・搬入・据付事例を紹介しております。機械の特徴、その機械だからこそ発生した課題、解決策およびプランニング内容、当日までの流れ、当日の様子などをお伝えいたします。
「医療機器を運びたい」「海外輸送をしたい」「安全で確実な輸送をしたい」お客様、「うちの大型機械も運べるの?」そんな疑問を持たれた方も、まずはご相談ください!
医療機器は、振動や衝撃に弱く、不具合を起こすと人体に影響を与える可能性もあります。デリケートで高額な製品が多く、取り扱いには最大限の配慮が必要です。安全な輸送を実現させるためには、エアサスペンションなどの装備をもつ積載車を多数保有していることもポイントとなります。 管理や取り扱いの面でより安全に医療機器を輸送することができます。
岩瀬運輸機工では、重量があり大型の医療機器の輸送も可能です。お気軽にお問い合わせください。