8月に入り、うだるような猛暑が日本全土を襲っています。
青空が広がっていたのに 急に天候が変化し スコールのような大雨が降るといった南国のような気象変化も この数年頻繁に起こるようになってしまいました。
集中豪雨が日本国内各地で続発した2008年夏以降、
予測が難しく,局地的で突発的に襲う局地的な大雨に「ゲリラ」という名がつけられ,
「ゲリラ豪雨」という言葉が一般に広く使用されるようになりました。
気象学的には明確な定義付けがなされていないにもかかわらず、
その現象は頻度が増し、気象庁の正式名称の「局地的大雨」よりも耳にするようになりました。
さて この突発的なゲリラ豪雨などが頻発する夏
運転に重大な影響を及ぼす「ハイドロプレーニング現象」に
細心の注意を払わなくてはなりません。
このハイドロプレーニング現象の予防策について
見ていきたいと思います。
タイヤ溝が減ると、路面とタイヤ間の排水性が低下して滑り易くなります。
溝の深さが 1.6mmまで減るとタイヤの溝内に あらかじめ法規内の限界を表す「スリップサイン」が現れますが、
これはあくまでも最終警告の赤信号です。
溝深さが 約3mm を切ったら 既に限界と判断するのが賢明ですので、すぐに新しいタイヤに交換しましょう。
また 約5,000km走行毎を目安に 前後タイヤをローテーションすることで偏磨耗発生を予防できます。
FF車は構造上フロントヘビーなので 前輪の磨耗が早めとなります。
タイヤの空気圧が不足していると、タイヤの両外側が偏磨耗し易くなるだけでなく
接地面積が減って雨天時の接地性能が低下します。
逆に 空気圧が高過ぎても タイヤ中央が偏磨耗すると共に接地面積が低下します。
適正空気圧(運転席ドア付近のラベルに表示)を維持する為に ガソリンスタンドでの給油時に空気圧を調整しておきましょう。
たとえ雨が止んでいるとしても 大量の雨が 路面に溜まってところを 走らないようにすることが重要です。
特に 幹線道路や高速道路の左車線は、車重の重いトラックが沢山の荷物を積んで走っているために深い轍ができています。
冬場にチェーンが必要な降雪地帯なども同様です。
ここには深い水たまりができやすいので、できれば右車線を走るか、
左車線であれば、この轍を外して走行することを心がける方が安全です。
また、白線や鉄板、トンネルから出た直後などの通過時は 特に滑り易いので要注意です。
ハイドロプレーニング現象によって 車がコントロール不能になってしまったら
1.ハンドルはそのまま固定
2.ブレーキを踏まず
3.サイドブレーキを引かず
4.シフトダウンせず
5.スピードの減少に合わせて徐々にアクセルを戻す
6.車が水深の深い所を通り過ぎ、徐々に減速しながら、タイヤのグリップの回復を待つ
といった我慢しかありません。
慌ててハンドルを切ったり、ブレーキを踏んでしまうと、
タイヤが路面に設置した瞬間に急減速し、スピンしてしまう事もあり大変危険です。
何をしても効果がないので「何もしない」ことが対処法になってしまいます。
ハイドロプレーニング現象が起こると、そもそもブレーキやハンドルが効かない操作不能の状態ですので
高速道路や自動車専用道路などで速度が出ている場合、そのまま走らせて減速させるしかありません。
また場合によっては、クラクションで周囲に危険を知らせ、なるべく被害を少なくする、という方法を取りましょう。
あるトラックドライバーは
大雨の際、周りの道路状況等を細心の注意を払いながら 安全な場所でハイドロプレーニング現象をわざと起こし
滑り具合や距離などを実際に体感し確認しているとのことです。
万が一に備えた訓練を重ねることで パニックを防ぎ、冷静に対応できるようにしているそうです。
日頃から 緊急時の対策を整えておくことも 安全な運行には必要なことですね
危険なハイドロプレーニング現象を起こさない為に
スピードを控えた安全運転と急加速、急ブレーキ、急ハンドルといった「急」のつく運転操作を避け、
万が一に備えて車間距離を多めにとっておくのも重要です。
これらは 雨の日の運転に限らずに心がけておきたいことですが、ハイドロプレーニング現象の危険を再認識することで 日々の運転をより安全なものにしていただければと思います。
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