普段から車を運転されている方は痛感しているかと存じますが、高齢者や子ども、自転車などの二輪車の飛び出しは日々ひやりとしますね。
トラックやトレーラはとくに死角が多いですから、より注意して走行しましょう。
65歳以上の高齢者の交通事故は高止まりを示しており、特に死者数では最も多発している世代(41%/警視庁/平成23年)です。「重量物輸送」においては高齢者・子供の行動特性を理解して防衛・安全運転に努めなければなりません。
■深夜、早朝、夕暮時、高齢者の散歩等により発生した事故(横断時の重大事故)が多い。
■高齢者の服装は黒っぽいケースが多く運転者の判断が遅延する原因となる。
■高齢者の横断禁止道路での横断・斜め横断・信号無視・歩行速度が遅いこと等による事故が増加傾向にある。
■歩行中のみならず、高齢者の運転による事故が多発傾向にあり注意が必要である。
■高齢者・子供は何時も自分を見てくれているとの思い込みがあり注意が必要である。
■子供の咄嗟の動きや道路への飛び出し、ならびに学校の近郊での事故が発生している。
■車の空送距離、制動距離を含めた停止距離に関わる理解が不十分である。
6月 6歳女の子が道路に飛び出し頭部損傷
7月 6歳男の子が道路に飛び出し頭部損傷
夏とその前後は、子どもはアクティブに動くことが多いですよね。
また、暑さにより薄着になっているのも理由の一つかもしれません。
厚着している冬はすこし衝撃を吸収してくれるようです。
自転車に乗った高齢者、子供の側方通行の場合は十分な間隔をとるようにしましょう。
高齢者、子供の集まる所(学校等)、通学路等は極力避けて走行します。(指定道路の通行)
高齢者の運転車両を発見した時は、当該車両を先行させるか近づかない運転を行いましょう。
高齢者・子供を見たら減速し動きを注視し、予測しながら、防衛運転・予知運転・思いやり運転に努めることが大切です。(後続車追突防止にも配慮)
「指差・確認呼称」を厳守。「高齢者・子供(注意)ヨシ!前方ヨシ!右ヨシ!左ヨシ!後方ヨシ!」
二輪車は四輪車に比べ小さいため、ミラーの死角に入ることが多いです。また車間のわずかな隙間をジグザグ走行することにより、発見が遅れ重大事故に繋がるケースがあります。
■バランスを崩し転倒しやすい構造であり、路面状況(水、落葉、雪)や大型車の風圧で転倒する事故事例がある。
■二輪車は急な進路変更を行うケースが多く、また急ブレーキによる転倒確率が高い。
10月 原付バイクと接触し、男性の運転するバイクが転倒した重大事故
巻き込み防止(右左折、側方通行)に注意し、前方の状況を予測しながら防衛運転・危険予知運転に努めましょう。
二輪車を先に通行させるかまたは最徐行し、接触・転倒や急激な進路変更等を想定して防衛運転に徹するようにしましょう。
「指差・確認呼称」を厳守。「二輪車(注意)ヨシ!前方ヨシ!右ヨシ!左ヨシ!後方ヨシ!」
貨物自動車の車両火災事故は年間に約400件発生しており、年々増加する傾向にあります。
車両火災は、車載の消火器で消し止めることはほぼ困難であり、消防活動による長時間の通行規制や周辺への延焼など社会に与える影響は大きいです。また、積み荷や車両の焼損など荷主や事業者の損失も多大となります。
制動装置や車輪・車軸などの整備不良が主な原因であり、日常点検・点検整備の励行により車両火災の防止に努めなければなりません。
1月 リレーエマージェンシバルブ内の水分凍結
2月 ホイールベアリングの焼付き
2月 スプリングチャンバの劣化
5月 駐車ブレーキ解除忘れ
9月 チャンバ不良によるブレーキドラムの過熱
12月 スプリングチャンバの劣化
・ブレーキの引きずり
ブレーキドラムとライニングが引きずった(接触した)まま走行することにより、ブレーキドラムとライニングの摩擦熱で火災が発生します。
・ホイールベアリングの整備不良
回転部位の潤滑不良(グリス不足)や破損による動作不良などの摩擦熱で火災が発生します。
ブレーキ
・リレーエマージェンシバルブの作動不良
・凍結はないか
・スプリングブレーキ(ブレーキチャンバ)のエア漏れはないか
・摺動部の作動不良はないか
・駐車ブレーキの解除忘れはないか
・エア圧低下による非常ブレーキの作動はないか
車輪・車軸
・給油脂の不足はないか
・組み付け不良(ガタ)はないか
車両火災事故は、周囲を巻き込むたいへん大きな事故です。
整備不良が主な原因であると上でも述べられていますが、日々の点検を怠らないようにしましょう。
引用参考 鉄材等重量物輸送に携わるプロ運転者・管理者用ガイドブック