関東でも紅葉が見られるようになり 本格的な秋の到来を感じる頃になりました。
日本各地で 特に都心部ではまだまだ新型コロナの感染者の数が軽減する気配もなく
今年は 早い段階から新型コロナとの同時流行に備えて
インフルエンザの予防接種をするよう呼びかけられています。
ところで
昨日10月15日は 「世界手洗いの日」という記念日でした。
これは 新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から今年度に制定された日ではなく
、国際連合児童基金(ユニセフ)が 国際衛生年であった2008年に、
毎年10月15日が「世界手洗いの日」(Global Handwashing Day)と提唱しました。
そもそも 安全な飲料水、清潔なトイレや下水処理施設の不備により
予防可能な下痢性疾患等で命を落とす5歳未満の子供が
年間約150万人と言われるなかで
最もシンプルな予防策である”手洗い”に着目し
正しい手洗いの周知と理解を深める目的でこの記念日は制定されました。
今年に入り 私たちは 新型コロナの感染防止策として
より一層の手洗いを心掛けているのではないでしょうか
日々の手洗いの徹底に加え マスクの着用といった新たな日常の対策が
もしかするとインフルエンザ予防にも効果的な可能性が高いといえます。
というのは
厚生労働省によると、9月20日から27日までの1週間で
全国約5000の医療機関から報告されたインフルエンザ患者は
昨年の同期で4543人だったのが
今年はなんと7人!
この大幅な減少は
ひとりひとりの新型コロナ予防対策の成果でもあるのではないでしょうか
楽観視ばかりしてはいられませんが
自分だけでなく 家族や大切な人のために
そして 医療関係者の方々のためにも
私たちができる予防に努めていきましょう。
例年ですと これからの時期は インフルエンザの流行期でもあります。
新型コロナへの対応が依然として続く中
医療や救急の現場は さらに難しい対応を迫られています。
今回は 医療現場で活躍する「救急車両」について 見ていきたいと思います。
厳しい暑さが続いた2020年の夏、
夏場のマスクの着用という異例な日常も相まって 熱中症の患者が相次いでいました。
発熱やだるさといった初期症状が 熱中症も新型コロナも酷似しているため
医療の現場は 対応に苦慮していたと言います。
特に救急車両の隊員は 交通事故を含む全ての出動で感染防止衣を着用したり
手袋を二重にはめ、気密性が高い高性能のマスクや
ゴーグル、フェイスシールドを身に着けるといった対策を講じ
職務をこなしていたといいます。
装備を万全にすることによって 隊員自身の動作負担や暑さによる熱中症の危険性も苦慮されました。
搬送後は毎回、救急車内をアルコールやオゾンガスで消毒する作業もあり
作業負担は想像を超えるものになっていることでしょう。
まだまだ 東京では連日 多くの新型コロナ感染者が確認されていますが
こうした中で 特別な救急車が感染者の搬入に活躍しています。
この特別な救急車とは 東京消防庁の「陰圧型救急車」という車両で
国内に2台のみという大変貴重な車両になります。
2020年1月に中国の武漢からの帰国者の搬送時にもこの車両が活躍していました。
特徴は 汚染された内部の空気を
気圧を下げ 特殊なフィルターによりウイルスを吸着させ
屋外に排出できる機能を有すること。
そして ストレッチャーごと搬入できる広さに加え
ストレッチャーの周りには接触を回避するシートも装備されています。
こうした特殊な救急車では 新型コロナ等の感染症対策に長けているかもしれませんが
一般的な救急車の現在はどうなっているのでしょうか。
★地方公共団体/総務省(消防庁)
119番通報で出動する車両
救急隊長、機関員(運転手)、救急隊員(救急救命士資格者の場合もある)の3名で構成
★医療機関/厚生労働省
病院間の転院輸送の為に所有
★自衛隊/防衛省
基地内での隊員の病院搬送の為
又、災害派遣として出動する大型の救急車両も所有
★空港・検疫所/厚生労働省
入国者や帰国者等の為に所有
主に感染症や伝染病患者からの感染拡大を防止するための収容搬送が目的
★その他:火力発電所、石油コンビナート、大企業の工場
大型サーキット、大型テーマパーク、競馬場など
施設内で発生した傷病者の病院搬送の為に所有
一般的に街中で見かける救急車両以外にも
このように様々な場所でその目的に応じて使用されています。
消防庁の発表によりますと
令和元年中の救急車両による救急出動件数は、
過去最多の約664万件、搬送人数は約598万人だったそうです。
また
2018年では 119番通報をして救急車を要請してから
救急隊が現場に到着するまでの平均時間は8.7分
そして 病院に到着するまでの平均時間は39.5分だったそうです。
その10年前、2008年では
救急隊が現場に到着するまでの平均時間は7.7分
病院に到着するまでの平均時間は35分
こんなにも遅くなってしまった理由は何でしょうか・・・・
傷病程度が入院加療を必要としない軽傷者が
昨年の搬送割合の約49%を占めていました。
新型コロナと格闘している医療関係者の負担軽減の為にも
救急車両を1分1秒でも早く必要としている人の為にも
救急車両の適正な利用が重要となりますね。