10月も終盤となってまいりました。
この時期は 街中に 飾り付けられたオレンジ色のカボチャが目を引きますよね。
しかしながら 今年のハロウィン関連のイベントは 各地で軒並み縮小や中止となっており、
特に 年々来訪者が増え トラブルが相次ぐ渋谷のハロウィンに際し
東京都渋谷区の区長は 感染拡大防止の観点から来訪自粛を呼びかけました。
「GO TO トラベル」や「もっと東京キャンペーン」といった
徐々に日常を取り戻そうと 人の流れを活発にする政府の後押しもある中で
3密を回避する対策を並行することに
様々な関連業界が試行錯誤し苦戦しているかと思います。
今回の運搬ブログでは 「GO TO トラベル」が注目されている最中
「モノ」ではなく「ヒト」を運搬する海運業界について見てみたいと思います。
「海運業」と聞くと まずは貨物船を想像する方がほとんどかもしれませんが
旅客輸送に特化した海運業には 下記の種類があります。
★外航旅客海運業
日本と外国の諸港または外国の諸港間で、船舶によって、主として旅客の運送を行う事業
★沿海旅客海運業
日本沿岸の港と港の間で、船舶によって主として旅客の運送を行う事業
★港湾旅客海運業
主として港湾内で、船舶によって旅客の運送を行う事業
内陸水運業の一つで 他には 河川水運業・湖沼水運業もあります
2020年2月
3711人の乗員乗客を乗せたクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号内で
新型コロナウイルスの集団発生が発生し、合計712人の患者が確認されたニュースは
記憶に新しいかと思います。
これ以降 新型コロナによる観光業の打撃は
世界的にもこのクルーズ船業界を打ちのめしているようです。
豪華な客船は 各国で廃船が増加
以前は 貨物船やコンテナ船の解体がほとんどだった解体業者は
クルーズ船のパーツ等のリサイクルで活況を呈しているそうです。
日本でも クルーズ船の運航があえなく休業をせざるを得ない状況に陥る中
東京・お台場に新しく建設された「東京国際クルーズターミナル」が
東京五輪開催直前の7月の開業に先立ち
米国の「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」という超大型豪華客船を
第1号として華々しく入港予定でしたが あえなく実現しませんでした。
現在は 開業しているものの 静かなターミナルとなっています。
その後 国土交通省海事局の監修の下で
日本外航客船協会は
「外航クルーズ船事業者の 新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン 」を作成しました。
これは 国内クルーズの運行再開に向けたガイドラインで
これに沿った感染予防、拡大防止マニュアルを各社が作成し
その取り組み状況を第三者機関である日本海事協会が審査するという慎重さです。
また 神戸港では 運行再開に向けて
避難訓練ならぬ感染者発生訓練を
無乗客の状態でトライアルクルーズをしながら実施するなど感染対策を強化していました。
こうした各所での念入りな対策を経て
およそ9か月ぶりの10月26日
全国初の乗客を乗せた国内クルーズ船「にっぽん丸」が運航
長崎県の佐世保港に寄港しました。
乗船した約200人は 乗船前にPCR検査を受けるなど
従来と異なる入船ではあったものの 大変な歓迎を受けたそうです。
国土交通省海事局の発表による
2019年中 外航・国内クルーズを合わせた日本人乗客数は
外航クルーズ
→ 238,000人(前年比10.9% 増)
国内クルーズ(内航フェリー含む)
→ 118,000人(前年比11.3%増)
過去最多の35.7万人 を記録していました。
日本人にも 年々人気が上向き傾向だった最中での
新型コロナの打撃に
現在もなお 海外クルーズは運休を余儀なくされています。
「コロナ倒産」は この業界にも襲い掛かっており
破産手続きをしているクルーズ船運営会社もあります。
一日も早く収束することを祈るばかりですが
「GO TO トラベル」キャンペーンを利用して
国内の船旅を楽しむことで
「助け舟」になってみてはいかがでしょうか