全国的に例年よりも早い桜の開花に沸き立ちながら
新年度がスタートしましたが
新たな職場や学校などに まだまだ慣れない方も少なくないでしょう
昨年度は 未知とのウイルスの脅威に対し
入学式や入社式といった式典も 歓迎会などの中止が各地でみられましたが
今年は 感染対策を講じながら行っているところも少なくありませんでしたね。
しかし新型コロナの感染者数は再び増加傾向にある地域もあり
まだまだ予断を許さない状況は続いていますが
そのような中でも 「聖火リレー」はスタートしています。
紀元前776年に古代ギリシアのオリンピアにて開催された「オリンピア祭典競技」
この古代オリンピックの始まりとされる競技会は
古代ギリシャの都市国家間の争いが続き、疫病も流行る最中
王への神からの「争いをやめ 競技せよ」とのご託宣により
始まったいわばゼウス神に捧げる宗教競技祭でした。
現在のオリンピックの聖火も
古代オリンピックと同様の方法で火をつけているのをご存知でしょうか
オリンピックが始まる数か月前に
ギリシャのオリンピアに存在する「ヘラの神殿跡」にて
太陽光線を一点に集中させる凹面鏡に、
炉の女神ヘスティアを祀る11人の女優が演じる巫女が
トーチをかざし 採火されます。
古代ギリシャでは オリンピックに関係なく日常的に
火には ヘスティアという女神が宿っていて
平和と繁栄や幸福をもたらすと考えられていたため
ギリシャの人々にとって 火はとても大切なもので
各家庭では炉に火を灯し続けていたと言われています。
そして 聖なる火をおこせるのは 神に仕える巫女だそうなのです。
当時の聖火の運搬方法が リレー形式によるものでした。
一つの同じ火を受け渡し、繋ぐというもので
今のリレーと同じメッセージをくみ取れます。
2020年3月24日 大会組織委員会とIOCが
オリンピックの開催を延期することを発表しました。
世界的な新型コロナのパンデミックを配慮した延期は
世論も納得した結果だったかと思います。
しかし そのわずか数日前
ギリシャから「聖火」が日本に到着していました。
聖火の輸送は 空輸によるものでした。
大会のオフィシャルエアラインパートナーである
ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)が共同で運航した
「TOKYO 2020号」という聖火特別輸送機がその大役を担いました。
その機体は JALが保有するボーイング 787-8型機で、
聖火ランナーやオリンピックエンブレムなどが描かれた特別デザインを施されていました。
その機体は 3月18日12時55分に羽田空港からアテネに向けて出発し
聖火の入ったランタンを乗せて 20日に宮城県の航空自衛隊 松島基地に到着しました。
そのわずか数日後に大会の延期が決定し
前例のない事態に
IOCの専門家のアドバイスを受け、東京消防庁、警察と協議し
聖火の保管については
複数のランタンを用い、灯油を入れ替えながら
非公表の極秘扱いという厳重管理となっていたそうです。
保管場所については 大会組織委員会の会長すら知らなかったほど。
聖火を運ぶランタンは 主に真鍮でできており
高さ約30センチ、重さは約1.8キロ
エンブレムの刻印が際立つデザインになっています。
このデザインの監修は日本の吉岡徳仁氏。
聖火リレーのトーチにも貢献された方です。
この聖火リレーで使用されるトーチの素材の約3割に
東日本大震災の復興仮設住宅のアルミ建築廃材が再利用されています。
人々の生活を見守ってきた仮設住宅が、
平和のシンボルとしてオリンピックトーチに姿を変え、
一歩ずつ復興に向けて進む被災地の姿を世界に伝えるというコンセプトだそうです。
日本各地で 聖火リレーについて
無観客や中止が検討されていたりするニュースを耳にします。
一日も早く 収束することを願わずにはいられません。