東京の新型ウイルス新規感染者数が増加していることから、週明け12日から東京で4度目の「緊急事態宣言」が発令されます。
期間は8月22日まで。神奈川・千葉・埼玉・大阪では引き続き、まん延防止措置が適応されます。
7月23日に開幕する東京オリンピックは、開催期間すべてが宣言の時期に含まれます。
これによりオリンピックでの有観客での実施は難しくなってきました。
ワクチン接種も職種や地域により接種率にバラツキがあります。
オリンピック開催地でありながら接種率が低いこと、他の国に比べ制限が弱いことも今回の判断に繋がったのでしょう。
スポーツ大会及び国際的な祭典において有観客なしというのは大変残念ですが、テレビ越しからエールを送りたいものです。
さて今回は、近年急速に発展している経済の仕組み、「シェアリングエコノミー」と物流業界の関係性をご紹介いたします。実は私たちの身近に広がりつつあるシェアリングエコノミーは資産を有効に活用できる他、業務効率化、環境配慮など幅広くつながっています。
シェアリングエコノミーの種類、実際にどのように活用されているのか併せて見ていきます。
シェアリングエコノミーとは、個人が所有しているが現在使われていない財産を貸し出して共有することで有効利用することを指します。モノや場所、スキルなどを必要な人に提供したり、共有したりする新しい経済の動きです。
シェアリングエコノミーのメリットは、使われていないものを有効活用することができるという点です。シェアリングエコノミーの始まりは、2008年から開始された民泊サービス「Airbnb」と言われておりますが、市場規模は急速に拡大しています。
主に以下の5つの分野に分けられています。
①空間×シェア:駐車場や会議室の他、民泊のように宿泊場所など、普段使っていない「場所」の貸し借りのサービスです。民泊、ホームシェア、駐車場シェアリングなどがあります。
➁移動×シェア:日本ではタクシーのみですが、海外では一般のドライバーが運転する車も手配できます。
カーシェアリング、ライドシェアリング、シェアリングサイクルなどがあります。
➂モノ×シェア:物物交換やリサイクルによって、余剰な物品を流通させる仕組みです。
フリマアプリ、レンタルサービスなどがあります。
➃スキル×シェア:仕事を依頼したいクライアントと、経験や実績を持った働き手とを繋ぎます。
家事代行、子育てシェア、クラウドソーシングなどが該当します。
⑤お金×シェア:アイデアを売る代わりに投資して応援する仕組みです。クラウドファンディングがこれに当てはまります。
複数のEC事業者で物流センター内の設備やスペースなどをシェアする、ドライバーを直接マッチングさせて無駄なく効率的な配送業務をすることなど活用されています。
シェアリングが物流においてメリットとなる最大の点はズバリ「費用」でしょう。
物量に応じて支払う形式なので、初期投資や固定費を抑えながら事業拡大に向けてEC事業を運営が可能です。そのため、自動梱包ラインや無人搬送ロボットといった最新機器が装備され、情報システム、保管スペース、作業スペース、作業者、梱包材などを複数の事業者で共同利用します。
EC事業の物流業務に必要な「アセット(自動化・省人化設備)」「システム(情報システム)」「スペース(保管・作業スペース)」「マンパワー(管理者・作業者)」という4つの機能を、複数のEC事業者でシェアリング。
ピッキングから検品、梱包、出荷までの物流オペレーションの70%以上を自動化しているので、小規模での運営もコストを抑えて運営できます。
テクノロジーを活用することで物流を進化させることで、荷主に対しては物流コストを削減し、運送会社には適正な配送価格で収益を提供します。
ネット通販などの急成長や配送ドライバーのなり手減少に伴い、宅配便数が急増、配送ドライバー不足が深刻な問題となっている「宅配クライシス」を改善できる手段として注目されています。全国の運送会社やフリーのトラックドライバーをネットワークで結び、それぞれの非稼動時間を有効活用します。
三菱商事は今年5月、シェアリング倉庫サービス「WareX(ウェアエックス)」を正式リリースしました。
WareXは、価格・場所などの条件を踏まえた倉庫検索から入出荷の進捗までチームで⼀元管理できるシェアリング倉庫サービス。見積もり不要・従量課金・設備や人の手配不要・入出荷管理・チームでの⼀元管理という、5つの特徴で顧客の倉庫利用をサポート。
誰でも簡単に倉庫を探し使える、シェアリング型倉庫利用サービスです。
コロナ禍によりEC事業が順調の物流業界。しかしそれに伴い、配送ドライバーの人手不足や物流コストが深刻化しています。
今後、施設や設備、情報の共有などシェアリングエコノミーによる業務効率や柔軟な働き方が期待できます。