必要な物は 外出せずとも 自宅に居ながら
大抵の物はインターネットで容易に探し出せて
購入することが可能になった現在
物の流れは 遠くは海外からやってきた物とは思えない
スピードと気軽さを時として感じます。
海に囲まれた日本列島で 海外との交易が盛んになったのは
さかのぼること弥生時代で
朝鮮半島中南部で産する鉄や青銅を輸入していたようです。
古代の人々の往来は 現在と比較にならないほど困難で危険な渡航でしたでしょうに。
今回は 海外との輸出入と関連する「国際物流」について
見ていきたいと思います。
国内で生産された物が、国内の消費者に届くまでの流れを一般的に「物流」とするのに対し、
国際物流とは その名の如く、国際的に行われる物の流れのことを呼びます。
国内での物の流れでは その輸送手段の多くは トラックやトレーラ、鉄道になりますが
当然、国外との輸送には 船舶や航空機の利用が不可欠で その費用や輸送時間も大きく異なります。
こういった国内の物流との違いは 主に下記の4つになります。
◇輸送方法
◇輸送可能な荷物
◇保管方法
◇検査方法
国内の物流とやはり大きく異なる輸送方法として
国際物流では 船舶による海運になるでしょう。
世界の海運の主流は タンカーや不定期船による輸送を除けば、
長さが主に20フィートと40フィートとの2種類に標準化された鋼鉄製のコンテナを
一定頻度で輸送する定期運航によって担われています。
これらのコンテナは 専用のコンテナ船という貨物船によって運ばれ、
その多くがコンテナターミナルで積卸しされます。
日本が 海外から輸入する雑貨の90%は これらのコンテナによって運搬されています。
また日本から輸出する際にも 「海上コンテナ」と呼ばれる専用の〝箱” に入れ
商品や貨物の形状等にばらつきがあったとしても コンテナ単位で統一しておくことで
海上輸送のスピードアップや効率化を高めることが可能となっています。
実際のコンテナを見たことはありますか?
国際輸送に使用されるコンテナには 下記の2種類のサイズのみになり
効率的な輸送と各国における国内配送を考慮して決められた世界基準のサイズになります。
・20フィート(約6m)
・40フィート(約12m)
コンテナは 1本、2本と数えるそうです。
通常のコンテナ内部は スチール製で 輸送時の洋上で 50度を超えると言われています。
この温度変化に関係しない貨物用の「ドライコンテナ」以外に
温度の環境に耐えられない製品や物に対しては
上記のサイズはそのままに ステンレススチール製の温度管理が可能な「リーファーコンテナ」があります。
冷却ファンによる -25度~30度の温度調整が可能で コンテナ内部の温度が一定に保つことができるので
生鮮食品などの輸送に使用します。
また、大型な貨物用に 高さのある「ハイキューブコンテナ」、
特殊貨物に対応し、天井部分が空いている「オープントップコンテナ」
左右からも荷詰めできる、天井部分だけでなく両側面部分もない「フラットコンテナ」はパズルのように複数個を連結させることもできる特殊なコンテナになります。
また、液体貨物の輸送には 銅製のフレームの中にタンクが内蔵されている「タンクコンテナ」もあります。
コンテナの外側の大きさは 世界標準で決められている通りですが、
容量や重量は それぞれの素材や冷却ファン等といった分により それぞれが異なっています。
このように 海外から輸送する際のコンテナには 様々な貨物に応じたコンテナが存在します。
私たちは 普段 何気なく気軽に海外から商品を購入していますが、
こうしたコンテナで遠くから運ばれてくることを想像してみるのも良いのではないでしょうか