2020年のオリンピックを前に 日本での出入国する人々が
右肩上がりになっています。
2018年の外国人入国者数が 前年比267万人増の3010万人
と過去最高だったと法務省が発表しました。
入国管理局は 査証(ビザ)の発給要件の緩和措置などが影響しているのではと分析していますが
日本人の出国者数も 106万人増の1895万人で過去最高となっています。
外国人の旅行者の多くは 飛行機を利用して 空港を玄関口としていますが
海外からの物の多くは 海を渡る船舶によるものがほとんどです。
今回は その国際物流の玄関口について みてみましょう。
タンカーや鉱石などの不定期船による輸送を除けば、
コンテナ船という貨物船が 現在の海運の主流とされています。
外国の商品を輸入したり 日本の商品を輸出する際には、「海上コンテナ」という
長さが主に20フィートと40フィートとの2種類に標準化された鋼鉄製のコンテナを利用します。
貨物の形状をコンテナ単位に統一することで 海上輸送のスピードアップが可能となることから
専用のコンテナ船によって運ばれ、その多くがコンテナターミナルで積卸しされ
日本が海外から輸入する雑貨の90%は
これらのコンテナによって運搬されています。
海陸の結節点となるコンテナターミナルは、
現代の港湾で最も重要な機能となっており、
港湾におけるコンテナ取り扱い個数と国別の総計個数は、
各国の経済力・国力を測る指標のひとつに挙げられています。
日本には 取扱量が100万個を越える「五大港」があります。
それは 東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港 である、
日本の5大都市に構えているものの
世界的に見て中規模クラスのコンテナターミナル群とされています。
しかし単一の小規模コンテナターミナルを有する地方港も含めると
2008年時点では 総計62港のコンテナ港があり 分散化されていることがわかります。
コンテナターミナルは 「保税地域」という国が設けている特別地域で、
外国から運ばれてきた、まだ国内の貨物として許可されていない物や、
これから外国へと運ばれる貨物が一時的に蔵置され、
一般の人が入れない場所とされています。
コンテナターミナルには
コンテナ船から コンテナを積み卸しするため
専用の岸壁を装備しています。
貨物の積み降ろしのことを「荷役」と言いますが
世界中のほとんどの貿易港の岸壁に設置され
停泊しているコンテナ船からの荷役で欠かせない設備が
「ガントリークレーン」です。
ちょっとだけ〝キリン” に似ている巨大なクレーンです。
このガントリークレーンは 自動ではありません。
〝キリン”の首の付け根部分に 運転室(オペレーション室)があり
特別なクレーンの運転士が操作します。
ガントリークレーンの運転士は、通称“ガンマン”と呼ばれ、
「クレーン・デリック運転士免許」を所持し
港湾の他のクレーンなどの経験を積み、
その技術を認められたものだけが就ける港湾の花形だそうです。
運転士は 運転席のガラス張りの床から 下の様子が見て操作します。
UFOキャッチャーのようにスプレッダーを下ろし、
コンテナ上部の四隅についているコーナーポケットの穴に
ロックピンを挿入して固定し、30〜40トンもあるコンテナを迅速・確実に運搬します。
現在コンテナ1箱の積み卸しにかかる時間は、3分かからない、とも言われていますが
20年程前まではコンテナ1箱に1時間程度かかり、積み卸しには2、3日かかるのが当たり前でした。
近年は、コンテナ船や貨物の大型化に伴って、
高さ48.5mを超える場所から貨物を引き上げる「スーパーガントリークレーン」や、
56mを超える「メガガントリークレーン」、
20フィートコンテナを同時に2個持ち上げられる「スプレッダ付きのガントリークレーン」も登場しています。
“海上輸送と陸上輸送の接点”のコンテナターミナルについては
また次回も見ていきたいと思います。
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