簡単にインターネットで 海外の物でも手に入れられる時代
物の流れの理解を深めるために
国際物流における 主に物の流れについてこれまで見てきましたが
今回は 海上コンテナのトラックドライバーについて見てみることにします。
海上コンテナドライバーとは、
輸入品や輸出品が入った海上コンテナを運ぶための専用の大型トレーラーに乗り、
港湾と指定された荷受人または荷主間へコンテナを配送するドライバーを指します。
コンテナは 人が素手で持てるレベルの大きさではないので
通常の物流ドライバー業務にある荷物の手積み・手降ろしの作業が発生せず、
貨物の積み降し中は基本的に待機となります。
待機時間は港湾の埠頭でも発生することが多く、
業務内の待機時間は長めです。
基本的に最寄りの港湾への配送がメインとなります。
そして 港近くに倉庫を設けている企業も多いため、
運転距離も比較的短距離となります。
通常の配送トラックと異なるのは
道路交通法で定められた車両の規定を超えてしまう特殊車両になるということです。
特殊車両は原則、道路を走行する事が法律で認められておらず
運行する場合は「特殊車両通行許可」という特別に許可をもらう必要があります。
海上コンテナのサイズは 長さ20フィート(約6メートル)と
長さ40フィートの2種類になりますので 海上コンテナトラックドライバーに必要な資格は
まずは大型免許が必要になります。
21歳以上で
中型免許、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に取得して、
これらの免許のいずれかを受けていた期間(運転経歴)が通算して
3年以上あることが取得の条件となります。
また、コンテナ部分は切り離し可能なトレーラーに乗せるため、
そして 重量が750KGを超える自走しない状態の被牽引車を牽引するためには
牽引免許も必要になります。
18歳以上であれば 取得可能です。
関東トラック協会 海上コンテナ部会に所属する関東1都7県(東京・神奈川・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・山梨)の各トラック協会の海上コンテナ部会員事業者を対象として実施した調査結果によると
2019年3月31日現在
海上コンテナセミトレーラ運転者在籍者数3,133人のうち
最年少は22歳、最高齢は78歳。
平均年齢は 50歳 となっています。
20歳代:66人 (2.1%)
30歳代:301人 (9.6%)
40歳代:1,161人 (37.1%)
50歳代:1,136人 (36.3%)
60歳代:397人 (12.7%)
70歳代:72人 (2.3%)
2018年4月より2019年3月末までの1年間における
新規採用者数は
20歳代:32人 (10.3%)
30歳代:48人 (15.5%)
40歳代:123人 (39.7%)
50歳代:86人 (27.7%)
60歳代:19人 (6.1%)
70歳代:2人 (0.6%)
また上記と同期間における退職者数は 下記の通りで
30歳代に至っては ほぼ新規採用者数と同数の離職者となっています。
20歳代:21人 (7.1%)
30歳代:49人 (16.6%)
40歳代:103人 (34.8%)
50歳代:71人 (24.0%)
60歳代:45人 (15.2%)
70歳代:7人 (2.4%)
海上コンテナのドライバーのみならず、
2027年に物流トラックドライバーの労働力が96万人分必要となるのに対し、
供給は72万人分しか見込めず、24万人分の労働力が不足することが推計されているそうです。
外国人労働者の受け入れを拡大する方向性に シフトしつつも
海上コンテナのドライバーに必要な 大型免許等取得のハードルもあり
今後のトラックドライバーの労働力の確保は 最大の問題といえるでしょう。
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