11月も中盤を過ぎ、秋も深まり 全国各地で紅葉シーズンを迎えています。
多くの観光客が その絶景、そして秋の味覚や温泉といった楽しみを求めて行楽地へと集まる季節でもあります。
日本交通公社の旅行年報2018
都道府県別の旅行先での交通手段の調査(複数回答)によると
自家用車・・・36.4%
レンタカー・・・13.7%
路線バス・・・12.7%
タクシー・・・9.8%
貸切バス・・・7.4%
といった車両による移動手段を用いる旅行者や観光客が圧倒的多数となっています。
秋の景色を眺めながらのドライブは楽しいですものね!
しかし 見知らぬ土地や高速道路 慣れない場所でハンドルを握る際は
楽しんでばかりはいられません。
とりわけ火災事故を誘発しやすいトンネルでの走行には
いっそうの注意を要します。
歴史に残る自動車用トンネルの火災を振り返ってみましょう。
1979年7月 静岡県の東名高速道路下り線、全長2045mの日本坂トンネル内で
大規模な火災が発生しました。
トンネル内の出口から約400mの地点で
大型トラック4台、小型乗用自動車2台が関係する玉突き追突事故よって火災が発生し、
後続車両に次々と延焼しました。
この事故で 車両火災により死者7名、負傷者2名、
そして消失車両173台、トンネル本体の損壊および防災設備のほとんどが焼損という
日本の災害史に残る大惨事となってしまった。
1999年3月
ヨーロッパ最高峰であるモンブラン(標高4,807m)の下、
フランスとイタリアを結ぶ全長11.6kmの モンブラントンネルで、
イタリアに向かっていた小麦粉 12トン、マーガリン8トンを積載した運搬トラックの燃料が漏れ
出火し、消火器を使う間もなく爆発してしまった。
フランス側の監視装置 は事故トラックがトンネルに入った直後に煙を検知していたのに、直ちにトンネルを閉鎖しなかったことやフランス側は、火災発生の3分後に換気装置を最大排気レベルにしたが、イタリア側は20分以上、排気ではなく給気レベルを 最大にしていたことで火災に悪い影響を与えたとされています。
フランスに向かうトラック8台と、イタリアに向かうトラック12台、乗用車10~11台に 延焼し
死者39名、負傷者27名の大惨事となってしまった。
どちらの事故も災害史に残る大惨事であり この事故を教訓として学ぶべきことは非常に多くあります。
車間距離を保っていれば、トンネルに進入しなければ、と「たられば」を並べればキリがないかもしれません。
しかし
こういった事故によって さらなる防火設備や人的な注意喚起の向上が進みました。
トンネルに入る前に火災発生に気が付いた場合は、
後続車両に注意しながら トンネル入口の手前で 速やかに停止し
絶対に進入しないことが重要です。
長いトンネルや規模の大きなトンネルの入り口には、
トンネル入り口用信号機が設置されていて、進入禁止の場合は赤信号となり
入口表示板には「進入禁止火災」などと表示されます。
万が一 トンネル火災に巻き込まれてしまったら、
まずは 落ち着くことが大切です。
トンネル内のスピーカー、ラジオ放送を通じて情報や指示が流される場合があるので、
それが聞こえた場合は その指示に従いましょう。
車を停止される際は、ハザードランプを点灯させ、非常駐車帯か
状況に応じて左右に寄せてサイドブレーキを引きます。
停車させた後はキーを付けたままにしてドアロックもせずにしておきます。
煙に巻き込まれないよう注意しながら非常口を見つけるか
煙の流れる方向を確認し 煙の出ていく方向が 脱出に適した方向です
安全が確保でき、無理のない範囲で
火災の発生を外部に連絡したり
消火活動をしましょう。
トンネル内には
押しボタン式通報装置が50mごとに
非常電話は200mごとに設置されています。
消火器は50m間隔で2本ずつ設置されており、初期消火に有効です。