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2022年8月
自家用車を所有する全国の男女5333人に
行われた『電気自動車に対するイメージ調査』では
「地球環境やエコに配慮している」
といった好意的なイメージを持つ人が半数を占めたものの
約9割の人が「高い!」と電気自動車が高額な印象を持ち
まだまだ一般的に日常生活では身近な車ではないと感じます。
地球温暖化が加速し
世界的に環境問題が大きく取り上げられるようになってから
電気自動車の必要性が注目された経緯はご承知のことかと思います。
しかしながら
そんな電気自動車は なんとガソリン車よりも以前に
1820年代には発明されていたのはご存知だったでしょうか
当時は 電気モーターの発明や
一次電池(充電不可)を用いた電動車両の実証実験も盛んだったようです。
その後 充電が可能となった二次電池である鉛蓄電池も発明され
電気自動車に搭載されるようにもなりました。
1880年代には 速度制御が可能な電気自動車が登場し、
時速100㎞も超えるスピードを可能にしたそうです。
日本で最初に電気自動車が走行したのは1900年、
大正天皇のご成婚のお祝いに米国のサンフランシスコ日本人会が
献上品として送った車両だったそうです。
米国ウッズ社製のビクトリア号と呼ばれるその自動車は
まるで古い映画に出てくるような馬車に似た外観で
客席は2席に運転席があり、3人乗りの車両でした。
しかしながら 当時 運転手がおらず、
適任に訓練をさせていた矢先に お濠に落ち
殿下を乗せることなく
日本初の交通事故となってしまいました。
その後 日本でも電気自動車の開発がスタートし
1937年の日中戦争でのガソリン統制の影響で 電気自動車の生産も後押しされました。
しかし 鉛電池を搭載した電気自動車は
軍需物質に鉛がしていされたことやガソリン統制の解除とともに
優位性は失われてしまいました。
電気自動車の発展は終焉を迎えてしまったにもかかわらず
皮肉なことに ガソリン車やディーゼル車がもたらしてしまった
排気ガスによる大気汚染問題、
環境破壊や健康被害等によって
世界的に電気自動車の転換へ再びシフトしています。
国土交通省の発表によると
2020年度の日本の二酸化炭素の排出量は
10億4,400万トン
その内訳を各部門ごとに順位付けしてみると下記のように
運輸部門は約2割の排出量を占めます。
1位 産業部門・・・・・・3億5,600万トン
2位 運輸部門・・・・・・1億8,500万トン
3位 業務その他部門・・・1億8,200万トン
4位 家庭部門・・・・・・1億6,600万トン
5位 その他・・・・・・・1億5,500万トン
運輸部門の内訳を見てみましょう
1位 自家用乗用車・・・・8,440万トン
2位 営業用貨物車(緑ナンバー)・・・・4,039万トン
3位 自家用貨物車(白ナンバー)・・・・3,210万トン
4位 内航海運・・・・・・ 986万トン
5位 鉄道・・・・・・・・ 784万トン
6位 航空・・・・・・・・ 524万トン
この内訳を見てみると
貨物自動車は 運輸部門の約4割を占め、日本全体の6.9%となっています。
こうした現状を踏まえ
物流大手や荷主の企業は 脱炭素の流れが急速に広がっていおり、
自動車メーカー「ホンダ」の三部敏宏社長も
「国内のEV市場は需要の大きい商用から攻略する」
と電気自動車「貨物EV」の重要性を認めています。
運輸部門の排ガス削減は 国の脱炭素に欠かせない重要な課題でもあります。
様々な企業が 物流インフラを止める事なくEV化にシフトしようと試みています。
例えば
2025年までに3万台以上の車両を電気自動車に切り替え
郵便局で使用する電力を再生可能エネルギーに転換する。
そして 2030年までに温室効果ガスの排出量を46%削減し
2050年には排出量ゼロを目標としています。
2023年1月から 福島県と東京都において
走行時にCO2等の排出ガスを出さない「ZEV」車を導入し
配送車両のEV化を実現させるそうです。
2021年11月から日野自動車と共同で行っていた
電気自動車を用いた集配業務の実証実験により
温室効果ガス排出量の削減効果等を確認できたことから、
首都圏・中部・関西エリアを中心に500台を導入することを決定しました。
このように様々な企業が EV化による脱炭素化、
ひいてはSDGsなどの社会的な課題に
日々取り組んでおり、
持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を図っています。
意外にも電気自動車はガソリン車よりも早く発明されました。
しかしその後 勢いづいたのは 言うまでもなく「ガソリン車」で
それは大気汚染や健康被害等の問題をも引き起こしました。
近年CO2排出量を抑えるべく様々な企業が
EV化を加速させ、課題解決に取り組んでいます。