トラックやトレーラドライバーの皆さんは、貨物を積載するときにどのようなことに気を付けていますか?
日々の自身の業務を思い出しながら確認していきましょう。
事業者は、貨物を積載するときは、次のことに気を付けなければなりません。
・偏荷重が生じないように積載すること。
・貨物が運搬中に荷崩れ等により落下することを防止するため、ロープまたはシートを掛ける等必要な措置を講ずること。
運行管理者は、貨物の積載方法について、従業員に指導及び監督を行わなければなりません。
運転者は、乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させたり、乗車や積載のために設備された場所以外に積載して車両を運転してはなりません。ただし、貨物自動車に貨物を積載し、それを看守するために必要最小限の人員を荷台に乗車させて運転することは認められています。
道路交通法における積載物の長さ、幅、高さの制限は次のとおりです。
・長さ
自動車の長さの 1.1 倍以下、かつ車体の前後から自動車の長さの 10 分の 1の長さを超えてはみださないこと。
・幅
自動車の幅を超えないもので、車体の左右からはみださないこと。
・高
地上から 3.8m 以下(公安委員会が特に認めた自動車は高さ 4.1m 以下)
貨物を分割することができず、積載制限を超えてしまう場合は、出発地を管轄する警察署長の「制限外積載許可」を得て、「制限外積載許可証」を携帯し、次の事項を遵守することを条件に制限を超えて積載することができます。
貨物の見やすいところに次のものを付けましょう。
昼間:0.3m2 以上の赤色の布
夜間:赤色の灯火または赤色の反射器
車の前面の見やすいところに許可証を掲示しましょう。
制限外積載許可の申請は、申請書2通を出発地の警察署長に提出しなければなりません。
また、警察署長が申請を審査する必要があると認めるときは、運転経路図その他審査に必要な書類の提出を求められることがあります。
【申請者】
制限外積載許可の申請者は、当該申請に係る自動車の運転者とし、運転者が複数の場合は全員を申請者とします。ここでいう「運転者が複数の場合」とは、長距離運転で同乗若しくは乗り継ぎの交替運転者があるとき等を指します。
【許可の単位】
制限外積載許可は、原則として、1回の運転行為ごとに行うものとします。ここでいう「1回の運転行為」とは、A地点からB地点まで積載物を運搬する場合で車両、積載物、運転経路及び時間がそれぞれ一つのものをいいます。
【許可の期間】
制限外積載許可の期間は、原則として、1回の運転行為の開始から終了までに要する期間とします。
積み付け位置(重量配分)に注意します。
自動車の操縦安定性は、走行中の積荷の力が荷台の中心に働くものとして設計されていますので、積荷全体の重心の位置が、前後方向、左右方向ともに荷台の中心になるように積み付けることが理想的です。
積荷の重心が高いと、走行中に左右の揺れがひどくなり、荷崩れが起こりやすくなるので、積み付けの段階から前後左右均等に、そしてできるだけ低く、床全体を使用するように積むことが肝要です。
偏った積み付けの場合に起こる現象に注意します。
左右に偏った積載は、カーブ走行、右左折あるいは傾斜路面を走行する時に横転することがあります。
前に偏った積載は、下り坂や急ブレーキをかけたときに制動力が不足するおそれがあります。
後部に偏った積載は、ハンドルが不安定となり、発進時や登坂走行時、踏切通過時に車の頭が持ち上がってしまうことがあります。
荷崩れしないような固縛方法を行います。
積荷の固縛が適切でなければ、荷崩れを起しやすくなるので、シートやロープがけの基本を守り、しっかりと固縛をします。
・転がり易い積荷には、歯止め(輪止め)やスタンションを使用します。
・建設機械等を積載したときは、ワイヤーロープ等による固縛のほかに、機械のブレーキロックや機械の車輪の輪止め等が完全であるか確認します。
・コンテナ輸送を行う際は、トレーラの荷台とコンテナを固定する緊締装置のロックを確実に行います。また、運転者に対しては、運行時におけるトラクタ・トレーラの構造上の特性について指導します。
積荷の長さが 5m 以上の場合は、少なくとも前後と中間の 3 点を固縛します。
平ボディーの場合、雨天時には、雨水による濡れを防ぐためシートを掛け、さらに走行中にシートが膨らんだり、はがれないように十分注意して固縛します。
その他、固縛については、日頃から注意し、研究を怠らないようにします。
きちんとした積荷は、事故防止を含め安全対策はもちろん、顧客の満足度にもつながります。
今後も気を付けて貨物を積載していきましょう。
引用参考:「運行管理業務と安全」マニュアル