先日、今年一年の世相を表す漢字が発表されました。
2020年を表す漢字は「密」。
新型コロナウイルス感染拡大防止のための3密対策が呼びかけられ全国的に浸透したこと、その対策のひとつで物質的距離を保つ必要があることから、人と人との関係がこまやかになったことが選ばれた理由です。家族や友人、仕事仲間や知り合いに会って話すことがこんなにも貴重だったのかということを身をもって体験しました。
来年は大切な人たちに会いに行き物理的距離も縮められるようになりたいですね。
そのためにも感染症対策をこれまで以上に気をつかいたいものです。
来週21日月曜日は「冬至」、1年で最も日が短く夜が長い1日です。
無病息災を願って、かぼちゃや小豆など栄養価あるものを食べ、柚子湯に浸かり寒い冬を乗り切りましょう。
さて今回のテーマは「終電繰り上げ」です。
2021年春のダイヤ改正により終電が繰り上げとなった鉄道業界の現状を掘り下げます。新型ウィルスはそんな影響を与えたのでしょうか。
新型ウィルスの流行により、鉄道の利用状況は大きく変わりました。春先、緊急事態宣言が発動されたことで利用客が大幅に減少しました。休業要請やテレワーク導入により通勤定期発行も減り、首都圏のJR、大手私鉄の主なターミナル駅における朝のピーク時間帯の利用状況は、新型コロナウイルスの感染拡大以前と比較して約3割減です。また飲食店で時短営業要請がでたことにより深夜時間帯を中心に利用が減少しています。
今回の発表では、主に東京100km圏のJRの各路線、東京メトロ全路線、大手私鉄すべてが来春から終電繰り上げ実施対象です。JR山手線では16分~20分ほどの繰り上げ、そのほかの線路では最大37分の繰り上げです。午前1時以降の運行を切り捨てています。京王線と井の頭線も平日、土曜・休日共に終電時刻をおおむね10分~30分繰り上げる予定です。京王線では終電付近の0時台については、9月の平日が昨年と比較して47%減ったとして、深夜時間帯の利用が大幅に減少していると言います。
鉄道会社は乗客の減少により打撃を受ける中、“人手不足”という壁も立ちはだかっています。
鉄道線路工事作業員は、終電後に安全運行のためにホームドア・バリアフリー設備をはじめとするメンテナンスを行っています。深夜の重労働が中心となり、休日の休みが取りにくい働き手が急速に減少しているのが実情です。そこで作業員たちの負担を減らすためにも働き方改革の一つとして終電が繰り上がりました。
今まであたりまえのように我々の生活で大きな役割を担っていた鉄道。鉄道大国のニッポン、日本のダイヤは世界1の正確さと言われています。世界の駅別乗降客数ランキングトップ20を日本の駅が占めています。
我々が働き方改革を唱えるのと同じように大切な脚になってくれる作業員の労働環境改善に異議を唱える人はいないでしょう。もちろん終電繰り上げは、仕事や乗り換えなど様々な場面で影響を与えることにはなりますが、ライフスタイルを見つめ直す良いきっかけとなるでしょう。