トラックやトレーラドライバーの皆さんは、日本の物流の中心です。
それは、災害時でも変わりません。
災害直後、被災地へ向けて物資を届ける大切な役割を担うことがあります。
また、被災地以外でも、その周辺の地域で物資が不足していくことは大きく考えられます。
緊急・救援輸送は、輸送範囲によって「他地域から被災地に向けての輸送(物資調達の輸送)」と「被災地内での配送(物資配送の輸送)」に大別されます。
ここでは「他都道府県等から被災地の物資集積所へ向けて行われる救援物資輸送」の注意事項について示します。
この輸送は、大量の荷物を運ぶことが多いため11トン車など大型車両による輸送が中心となります。
他地域から被災地までの輸送は、長距離輸送となる場合があり、被災地周辺の交通渋滞により長時間にわたる輸送となる可能性もあります。
そのため次のような準備が必要です。
[出動車両について]
・燃料は満タンに
被災地周辺では、燃料の確保が困難な場合もあります。
満タンにするなど事前の対応が必要です。
・車両の整備状況をチェック
出動車両が、車両故障を起こしたら十分な役割が果たせません。
日頃から整備状況には気をつけておきましょう。
[ドライバーの携帯品について]
出動時は、いつ帰れるか分からないという心構えで、必要なものを用意して出動しましょう。
[物資の積み込み、輸送内容の確認]
・集合場所(都道府県の備蓄倉庫や庁舎等)では、都道府県やトラック協会の職員の指示を受け、物資を迅速に積み込み、輸送内容についても確認しましょう。
[緊急・救援輸送ステッカー、横断幕の装着]
・出動車両には「緊急・救援輸送車両であることを識別する」ステッカーと証明書、都道府県トラック協会独自の横断幕などが支給されます。
トラック前面もしくは横側(荷台部)に、正しく装着しましょう。
[輸送隊を編成する場合]
・長距離輸送で、輸送隊を編成して出動する場合は、途中で集合するサービスエリアなどを決めて走行し、はぐれないようにしましょう。
[パトカーが先導する場合]
・パトカーや白バイの先導がある場合は、その指示に従いましょう。
[輸送ルートの確認]
・災害発生の初期段階では、緊急交通路が刻々と変化することもあります。
被災地に近くなったら、輸送ルートを確認することも必要です。
・確認は、被災地都道府県の警察署や交通管理センターへの問い合わせ、全日本トラック協会を通じて全国のトラックステーションで掲示する予定の輸送ルート情報などを利用しましょう。
[危険物を輸送する場合]
・燃料など危険物を輸送する場合は、横転や衝突による惨事を引き起こさないように十分注意しましょう(消火器の常備を忘れずに)。
[物資の取り降ろし]
・現地の責任者の指示に従い、迅速に荷物を取り降ろします。
また、どこから運ばれてきた、どんな物資であるかを明確に伝えます。
[帰路について]
・物資を降ろしたら、すみやかに被災地を離れます。
なるべく渋滞を避ける走行ルートをとり、無理をせず宿泊や仮眠を取りながら事故のないよう帰路につきましょう。
事故などの二次災害が起こる場合があります。
ドライバーの皆さんは安全に考慮して、無理の無いように行動するようにしましょう。
引用参考:改訂版 防災手帳~災害に備えて~