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現代のグローバル経済を支える海上輸送において、コンテナは必要不可欠な存在です。
しかし、今では当たり前の存在である「コンテナ輸送」が現在の姿になるまでには、長い歴史と技術の革新がありました。
コンテナ輸送の概念は、18世紀後半にイギリスで石炭輸送のために開発された木製コンテナにまで遡ります。しかし、本格的なコンテナ輸送が実現したのは、20世紀半ばになってからです。
1950年代、アメリカの運送事業者マルコム・マクレーンは、トラックの荷台をそのまま船に積み込むという画期的なアイデアを思いつき、現代の海上輸送コンテナの原型となります。
これが発展し、積荷を積み替えることなく、鉄道、トラック、船舶、航空機などの異なった輸送機関を複数組み合わせて運ぶ「インターモーダル輸送(複合一貫輸送)」となります。
インターモーダル輸送は20世紀後半に輸送と国際貿易に革命をもたらすこととなります。
コンテナ輸送の普及には、コンテナの標準化が不可欠でした。1960年代に国際標準化機構(ISO)がコンテナの規格を制定し、世界中で同じ規格のコンテナが使用できるようになりました。これにより、コンテナの積み替え作業が効率化され、輸送コストが大幅に削減されました。
コンテナ輸送の発展を支えたのが、コンテナ船の登場です。1960年代に登場した初期のコンテナ船は、数千個のコンテナを積載できる規模でしたが、技術革新により、現在では2万個以上のコンテナを積載できる巨大コンテナ船も運航されています。
コンテナ船の大型化は、輸送効率の向上と輸送コストの削減に大きく貢献し、グローバル貿易の拡大を加速させました。
海上輸送コンテナは、輸送する貨物の種類や特性に合わせて、様々な種類が開発されています。
ドライコンテナ(Dry Container)
最も一般的なコンテナで、乾燥貨物の輸送に使用されます。衣類、雑貨、機械部品など、様々な製品の輸送に利用されています。
リーファーコンテナ(Reefer Container)
冷凍・冷蔵機能を備えたコンテナで、生鮮食品や医薬品など、温度管理が必要な貨物の輸送に使用されます。内部温度を一定に保つことができ、長距離輸送でも品質を維持できます。
オープン トップ コンテナ(Open Top Container)
天井が開閉できるコンテナで、高さのある貨物や、クレーンでの積み下ろしが必要な貨物の輸送に使用されます。
フラット ラック コンテナ(Flat Rack Container)
側面がなく、床面と四隅の支柱のみで構成されたコンテナです。重量物や長尺物など、特殊な形状の貨物の輸送に利用されます。
タンク コンテナ(Tank Container)
液体貨物の輸送に使用されるコンテナです。化学薬品、石油製品、液化ガスなど、様々な液体の輸送に利用されています。
海上輸送コンテナは、国際標準化機構(ISO)によって規格化されており、世界中で同じサイズのコンテナが使用されています。これにより、コンテナの積み替え作業が効率化され、輸送コストが大幅に削減されました。
20フィートコンテナ:長さ20フィート(約6メートル)、幅8フィート(約2.4メートル)、高さ8フィート6インチ(約2.6メートル)のコンテナです。最も一般的なサイズで、様々な貨物の輸送に利用されます。
40フィートコンテナ:長さ40フィート(約12メートル)、幅8フィート(約2.4メートル)、高さ8フィート6インチ(約2.6メートル)のコンテナです。20フィートコンテナの2倍の長さで、大量の貨物を輸送する際に利用されます。
40フィートハイキューブコンテナ:40フィートコンテナの高さを9フィート6インチ(約2.9メートル)に拡張したコンテナです。高さのある貨物の輸送に利用されます。
コンテナの積載量を表す単位として、TEU(Twenty-foot Equivalent Unit)が使用されます。1TEUは、20フィートコンテナ1個分の積載量を表します。40フィートコンテナは2TEU、40フィートハイキューブコンテナも2TEUとして換算されます。
海上輸送コンテナは、その登場以来、物流業界に革命をもたらしました。標準化されたコンテナとコンテナ船の登場により、輸送効率が飛躍的に向上し、グローバル貿易の拡大に大きく貢献しました。
現在では、様々な種類やサイズのコンテナが開発され、多様な貨物の輸送に対応しています。今後も、技術革新や新たなニーズに対応したコンテナが登場し、物流の進化を支えていくことでしょう。
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