ある日、人工衛星の輸送プロジェクトが始動した。開発された研究所から、ロケットの打ち上げ施設へ。
その距離、約1600km。開発に携わった人の想いや人類の夢に傷はつけられない。
5台のトラックにわかれ、1週間をかけ輸送を行なうことになった。
その結論に至るまでに幾度も打ち合わせを重ねた。 高さ6m、幅4mに及ぶ人工衛星を輸送のためにどのように分解するか。 期日に間に合わせるためには、どのルートを通るべきか。 営業はプロジェクトのディレクターのように、ゴールへの道筋を整えた。 その輸送の旅路は、新聞にも取り上げられることとなった。
失敗は許されない。
それは、ただ単に運ぶものが精密機械や大型機械だからだけではない。 半導体や医療用機械、航空シミュレーターなど、運ぶものは種類も大きさも様々。共通するのは、つくり手の想いや使う人の希望が込められているということ。
人類の夢を抱き、その人工衛星は宇宙へと旅立った。地上から続く一本のロケットロードに、身体を震わせずにはいられなかった。
そう、これが僕らの仕事だ。